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acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

奥利根・山谷徘徊

2025年05月06日 18時00分07秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2025/4/26-28 奥利根・山谷徘徊

鳩待峠~スズケ峰~平ケ岳~水長沢山~利根川~十分沢~ブナ沢~幽の沢山~小沢岳~下津川山~ネコブ山~三国川ダム

山は嶺ばかりではない
嶺々の間に刻まれる谷
その双方を巡ることで、より真価に近づけるのではないか

山谷を巡る山旅
径を求めて

 

2025/4/26 鳩待峠~スズケ峰~平ケ岳~水長沢山

奥利根の縁に立って、そこへ身を投じることを躊躇ったあの日から半月

残雪の多い今期なら、まだあのラインを繋げるんじゃないか
そう考えて計画を洗い直した

無理してスケジュールを確保したのだが、3日が限界だった
本当はもう一日ほしい所だったが、生きていくための義理も立てねばなるまい
何とかこれで遣り繰りできないか

すでに戸倉から鳩待峠までバスが利用できる
加えて、今回はazmさんも参加表明してくれた
二人の車を使えば下山後、車回収の自由度が増す
こうして計画の目鼻が立ち、決行することとなった

前夜、戸倉で車中泊
6時過ぎには鳩待峠に入ることができた

良く締まった雪の上を山ノ鼻まで
天気は申し分ない

ここから平ケ岳を目指して、猫又川右岸を行く
踏み後はほどほどについていて、前日に平ケ岳へ向かった方もいるようだった
しかし次第に踏み後は散開していく

我々は陽に当たって緩み始めた雪を避け、針葉樹の続く尾根をチョイスする
木陰の雪は緩んでおらず歩きやすいが、主稜線まで急登なので息も切れる

岳ケ倉山の北に乗り上げれば、目の前に広がる奥利根の山々
今まで歩いた場所やこれから目指す場所を指呼しながらの歩きは楽しい

谷を挟んで見えるオミキスズ岩と赤倉岳
雪原広がるスズケ峰湿原
そして振り返れば至仏山
目指す国境稜線は霞んで見える

遥か遠くに見える平ケ岳を目指して登降を繰り返す
白沢山手前で初めて下山者とスライドする
短い挨拶だけだったが、その顔からは「充実感」が滲み出ていた

山行を計画し、準備、行動する
山を始めて、踏み後を目指すようになったころのあの胸の高鳴り
すべてを自分で決めて選択する
「いい山やってるね!」
自他問わず、そういう山に触れるのは実に楽しく嬉しい気持ちになる

平ケ岳までは虚無の心境で亀足行進
最後の登りをこなして、気象用観測塔に到達
ここでザックをデポして山頂標(三角点)のあるであろう場所まで往復する
雪面に頭だけ出した山頂標を見つける

たしかここへは中ノ岐川池ノ沢遡行を諸々あって断念し、
結局登山道を使ってたどり着いたんだったなと思い返す
そんなことを思い出しながら、またこの頂に立つ

さて、ここからが本題
奥利根の懐へと入り込む
初めて歩く径は、なぜこうも高揚するのだろう

その先の景を感じたい
巡り癒され、挑み、自分を省みる
そして線が継がれる

平ケ岳を剱ケ倉方面に下って少し登り返したあたりから水長沢尾根に向けて下降する
最初が急なので慎重に下ると、細いリッジが出てきて藪も出ている
よく観察してみると、尾根に踏み後がついていた

その昔、この尾根には道が開かれていたと聞く
その名残なのか、獣道なのか、はたまた沢ヤの所業か、篤志家か
そんな思考を巡らしていると物陰に潜んでいた大きなカモシカが急峻なこの場所をもろともせずに駆け下っていった
山に生きる彼らにはなんて事のない所作なのだろうが、思わず惚れ惚れする走駆だった

水長沢尾根は一部、藪を漕いだが概ね北斜面の雪を拾うことができた
沖の追落からはしっかりした雪堤も出てきて快適に歩く

進む先には水長沢山の平坦な台地が見える
本当は水長沢山の先、少し下った肩の台地を幕場候補としていた
しかしながら、この素晴らしいロケーションを目前に、ここに幕を張りたいと思ってしまった

少し風は強かったけど、シラビソを風よけに幕営
もちろん、夕日が見える方向に入口を向けた

水長沢山の夕景
陽が暮れれば、すべてが闇に沈む
街の灯りは一点もない
そういう爽快感がここにはあった


2025/4/27 水長沢山~利根川~十分沢~ブナ沢~小穂口沢~幽の沢山~高嵓

夜明け前の薄暮とともに行動開始
水長沢尾根から利根川、ヒトマタギへと下る

山頂の末端から北西方向の支尾根を下る
幕営予定していた平坦地を経由し、さらに雪を繋いで下っていく
懸垂下降も想定していたが、安定した雪面がつながっていてロープを出すことはなかった
下り着いた場所は雪が溜まって利根川は埋もれており、ヒトマタギまで回り込むことなく渡ることができた

しかし、対岸に渡ってからの急斜面トラバースは下が割れているので緊張する
落ちたら笹濁りの利根川に流されるという緊張感
川辺も雪壁が高くて、とても這い上がることはできないだろう
慎重に通過する

一投足で越後沢出合
流れは出ているが、雪の左岸を軽く巻くとその上流は雪に埋もれている
越後沢を十分ほど遡り、十分沢へと進路をとる

このあたりは奥利根横断でよく利用されることが多い場所
雪面には足跡も見て取れ、直近歩かれた方がいるようだった
何処から来て、何処へと向かったのだろうかと想像は広がる

径は無数にある
生きるために進む道、自分を信じて藻掻く道
選ぶのは自分、それが幸福というものだろう

姿なき同志に心の中でエールを送る

十分沢をしばらく詰めて、小穂口尾根の鞍部へ続く沢筋を登る
鞍部から小穂口山まで往復しようと考えていたけど、時間が押しているのでこのままブナ沢へと下ることとした

ブナ沢は名前の通りブナが多いのだろうと想像はしていた
想像通りではあったものの、この冬の雪崩でその多くがなぎ倒されていた
自然とは私達が考えているほど情緒的なものではないことを思い知る

小穂口沢へ出るとここも雪に埋もれており容易に対岸へと渡れた
このブナ沢出合右岸は丁度いい台地となっていて、身を休めるに素晴らしい場所だった
古の切付が記されている
泊まりたい欲をグッとこらえて先へと進む

雪で埋まった小穂口沢を少し遡り、右岸から入る雪の繋がった沢筋へと取付く
ここはなかなかの急登で息も切れる
交代しながらステップを刻む

幽の沢山の尾根に乗った時には、ほとほと疲れ切ってしまった
前日の疲労とこの急登、加えて強い日差しに疲れもピークだった

幽の沢山への最後の登りを前に大休止
少しウトウトしながら微睡みタイム
予定時間は超えてしまっているんだけど、今の二人に必要な時間だと考えた

そして幽の沢山
周りに山と谷しかない素晴らしい場所だ

しかし時間はだいぶオーバーしていた
計画していたルートを行くか、エスケープするか
幾つかの選択肢を反芻しながら高嵓へと向かう
斜陽に伸びる雪庇の影が、自分の想いを黒く塗りつぶしていく

高嵓の肩
安定した雪面を見出し、幕を張ることとした


2025/4/28 高嵓~小沢岳~下津川山~ネコブ山~桑ノ木山~三国川ダム

4時発で小沢岳に向け歩く

本来、昨日の行程で小沢岳南尾根を下り、奈良沢に至る計画だった
しかし、そこまで至ることができなかった時点で今日の行動は決まった

ここから小沢岳、下津川山、ネコブ山を経て三国川ダムに抜けるエスケープルートへと進む
2年前に歩いた径を逆方向に辿る

一度歩いたことのある場所は想定がつく分、容易だ
小沢岳から北の鞍部へと下って下津川山へは細い尾根の藪漕ぎ
ネコブ山へは雪が落ちているところも多い
藪や雪壁を登る場面もあったが概ね安定した雪質なので心配はなかった
ネコブ山からは前日と思しきトレースもあってそれを追う

心残りはある
最後の最後で自分を追い込めなかった
土壇場で心が揺れた
選んだのは自分

なんのことはない
自分にはまだその資格がなかっただけのことだ

導水管脇の階段を下って三国川ダム右岸道、桜散る道を歩く

挑み、もがいて、苦悩の末に牽いた一筋のライン
計画通りとはならなかったとしても
納得のいくものではなかったとしても
すべて自分の描いたもの
だからこそ、それは美しい

今は清々しい気持ちで一杯だった

一緒に歩いた仲間がいる
時は巡り、道は変わったとしてもこの径は継がれる
そして、私にはまだ残された場所がある

残された場所を歩く
そのための努力なんて楽しいに決まっている

一本、また一本
等高線の狭間にラインを牽いていく
そうして無二の画となる


sak


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下田山塊・粟ケ岳

2025年04月12日 18時52分49秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2025/4/10 下田山塊・粟ケ岳


粟ケ岳の山頂から望む景観は爽快だった

下田・川内の山波
越後平野と日本海、そして佐渡
南に大きく守門岳が横たわり、その先に上越・奥利根の山々が見える

前日、私は上越国境・奥利根の縁にいた

想いは過る
他に選択肢はあったのではないかと


北五百川から祓川の傍らを遡る
途中、支流を渡るのがアクセントとなり飽きることなく歩ける
粟薬師小屋への登り途中から雪が出てくる
キックステップを刻んで小気味よく高度を上げる

粟薬師小屋は屋根が落ち、屋内は雪だらけで到底使えそうもない
小屋前でひと休みしたら目の前の尾根に向けて急登をこなす
程なく視界は広がる

雪に塗られた粟ケ岳の山頂
そこに至るまでの雪稜が美しい曲線を描いている

来てよかった
つくづくそう思った


雪を利用して奥利根を徘徊する
2年前に辿った場所と交差するラインを計画していた

そして決行した山行は出鼻で挫かれた
序盤は雨に打たれて、上越国境では風雪に叩かれた

アウターは凍り付き、地図を取り出すにもジッパーの開閉が困難だった
それでも稜線を跨げばやり過ごせるという思いはあった

しかし、空と地面の境目もわからない世界で柄沢山からの下降点を見出せなかった
これから向かう柄沢山北東尾根直下には多数のクラックが走っていると直近の記録にあった
私は奥利根の縁に立って、そこへ身を投じることを躊躇った

想い入れのある山ほど、撤退は難しい
判断が難しいのではない
想いを断ち切るのが辛いのだ


そうして今、粟ケ岳に立っている
いつか行きたいと思った場所に期せずして佇む

想いの丈をぶつけた山
そればかりが喜びとは限らなかった

生末を自分で決める
その先に喜びが待っている

あの時、稜線を跨いでいたら

妥当な判断だったと言い聞かせながらも後悔はあった
周りは騙せても、自分は騙せない

稜線を越えた並行世界の私は今頃どこにいるのだろう
山は逃げずとも歳月は過ぎ行く
後悔というよりは願望だったのかもしれない


粟ケ岳から望む景観はそんな愁いを忘れさせてくれるものだった
山波は青里岳、矢筈岳へと続く
そしてその先へ

また一つ、標を立てる
この先、あまり永くないとわかっていても、だ
ひとの思惑はここに及ばない、それが心地いい

思い通りにならないからこそ尊い

下山後、八木ケ鼻を望みながら湯に浸かる
高曇りの空にボンヤりと透ける太陽が少し眩しかった


sak

 

 

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2025アイスクライミング備忘録

2025年03月25日 19時42分32秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2025アイスクライミング備忘録

今冬はアイスクライミングの修行に勤しんだ
バーチカルのリードが安定してこなせるために課題はいろいろあるんだと思うけど、課題解決の仮説と実践
「我武者羅に」というよりは知見を得て、自ら考え実践する
こういった営みがとても楽しい

それと同時に「道具」への投資も実に楽しい
反面、これには限りもある
あとはなるようになれ!と、こちらは「我武者羅に」なるほかないのです(笑)


【2025アイスクライミング備忘録】

2024/12/10 日光・五色山北ルンゼ

アイスの装備を身に着けるのも久しぶりで、少し戸惑いながらもこれはこれで課題か
アプローチもしやすくて程よい傾斜
アイゼン・アックスを叩き込む感覚を楽しみながら行く


2025/1/10 八ヶ岳南沢大滝

バーチカルで全然足に乗れてない
立ってくると、つい腕に頼ってしまう
体の感覚ではなく、自分なりにレストや支点づくりのポジションを固めていかないといけないなと痛感する


2025/1/25 西上州・相沢大滝

以前来た時に大変苦労したけど、なんとかノーテンで登れた
ちょっとうれしい
トップローブすけどね *´꒳`ฅ

下部の緩傾斜で支点構築の練習
バーチカルでなければ何とかこなせると実感した


2025/2/6 足尾・夏小屋沢

F3を繰り返し登り込む
傾斜が立ってくるとスクリューを打つ時の体制が力任せになってしまい、距離があればこれでは続かないだろう
とにかく垂直の氷で練習したい


2025/2/12・27 西上州・犬殺しの滝(滝裏で自主練)

独りで自主練
犬殺しの滝裏は足場が安定していて垂直、氷も固めなので3~4手をフリーで登下降
足の置き場とレスト、支点作りのポジション確認
アックスの打ち込みもコントロールを意識して反復練習


2025/2/22 荒船山・昇天の氷柱(3ピッチ敗退)

ルートを登りたい欲が出てきてisiさんに提案して実現
だったけど、3ピッチ目が細ツララとベルグラで敗退
折角なので1ピッチ目にトップロープを張って練習
次シーズンにはなんとか完登してみたい


2025/3/4 西上州・相沢奥壁エイプリルフール

傾斜の強い所も何とかこなせるようになった
疑似リードもテンションかけずに出来た
それもトップロープであるという安心感が心理的に作用してのことだろう

加えてアックス・アイゼンを新調し、道具効果・プラシーボ効果もあったかと思う
登っているときのポジションも定まってきて少し自信がついた


2025/3/7 八ヶ岳ジョーゴ沢・乙女の滝

ジョーゴ沢の滝を巡る
乙女の滝、本谷大滝、ナイアガラの滝

メインは乙女の滝で、アックステンション使いながらリード
他滝はシーズン終盤で埋もれてあまり高さはなく、弱点をフリーで登る

それにしても乙女の滝は造形がとても美しかった
おそらく今まで見た氷瀑の中で断トツだ

氷瀑は毎年発達造形が違う
この機会に触れることができて良かった


2025/3/8 八ヶ岳・大同心大滝(中段まで)

大同心大滝上段は取付きやすいとされる左側の滴りがひどく登らず
中段から懸垂で降りた後、中央をもう一度トライしても良かったのではと下山してからひどく後悔した

左側より中央は難易度も上がるんだろうけど、気持ちで負けてしまったような気がした


2025/3/15 八ヶ岳・赤岩の氷柱

前回の心残りが日に日に少しずつ大きくなる

大同心大滝にこだわりはないけど、今シーズン中もう一本登っておきたい
isiさんがこの誘いに乗ってくれて、赤岩の氷柱へ

赤岩の氷柱は左右パラレルに落ちる美しい氷柱
ラインによってその難易度はかわるんだけど概ね右より左の難易度が高い

まずは右氷柱の中央を登る
トップロープを張って一番立っている右氷柱右側を直上、その後右氷柱左凹角からすこし被った所を行く
この傾斜でレストをしながら慌てることなく登れたと思う

結局、この後降雪がひどくなってきたので左氷柱は次の機会にする


道すがら、この冬のことを思い返す
新しいことに打ち込む、目標にトライするのは楽しい
すべてがうまくはいかないけど、それもこれも仲間あってのことだ

これから起きることだって、いいことばかりではないけれど
それを乗り越えていくのが楽しいんだよね

決して楽ではないけれど、「楽しい」
それが正義です


sak

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アイスクライミング2024 備忘録

2024年04月11日 19時32分33秒 | 山行速報(雪山・アイス)

アイスクライミング2024 備忘録

標を目指す
新たな景色を見るために

この一手は次に繋がっている
そうして、こう思う
やっぱり山は良い、と

最後に残る原動力はやはり「好き」なのだ

 

ブログ記事まとめ

八ヶ岳・広河原沢左俣

足尾・松木沢名無し沢

西上州・仔犬殺しの滝

小川山・唐沢の滝

八ヶ岳・南沢小滝


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八ヶ岳・南沢小滝

2024年03月22日 12時31分22秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/3/3 八ヶ岳・南沢小滝

暖冬の影響で一時はどうなることかと思ったが、寒が戻りなんとか今年ラストのアイスクライミング
とはいえ、相応の人出も予想されるのでヘッデンを灯しながら美濃戸口を出発

久しぶりに美濃戸への林道、南沢の登山道を歩く
冬型のお陰で青空が広がる
しかし、雲の流れは速い
稜線はいかほどの爆風かと思いながら、南沢小滝を目指す

メンバーは4人
いつになく賑やかな山行となった

滝の左側や中央あたりを登りこみ、それはもうおなか一杯
それぞれの課題と向き合いながら、来季を見定める


南沢大滝を見学

標を目指す
壁を乗り越えるためには、忍耐や根性も必要かもしれない
成果の裏に称賛を期待することもあるかもしれない
だけど最後に残る原動力はやはり「好き」なのだ

そうして、こう思う
やっぱり山は良い、と


sak

 


小川山・唐沢の滝

2024年03月10日 20時31分34秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/2/22 小川山・唐沢の滝


唐沢の滝でアイスクライミング

計画では八ヶ岳だった
予報は雪
雪なら何とかなるかもと期待を繋いで美濃戸口まで
しかし、生憎の雨

しばらく車中で停滞も7時を回って、さすがに無理かと断念
岩根山荘のアイスツリーではどうか、という話となって移動を始める
結果として、アプローチの良い小川山・唐沢の滝に落ち着く

廻り目平駐車場はガランとしていた
さすがにこの季節、そして平日、しかも雨降りに来る人はいないようだ

傘を差しながら1時間ほど歩いて、唐沢の滝
isiさんは安定のリード
中段で薄い所もあったけど、なんとか登れるレベル
上段の立った氷でトップロープを張り数本登る

時に霙に変わったり、青空が覗いたりしたけど、概ね雨の一日
冷静に見れば、何だろうね
特異な人たちに見えるのだろうね

それでもそれぞれ過去があり、迷い、躊躇い、闘いながら今がある
雨に打たれながらの汗は、人知れず流れ消える

下山時、霧に包まれた幻想的な森を歩きながらそんなことを考えていた


sak


西上州・仔犬殺しの滝

2024年03月08日 07時53分46秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/2/17 西上州・仔犬殺しの滝

数日前に春一番の報が届き、氷結状態に不安はあった
最悪、相沢や神津牧場への転戦も視野に林道を詰める

林道終点からは踏み跡程度ながら、30分ほどで氷瀑を目前にできるのだからありがたい
仔犬殺しは下部が薄くて厳しいかと思ったが、左岸から巻いてトップロープを張れば、なんとか登れた

犬殺しは滴りがひどくて氷結も甘い
取付いてみたけど、早々に諦める

あとはアバラコフやスクリュー技術の練習など思い思いに過ごして滝場を後にする
おそらく、このエリアは今シーズンこれで終了だろう

そういえば、帰宅時の出来事
妻に「どこに行ってきたの」と問われて、「”仔犬殺し”に行ってきた」と答えたら、絶句された

正しくは「仔犬殺しの滝」ですからね
くれぐれも注意しましょう


sak


蔵王

2024年02月29日 21時03分39秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/2/10 蔵王

冬の蔵王
勿論、これは自分へのご褒美

 

日常の些事に息切れを起こしてしまうのなら、自分を喜ばせることも必要だ
文明の力に揺られてスノーモンスターに逢いに行く
そして、訪れる癒しの時

さすがに冬のハイシーズン
想像以上の人出に行列
これはもう自分好みの山ではないな、と思ったものの少しだけ視角を変えてみる
自分の志向を縛り付けない、しなやかさ

ライザのゲレンデトップから人の流れに乗る
樹氷は見頃、そしてこの好天
トレースを逸脱して森へと迷い込む

ツボ足でも膝下程度
持参したワカンを出さずに行く
雪との戯れが趣深い

少し森に入っただけでこの静けさ
来てよかった

ここあたりでゆっくりするのも良いが、やっぱりというか習性というべきか、
高い所を目指してしまうのはご愛敬
刈田岳から熊野岳を往復
鉛色の雲が広がり始めたので、早々に高度を下げる

下山途中、県道12号白石上山線を横切ると2つの県境標識
何気ない県境の景色だが、この地には過去の遺恨があった

蔵王県境裁判

世に不条理は溢れている
不条理で、不合理で、不平等で、理不尽で、残酷
日常の些事にしても同様だ

“青い鳥”を求めて放逸に流れる
その振る舞いとどう向き合うのか

日頃の愁いが白い世界に解けていく
そして、訪れる癒しの時

独り
神々の集う森で、カップ麺を食す

「あー、うめぇー」
案外このくらいが、沁みるってものだよ


sak

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松木沢・アイスクライミング

2024年02月23日 22時14分35秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/1/28 松木沢・名無し沢

 

松木沢でアイスクライミング
この日はWCM(ウインタークライマーズミーティング)が足尾で開催されていて、銅親水公園駐車場は満杯
どうにか隙間に駐車して歩き出す

計画ではウメコバ沢だったけど、夏小屋沢あたりが登れそうだということで、途中下車の旅
結局は夏小屋沢よりウメコバ沢寄りの名無しの沢(滝)を2か所ほど登降

最初の滝は傾斜が緩く一旦上まで行って、懸垂で降りて終了

それより少しウメコバ寄りに、結構立派な氷瀑
isiさんは安定のリード
フォローながらスクリューの回収で1テン
悔しー

流石にマイナーな場所らしく終日貸し切り
この先にも滝場があるので、穴場なのかもしれない

で、その後
バーチカル部分をなんとかノーテンで (๑˃̵ᴗ˂̵)و♡

ふふふ
トップロープですけど(笑)


「楽しい」は正義です!

。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。 ゜


sak


八ヶ岳広河原沢左俣

2024年02月19日 18時40分00秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2024/1/22 八ヶ岳広河原沢左俣

約1年ぶりのアイスクライミング
前日は荒れた天気も、心配したほどの積雪はなかった
それでも沢筋のラッセルは辛い

下の大滝は見た目以上に立ってる
isiさんのリードは安定している

一方、フォローながら1テン
全然乗れてないのが自分でもわかる

上流の滝でトップロープを張って練習
少しは乗れてきたと思う

新たな景色を見るために
この一手は次に繋がっている

sak