遅れてきた男

ずっと将来に怯えながら生きてきた
いい大学に行かなきゃ
うわーこんな会社に就職しちゃったよ（雇ってくれたのに失礼な話だ）
自分の最後の時が容易に想像できることに
深い絶望を抱え込んでいた

最近は将来が見えないから怖いという感覚がない
今やるべき事がたくさんあるから何も考えない
仕事を一生懸命やってうまい酒を飲む
世の中に貢献しているわけでもなければ
家族のためにすべてを投げ出しているわけでもない

だけどこれでいいのかもしれないと
なんとなくだけど思う
自分の事ができないくせに人のためだとか社会のためだとか
いうのは趣味じゃない
まずは自分の事がキチンとできる人にならないといけないと思う

見えないから怖い
見えるからつまらない
人間なんて勝手なものだ
だったら見なきゃいいんだよ
そんな簡単なことに気がつくのに40年以上かかったわたくし

やっとスタートラインに立ったんだ（遅っ