日時:2019.7.25-7.27
メンバー:szt(CL),yuka
装備:山道具一式,テン泊道具一式,お助け紐(6mm×10mくらい),スリング5本,カラビナ5枚
7/24 23:00水海道発→翌4:30鍋平無料駐車場着
7/25 7:53鍋平無料P→(ロープウェイにて)→9:25西穂高口(ロープウェイ)駅→10:25西穂山荘着
7/26 3:20西穂山荘→4:50西穂高岳独標→5:53チャンピオンピーク→6:29西穂高岳→8:23間ノ岳→9:08間天のコル→9:42天狗岩→10:30天狗のコル→12:43ジャンダルム基部→15:22馬ノ背→15:57奥穂高岳→16:42穂高岳山荘
7/27 7:04穂高岳山荘→8:28涸沢小屋→10:51横尾山荘→12:23徳澤園発→13:03明神館→13:45上高地バスセンター→(バスにて移動)→14:40平湯バスセンター発→(バスにて移動)→16:08新穂高温泉(ロープウェイ)駅着→(ロープウェイも使って..)→16:27基点P着
7/24(木) 天気:晴れ
今年は梅雨明けが遅くなり,久しぶりに立てた北アルプスの計画をあきらめなければと思い始めていたら,次第に天気予報に晴れマークが増え始め蓋を開けてみれば前日には関西以西が梅雨明け.東海以東は南岸に台風になりそうな低気圧のおかげで梅雨明けにはならなかったが,出発日はつくばも晴れ.今年の梅雨は長かった~.
長いと言えば,新穂高温泉までの道のり.昔はよくここまで一人で来たものだと感心する.出発が前日の23時となったため,到着はすでに夜が明けて4時を過ぎていた.仮眠をとるものの周りは明るいため,ちっとも熟睡できずすぐに起き始めて始発のロープウェイで西穂高口へ移動する.
ロープウェイの駅からは,概ね1時間半で西穂山荘に到着.いや~眠いし,頭痛いし,もう動きたくない.この日は,テン場でひたすらまったりして明日の好天を願うのだった.
西穂高口駅より笠ヶ岳方面.いい天気でした.
7/26(金) 天気:晴れ→曇り
朝は1:30起床.ゴソゴソと食事,身支度をマイペースで済ませて3:20に西穂山荘を出発.夜に雨が降ったため,独標までの道は少し濡れていたが暗くてもそれほど問題にはならなかった.尾根に出れば風のためか道中は意外と乾いていたくらいだ.前日は西穂から奥穂に行く人はほとんどいなかったようだが,この日は我々より早く動いた人は2組ほど.その後も続々と奥穂を目指して歩いていた.我々はテントを担いでいることもあり,マイペースで進むため次々に抜かされる.まぁ慌てない慌てない.
西穂独標付近で夜が明け,ヘッドランプをしまう.笠ヶ岳や抜戸岳はよくわかるが,こちら側から奥穂方面はイマイチ山の位置関係がよくわからない.人が話しているのを聞いて,あれが奥穂か~となんか他人事のよう.よくよく考えると結構遠いな~くらいにこの時は思っていた.
西穂独標より奥穂-前穂方面?正直ここら辺の山はよくわからないんです..
独標から先はいきなり切れ落ちた感じの下り.重たい荷物だと余計緊張しますね~.それでも11峰から西穂高岳はペンキでナンバリングしてあるから,それを追っていくと時間を忘れられる.特に問題なく,西穂高岳にはテン場から3時間ほどで到着.ここまでは予定通りの時間で到達.天気もまずまず晴れており,振り返ると一番天気が良かったのがここの前後だったような気がする.
西穂高岳山頂.奥に見えるのがその名の通り奥穂??
西穂高岳から先も基本的にはアップダウンの繰り返し.天気は基本的に晴れてはいるが時折ガスがかかるような天候.間ノ岳の山頂はガスの中だし,間天のコルからの逆層スラブでは好天,天狗岩や天狗のコルに差し掛かる頃にはガスの中と,進むにつれて少しずつ晴れ間が減ってきた.中盤に差し掛かると登りはまずまずのスピードで進むのだが,下りでテン泊装備の荷物も加わりスピードダウン.その結果少しずつペースが落ち始める.
こうしてみるとなかなかの高度感.
間天のコルを過ぎ天狗岩に向かうところ.ここもなかなかの高度感でしたね~
天狗のコルで10:30.出発が3:20だからもう歩き始めて7時間経っている.この先も今までのようなイマイチ安定しないところのアップダウンの繰り返しが予想され,疲労と重たい荷物でふらついてちょっとした油断で滑落という場面が頭をよぎり,相方のyukaさんと自分を念のためお助け紐で結びあってコンテで縦走路を進んでゆく.
ノロノロと進むとようやくジャンダルムがガスの中から姿をあらわす.風も当たらず安定したところで長めの小休止.ここでジャンダルムの頂上まで行くかどうかを協議.ジャンダルムの頂上には有名な天使が待っていることを伝えるが,これまでのペースの遅れを挽回しようということで意見は一致しジャンダルムの頂上はパス.
この辺りでは焦りがあったわけではないが,疲れとガスに包まれたイマイチの景色のためか撮った写真が少なかった.ジャンダルムはわかったけれどロバの耳ってどれ?みたいな感じで黙々と奥穂(というか穂高岳山荘?)に向かって登ったり降りたりの繰り返し.
残念ながらジャンダルムはガスの中.
これを登り返せば奥穂かな?なんて思っていたら縦走路は続いている.けっこう長いな~なんて思いながら歩いていると,あら,あらららら,なんだか切れ落ちたヤセ尾根が見えてきましたよ..基部に白ペンキで何やら書かれている文字をよく見れば「ウマノセ」...
事前に予習をしておかないものだから,「ウマノセ」なるものがピーク状になっているかどうかがハッキリせず見えるピークの先が同じようなリッジの降りなら参ったな~というのがこの時の正直な感想だった.重たい荷物を長い時間担いで歩いた後にここを通るって,けっこう嫌な感じ.
いざ取付いてみると,お助け紐を使っているとはいえyukaさん全く危なげなくついてくる.そしてウマノセを越えてみれば奥穂の山頂を視界に捉え,山頂までの道のりが特に問題ない難易度であることがわかりそれまでの不安から解放される.
ほほ~う,最後にこれですか.いやいや,山登りはやっぱりこうでなくっちゃ??
ウマノセを登るyukaさん.登りは危なげなし.これは今までの山行の成果?
奥穂高岳山頂.ガスに包まれていたのは残念でしたが,ここまでよく頑張りました.
奥穂の山頂で記念撮影を済ませば,後は穂高岳山荘へ歩みを進めるだけ.山荘直前の鎖場でミスさえしなければ問題なし.お互い油断することなく鎖場を慎重に通過し,16:40過ぎにようやく目的地に到着したのでした.
気になっていたテン場も余裕があり,この日の晩は食事を済ませた後は泥のように眠るのでした.
7/27(土) 天気:晴れ→雨
前日から天気予報をチェックしていると,どうやら山に入る前に南の海上に発生していた熱帯低気圧は台風に代わり,その進路も近畿地方に向かうとか.当初の計画では,この日は大キレットを通過しあわよくば槍ヶ岳まで進もうなどというものであったが,前日のペースダウンにより早朝の出発も見込めず,3,000m上の稜線で台風が過ぎる中で停滞しても得るものは少なそうということで上高地に下山することに.そのため朝はゆっくりペース.テントの外に出れば思いのほかの良い天気に後ろ髪をひかれる思いだ.
穂高岳山荘のテン場より奥穂方面.右にはジャンダルムがよく見える.
7時には出発しザイテングラードを下り,横尾に到着する頃には穂高の山々に雲がかかり,徳沢に着く頃には雨.やっぱりここは撤退が賢明だった.14時前には上高地バスターミナルに到着.そこからバスとロープウェイを乗り継ぎ基点となった駐車場へ.
大キレット通過という宿題は残ったけど,気になっていた西穂-奥穂の縦走は完了した.またチャンスがあれば北アルプスの遠征に取り組もう.だって行っていない気になるところはたくさんあるんだから...
szt