acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

早池峰山・栗駒山

2011年07月20日 14時24分22秒 | 山行速報(登山・ハイキング)
2011.07/16(土)~17(日) 天気:曇り→晴れ、晴れ

早池峰山・栗駒山登山をしてきました。
メンバー:単独。 装備:特になし

今回の登山行程は、前夜発車で河原坊Pまで入り仮眠、
5:51発~7:51打石~8:35-8:54早池峰山~9:40五合目御金蔵~10:50小田越~11:24河原坊、車で移動し須川温泉Pにて車中(泊)、
4:55発~5:26名残ヶ原~5:55-6:05昭和湖~6:45天狗平分岐~7:03-35栗駒山~8:10産沼分岐~9:15名残ヶ原~9:28賽の河原~9:45須川温泉の1泊2日です。

かみさんの休みの7/20に一緒に行く計画を立てていたが、どうも台風が直撃するようないやな予感がする。
なんせ今までに3回計画を立てて行けないでいる山である。いける時に行かないと・・・そんな訳で急遽出動する。
ザック等を車に積んで、水戸で仕事の会議・懇親会に出席、酒も飲まずにコンパニオンと山の話で盛上がった後に一路東北を目指す。

岳までしか車で入れないと思っていたが5時~13時が普通車の交通規制の看板があり、いいのかな~と思いながら河原坊まで入ることにする。
2時間ほど仮眠をとり出発することにするが、地元のボランティアのおっちゃんと山の話で盛上がっているうちにバス2台分の団体客に先行される。
ここは人気のハヤチネウスユキソウの咲くシーズンなのである。油断は禁物と後を追い入山することにする。
山ガール風の山ババたちをぶち抜きサクサクと登るが、病み上りを思い出しペースダウンしのんびり登ることにする。
ガスが晴れ視界がよくなるが蛇紋岩の急登はなかなか手強いのである。
花の写真を撮りながら登るうちに山頂に到着する。三角点をふんづけた後とりあえず登頂記念の写真を撮る。
ハイカーのおっちゃん達とおしゃべりしながら行動食を食べていると例の団体さんが到着したので山頂を後にする。
ここは固有種の高山植物が多くたくさんの花が見ることが出来た。




朝靄の中出発します。キャンプ場の水は濁ってて飲めませんが、ビジターセンターの壁に飲料水があります。




ミヤマシャジンです。沢沿いの道を徒渉しながら登ると脇にに咲いています。心が和む紫色の花ですが種類が多く特定が難しいです。




沢沿いの登山道は途中から岩場の急登になります。途中にハヤチネウスユキソウなどの高山植物が咲いています。




蛇紋岩のスラブです。雨の日はさぞかし滑ると思いますが、右側の岩場から簡単に登れます。ロープ使う人いるのかな?




打石あたりから登ってきた登山道を見る。遥か眼下まで見通せます。意外と急勾配なのがわかると思います。




薬師岳▲1,644.9mです。小田越をはさんで反対側にある山ですが、樹木がたくさんあります。蛇紋岩の山ではないのだろうか?




山頂近くで見つけたカタツムリです。高山で見るのは初めてかもしれません。なんて種類なんでしょうか?




早池峰山▲1.917mの山頂に到着です。記念撮影をしてもらい行動食を食べながらおしゃべりも楽しいもいのです。




ミヤマシオガマです。山頂から小田越に向かう平原でみれます。アゲハチョウが忙しく蜜をすっています。




ハクサンチドリです。これもよく高山で見かける花ですが、月山ではめずらしい白の花を見たことがあります。




チングルマです。可憐な花びらが高山植物ならではです。好きな花の一つで、花が終わったヒゲヒゲも哀愁があっていい感じです。




キバナノコマノツメです。スミレの仲間で弱々しい感じです。葉の形が馬蹄ににてるのでこの名前ついたようです。




ミヤマアズマギクです。どこの高山でも見られる花ですが、酸性雨の影響か?花が大分白いです。




山頂近くの平原で木道でちゃんと整備されています。高山植物が沢山咲いていますので、花の観察にはもってこいの場所です。




小田越ルートに下るとすぐにスラブに梯子があります。一つ目は交互通行で、二つ目は一本しかないのですが右側から歩いて下れます。




五合目御金蔵に続く登山道です。緑の低木帯がとても美しいです。昼寝をしたかったのですが、日差しが強くて暑かった。




ミヤマオダマキです。キンポウゲ科の植物でいろいろな高山で見ることができますが、変わった花びらをしています。




ホソバナツメクサです。小田越ルートの下部で見ることができます。カトウハコベと同じ場所に咲いています。




カトウハコベです。ここのほかに至仏山や夕張岳などに稀産する蛇紋岩植物です。ツメクサとは葉の違いで見分けます。




ハヤチネウスユキソウです。最後になってすばらしい一輪が咲いていました。日本のエーデルワイスと呼ばれています。




振り返ると蛇紋岩と緑のコントラストが美しいです。まもなく小田越に到着しますが、早くついてもゲートが閉まってて車が出せません。



車で移動し須川温泉へ向かう。途中一関でガソリンを入れ、ひさびさにカツ丼を食したが美味かった。
下界は猛暑であり気温が37度あった。(^_^; たまらずイオンで買出して山に行って宴会をすることにする。
がっちり爆睡したので目覚めは最高である。硫黄のかおる源泉脇を通り入山する。
名残ヶ原あたりで戻ってくる山ババたちが熊がいると騒いでいた。
朝一は熊も登山道をあるいているので不思議はないだろうと気にせず進む。
昭和湖で山に入っていく小熊がいた、おそらくあの熊なのだろう。
ガンガン照りの中山頂を目指し山頂に着くころにガスがかかる。
山頂で写真を撮ってもらったおっちゃんが福島市在住で原発関連のいろいろな話をした。
鮎が汚染されてダメになったそうだ、すると例の吾妻のイワナもダメだろうか・・・とても残念である。




須川温泉の車中泊では爆睡し、すがしい朝を迎えました。露天風呂脇より源泉をみながら入山します。




源泉の温泉神社の溶岩ドーム?このしたから毎分6,000Lの温泉が湯水のごとく流れ出しています。




登山道途中には水蒸気が出ている穴などがあり、丘を超えると名残ヶ原にでます。




天狗平に向かう登山道です。山スキーにはすばらしい斜面になるのではないでしょうか。




なだらかな頂が栗駒山です。登山道はよく整備されており歩きやすいのですが、太陽が・・・暑いです。




昭和湖です。乳白色した神秘的な湖です。湖畔反対側の山に熊が入っていきました。




栗駒山▲1.627.4mの山頂に到着です。記念撮影をしてもらった福島市在住のおっちゃんと原発問題の話で長居してしまいました。




名残ヶ原全景です。たくさんの人たちが湿原の木道を歩いています。ここまで散策にくるだけの人も多いようです。




賽の河原です。白い砂状の丘があの世をイメージさせるのでしょう。もうすぐ須川温泉に到着です。

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笠ヶ岳 笠科川タル沢~本流下降

2011年07月18日 16時10分18秒 | 山行速報(沢)
梅雨が明けて、暑さも夏本番、こんな時はギラギラ照りつける中、水と戯れるに限る! と、ようやく今シーズン初の沢に行ってきました。2011年8月17日、メンバーはNakと6月入会のGさん、初顔合わせです。よろしく。前夜、笠科川本流の橋の近くで一泊、涼しくて久々によく眠りました。朝、鳥たちの鳴き声に夜明けと共に目を覚ます、何と健康的なことでしょう。出発直前に宇都宮ナンバーの車で来た二人パーティと遭遇、聞くと同じところへ行くそうです。そのあと、抜きつ抜かれつで源流までご一緒させてもらいました。

6時、道路の橋の下から入渓して出発です。
最初はすこし水が冷たいです。Gさんも10年来のひさびさの沢たびをはき少々とまどっているようです。
水中にある石でぬるっとすべるのは要注意です。本流で幅広のゆるいナメ滝を越えて行くと、すぐにタル沢に入ります。



タル沢に入っていくつか小さなナメ気味の滝を越えてきました。どの滝も順層の段々状のしっかりしたホールドが沢山ありもルートに迷うようなところはなく、大丈夫そうなのでGさんに先行してもらうことにしました。
順調に遡っていきます。


この沢のいちばんのポイントらしき、最初の滝です。


「第2のゴルジュ」と言われているところです。水量がすくないせいか、土砂でうまったせいなのか、腰ぐらいの深さしかなく、へつりも泳ぎも必要ありませんでした。


1700m付近、ここまで二俣はすべて左側を選択してきました。1800m付近、小笠北東の崖マーク直下の二俣は左を選択しました。崖マークのところはちょうどネマガリダの密藪の急な登りとなり全く閉口します。なるべく樹木のありそうなところを選んで、日陰で休んだりして登山道に出ました。40分の藪こぎに汗びしょになったので、半袖Tシャツ一枚になり縦走は爽快に行きましょう。


ひさびさの爽快な夏山の縦走路、至仏山が見えます。


せっかくなので、笠ヶ岳山頂にも行ってきました。老老男女の団体さんが一杯でした。


山頂からちょっと南へ足を運ぶと、静かです。片藤沼はまんまんと雪解け水をたたえて鏡のようです。ゆるやかな地形の中を次のピークまで登り、その先から登山道をはずれて南東の方向に、またもや密なネマガリダケに突入しました。1860m付近まで下ると小沢になりました。


笠ヶ岳から東南東にまっすぐ下りてくる沢を合わせた付近です。


スリバナ沢出合のすぐ上流には、三段の立派な滝がありました。でも、ホールドは豊富で、段のところでしっかり踊り場になっていて往き来は容易です。


このようなナメ床の部分もいくつかあり、和み心と遊び心で楽しくなります。


暑い日だったので、大きな釜をもつ滝は、いっそのこと飛び込んでクリアしてしまいたいと思いました。次は、度付きの水泳用ゴーグルでもかけてやってみましょうか。


」行動記録
5:43出発ー5:55本流入渓ー6:18タル沢出合ー6:55ワル沢出合
ー7:23二俣を左へ(1580m)ー8:06二俣を左へ(1680m)ー8:13二俣を左へ(1740m)
1800m付近で二股を左へ(右の方が水量は多)ー9:05登山道へ出る。(長い休憩)
10:00笠ヶ岳山頂ー10:37「1952m」ピークの南で藪へ入る。ー11:04水流(1860m)
11:40片藤沼からの沢と出会う。ー12:05 左岸から支流ー12:34 左岸から支流
13:05 スリバナ沢出合ー13:55右岸から滝になって支流、その下に幅広の急なナメ滝
14:36 ワル沢出合ー14:57沢終了ー15:00山行終了
遡行 標高差514m3.3km 3時間20分
下降 標高差-491m4.4km 4時間20分
登山道 累計標高差176m-152m2.3km 1時間30分
 

谷川岳・幽ノ沢V字状岩壁右ル-ト

2011年07月17日 22時56分28秒 | 山行速報(アルパイン)

谷川岳・幽ノ沢V字状岩壁右ル-ト

幽ノ沢出合から

「梅雨明け10日」の言葉通りに暑い日が続く。
こんなときにはやっぱ沢でしょう!
ということで、硬派な二人は沢は沢でも幽ノ沢。
このたびの相方はパ-トナ-としては初顔合わせのACC-J東京・ARさん。
アプロ-チで沢と戯れ、華麗に登攀と洒落込みましょうぞ。

などと言ってはみたものの、真夏の谷川登攀といえば、熱さと渇きに代表される禁欲的なキ-ワ-ドが思い浮かぶ。
7月半ばといえども、例年のイメ-ジでは、もはや8月の気温が続く。
少々不安を抱えながらも、このたびは快適登攀を目指す。

谷川岳ロ-プウェイを4時にスタ-ト。
今年から登山指導センタ-から先が交通規制。

一ノ倉出合で一休み。
なぜか、どうしてか車が一台。
「どうやって入ったの?」の問いに「何で入っちゃいけないんだっ!」と私にゴネられても存じ上げませんわ。

大滝手前のS字ゴルジュ

気を取り直して、幽ノ沢出合。
さてここからが本番。
沢沿いを行くとS字ゴルジュ。ココのナメを慎重に越え、大滝前で雪渓に乗る。
雪渓は大滝の中ほどで切れ、ちょっと緊張のクライムダウン。
二俣で再び雪渓に乗り、右俣。その後二度ほど雪渓に乗っては降りるを繰り返す。
ここは、隠れた核心だ。

カ-ルボ-デン

カ-ルボ-デンは開放的。行く先にドドンと岩壁が立ち並ぶ。壮観な眺めである。
中央のカンテ状を行くが次第に傾斜が増す。
しかし岩の乾きにアプロ-チシュ-ズのステルスラバ-が食い込む。
反面、暑さと前半の雪渓処理で幾分消耗し、途中、右俣リンネで水場休憩。
ココからの眺めは、なるほど「V字状」が見て取れる。

カ-ルボ-デンを行く

リッジ行き詰まりの取付でシュ-ズとロ-プを出す。
ジャンケンでARさんからスタ-ト。

1P・25m:フォロ-
取り付きから右にトラバ-ス。右俣リンネを越えてリッジまで。

2P目フォロ-のARさん

2P・25m:リ-ド
一旦、フィックス使用のクライムダウン。
右にトラバ-ス。ガイドに出てくるT2(右下方向)は見出せず、視界に入る右斜上の支点まで。
容易だが中間支点が少ない。

3P・50m:フォロ-
開けたスラブでどこでも登れそう。とくに右の階段状かと思ったが、ここは直上で正解らしい。
被り気味のフェイスは左から巻く。明確な支点はないが、ハ-ケンが二本並んで打ってあるところでビレイ。

4P目フォロ-のARさん

4P・25m:リ-ド

広いスラブを直上。ペツルとハ-ケンの支点まで。

5P・25m:フォロ-
スラブ状フェイスを右上。左に狭いルンゼが見えるところまで。

6P目全景

 

6P・45m:リ-ド
ここから進路が左上に折れる。
狭いルンゼからフェイス。フェイス上部の乗越しが核心。
中央突破も可能らしいが、しばし逡巡。高度感のある左垂壁に体を入れて乗越し、草付を行く。
明確な支点がなく、凹角下の薮とハ-ケンでビレイ。

7P・20m:フォロ-
凹角を快適に越え、残置の見えないフェイス手前まで。

概ね乾いた岩に快適な登攀。
浮石やガレも少なく、意外とカッチリしたホ-ルドスタンス。
初顔合わせで3時間半はまずまずのタイムだ。
草つきの多さに和の趣。残念なのは枯れ草の堆積が多くこの点だけはスッキリしない部分ではあった。

薮と潅木の急傾斜を越えると石楠花尾根のテラスに付くが、ここまでの薮と潅木帯は傾斜が強く、ロ-プを出すべきであったと少々反省。
石楠花尾根の踏跡も、ハッキリしたり微かなものになったりを繰り返すが概ね尾根を行けば間違いない。
ホトホト疲れて途中の平らな岩で休憩。
そこから堅炭尾根登山道までは僅かの踏ん張り。

詰めの薮

芝倉沢で充分な水分補給と、雪渓の冷気でク-ルダウン。
エアコンなんてメじゃないなぁ~。

あとは歩道専用の国道291号線をボトボトと下る。
雷鳴を聞きながら幸い雫は落ちなかった。鎮魂碑を眺めながら一ノ倉。
出合に警察官。車で入った方への取締りとのこと。
なかなか厳重、公平なのはいいが、そもそも簡単に入れちゃいけないのでは?

ロ-プウェイから一ノ倉まで有料バスが運行していた。
大人片道500円。一瞬気持が揺らぐ。
しかし、硬派な二人は易きに流されるような選択はしないのだ。
一瞬の気持の揺らぎは、出来心というものだ。きっと多分。
もっと硬派な料金ならば、或いは・・・。

sak

 


草津 大沢川毒水沢

2011年07月12日 08時03分32秒 | 山行速報(沢)

2011.07/10(日) 天気:晴れ→雷雨

草津大沢川毒水沢遡行してきました。
メンバー:単独。 装備:ザイルφ8.0×30m(使用せず)
今回の登山行程は、前夜発車で浅間山火山博物館で仮眠して朝仕事~万座ハイウェイまで移動して仕事、そして天狗山スキー場Pまで移動、
8:00発~8:09登山道~9:29-10:00毒水橋[入渓]~10:40-55香草温泉~11:27二俣~12:28雪渓~13:00登山道~13:43白根山レストハウスの1日です。

大病を患ってからの始めての登山になる。どの程度できるのか不安でもあり久々の山行は楽しみでもある。仕事で草津白根山の行かなくてはならないので、いい沢は無いかと探してみたら途中に秘湯がある興味深い沢を発見する。いろいろスケジュール調整し、実施することが可能であることがわかる。後は天気しだいである。

入山した時は良い天気であったが、入渓して滑床を登っていると白根山のほうにあやしい黒雲が・・・。のんきに入浴している暇は無さそうであり、常にエスケープルートをさがしながら遡行することになる。詰めの二俣でポツリと雨が、涸れ沢にはいると豪雨になり足も完全にツリ大きな岩の陰で雨宿りをするがいかんせん沢の中、ここも水没するのは明白であり、すこし小降りになったところで行動を再開する。濁流とかした涸れ沢沿いに登山道を目指すが、足にきており一歩一歩ふみしめる感じである。雪渓脇を通過するころには、足場もよくなり登山道に出る。予定を変更して白根山レストハウスに向かいバスで天狗山スキー場に戻る。


草津国際スキー場は三ヶ所のスキー場の総称のようで、天狗山スキー場と言わないと地元の人は判らないようである。梅雨明けしたらしく良い天気だ!

 

ガンガン照りの中アスファルト道路をてくてく歩くとまもなく登山道の入口にでる。でっかく熊出る注意せよにコンパスと共に熊鈴を着ける。


登山道は広く木々がかぶっていて涼しい。なだらかな道をしばらく行くと途中の蟻の戸渡りの標識が、戸隠山を想像していたがぜんぜん危なくない。


途中に常布ノ滝展望台があるので寄り道をして見学するが。遠くでかすかに見えるだけある。滝下まで行く道があるが封鎖されているので止めにする。


湿原が脇に見えると、まもなく毒水沢橋にでる。沢にはでっかく立入り禁止と書いてあるので這って入ることにする。ここで沢靴に履き替えハーネスを着ける。


沢に入り白濁した水を口に含んでみるが、酸っぱくて飲めない。毒水沢のゆえんである。沢のところどころの水たまりには湯の花が沈殿している。

 

明るい滑床をあるいていくとガッンと大きな滝があらわれる。30mほどあるが一目で登れないと判る。右よりはっきりした巻道がある。

 

小さな滝を超えていくと、大きめ滑滝がある。水流右側より登れる。岩のフィリクションが効くのでフェルト底よりアクアステルスのほうが相性がいいようだ。


いよいよ香草温泉を思わせる滝があらわれる。草津温泉特有の緑の岩が源泉のようだ。水流右側よりすんなりと登れる。


第一番目の源泉である。湯はちょろちょろなので入るのは難しいが、天然のサウナのような構造になっている。今回は夏なので遠慮したい感じだ。

 

第二の源泉である。思ったより湯がたまってなく。入るのにはそうとうな土木工事が必要になるだろう。次に行くことにする。

 

山の方を見ると雲行きがあやしくなり、ガシガシと滝を登る。登ってきた沢がよく見える。明るくて良い沢である。


いくつかの源泉を過ぎて、滝上の水たまりを見ると湯の花が。手を入れてみるといい感じの湯で、ここなら入浴できます。

 

沢の詰めは小滝の連続で、病み上りの私は大分足にきいてきました。何度も滝にとりついた瞬間に両足がつった時には肝を冷やしましたが、日頃の訓練で冷静に対処する。

 

上部の二俣のあたりで豪雨になり遠くで雷が聞こえる。増水しても逃げやすいように右側に傾斜の緩い涸れ沢から登山道をめざす。雪渓ごしに白根山が見える。

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二口山塊・二口沢~神室山

2011年07月07日 21時04分53秒 | 山行速報(沢)

二口山塊・二口沢~神室山

どうやら沢の分岐を間違えた。
その予感は、登山道に出て確信した。

二口山塊といえば、ナメ。
暑い日が続いたならば、誰もが涼を求めるのは自然な成り行きである。
沢ヤなら森の中の緩やかなナメに涼を求めるのもまた成り行きであろう。

名取川、二口沢本流の小松原沢を遡り、山形神室、仙台神室を踏んで薮尾根を下り、風ノ堂沢下降というのが当初の計画だった。
しかし、銚子の滝を見ることなく源頭の様相を呈してきたころからそんな予感はしていた。
後に確認するとどうやら桂沢へと入り込んだらしい。

二口林道ゲ-ト手前から入渓点は僅か。
風ノ堂沢出合手前で入渓。いきなりナメからスタ-トする。
さすがに誉れ高き二口のナメは秀逸。時に落し穴のようにある深みに気をつけながらいく。

数mから10mほどの滝を登ったり、小さく巻くなどしつつ遡る。
本日チョイスしたアクアステルスは、二口のナメに相性が悪いらしく足元に神経を使う。
特に問題となる個所はないものの、似たようなナメ滝が多く、いつしか遡行図と現地確認がズレていた。


大体、取り違えた場所は想像がついた。
とはいえ、桂沢も滑り台のようなナメが源頭近くまで続く。
草つきと薮を繋いで登山道へ出たものの、山形神室までは1時間ほどを要した。

山形神室は低木を敷き詰めた頂。とても開放的な雰囲気だ。
仙台神室まではアップダウンで1時間ほど。

そこから、風ノ堂沢を目指し、かつての山道へと進むも踏み後はあっけなく消える。
見晴らしのいい場所で地形とコンパスの照合をしていると、行く手にニホンザルの集団。
しばらく様子を見る。退く様子もないので、声をだしながら歩を進めると、さすがに退いていった。

仙台神室の東尾根はかつては山道として登られていたが、今では廃道となったと聞く。
道形を期待したものの、見出すに至らず薮グレ-ドはⅣ級といったところだろうか。
そんなこんなで道草を食っていると、雷雲が蠢きだす。
次第に強風が吹き出し、視界がなくなった。ヤベ-なぁ。
薮との格闘も程々に風ノ堂沢をあきらめ、南沢へと下降。

北斜面を薮頼りに下って行くと沢床に着いた。荒れた樹林帯だった。
水分補給し小休止。雷雲は悪化することなく、なりを潜めた。

しばらく下るとナメ床が出る。このあたりはどこかしこにもナメが潜んでいるのだろう。
いくつかの小滝をクライムダウンすると、15m、凹場の滝に出くわした。
右岸を小さく巻き下るが下部はドロとスラブでズルズル。
無事降りたのも束の間、その下にさらに大きな滝。
落ち口から下が見えないので、角度は急。落ち口先の空間が大きく開き、はるか下方に流れが続いていることから30mは越えているだろう。
瞬間的に「巻きだな」と思ったものの、降りてきたドロとスラブのズルズル壁は”アリ地獄”の様相。
下るのは容易でも、大きく巻くために登り返すのは容易ではない。
考えた末、そのあたりにある流木や枝を集め、それを足場にバイルと草頼りでなんとか立ち木に指が届いた。
この沢旅の核心だった。
巻きは最終的に懸垂下降を交えたが、併せていくつかの滝を巻いたようで、大滝の姿は見ることはなかった。
そこから二口沢本流へは僅か。いくつかのナメ滝を下った先に出合う。

さて、後は本流をのんびり下ればと鷹揚に構えていたものの、この先が意外と長かった。
はたして下降は南沢であったのだろうかと疑問を残すことになった。

後日、二口渓谷、南沢の記述を調べて見ると、「特に難しいところはなく、下降に適している」という記録を散見した。
南沢でも右俣・左俣、右沢・左沢とその流域は扇状に広がる。そのどこかである可能性はある。
膝を打つような答えを見つけることはできなかったが、隣の小松倉沢には大滝があるらしい。
或いは小松倉沢を下降したということも無くはない。

こういうときにGPSがあるならば、即時解決と相成るのであろう。
しかし、こんなちょっとした「冒険」も悪くは無い。
この日の引っかかりは時を越えて、或る時ヒョッコリと顔を出す。案外それが楽しみなのだ。

sak