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おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

いつかどこかで(56)坂口安吾「桜の森の満開の下」を読み込む(2) 

2015年02月18日 00時51分33秒 | いつかどこかで(雑記)

期せずして、2月17日は坂口安吾没後60年の命日だとか。
なので、「桜の森の満開の下」から、話はちょっと寄り道。

先週行って来た二つの文学館で、坂口安吾に関連した展示品を見て来ました。
まずは、世田谷文学館。

     
ここに来たのは二度目で、第一のお目当ては「ムットーニのからくり劇場」ですが・・・その話はともかくとして
坂口安吾はじめ、下北沢にゆかりある文学者7人にスポットをあてた「下北沢クロニカル」というコレクションが開催中でした。
  
坂口安吾は20歳の時に下北沢(当時は荏原郡)で小学校の教師をしていました。
安吾の「教員時代の変に充ち足りた一年間」の話は著書「風と光と二十の私と」に記されています。女子生徒を見る目が深い(笑)・・・って、女子だけじゃありませんね。人を観察する目が深いです。
このコレクションでは、その当時の写真や原稿が展示されていました。
安吾の書く字は達筆とは違いますが、案外と小ぢんまりとした真面目そうな文字で、原稿用紙のます目にはみ出さずに一字一字が納まっています。
推敲の跡も、削除した字が読み取れないようにきちんと塗りつぶされていました。あの紙屑だらけの散らかった部屋とは印象が違います。
この「下北沢クロニカル」では、坂口安吾の他には、横光利一・森茉莉・萩原朔太郎・萩原葉子・石川淳・中村汀女のコーナーがあります。
展示期間は4月5日までです。

次に行ったのは、私の地元、横浜にある神奈川近代文学館。
今年は母の誕生日会を元町のレストランにしたので、ついでに足を延ばしてみました。
港の見える丘公園の奥の「大佛次郎記念館」の脇を通って、もう少し奥に歩いた所にあります。
この辺りは比較的人通りが少ないので、恋人達の穴場かも? 近くのベンチで静かに話ができそうです。
     
企画展では、評論家の「寺田透・生誕100年のコレクション展」が開催されています。、非常に興味深いです。
坂口安吾の品は、常設展の「文学の森へ 神奈川の作家たち」展で見られます。
ここには、「桜の森の満開の下」が書かれた当時の雑誌が展示されていました。
確認はできませんでしたが、たぶんあれが昭和22年暁社の雑誌『肉体』の創刊号だろうと思います。
「桜の森」のページが開かれていて、挿絵が裸婦のスケッチなんです!
桜でも山賊でもなく、裸の女性の絵が挿絵・・・・そう来たか?!って感じですね。

常設展には他にも神奈川県ゆかりの作家たちの品がたくさん展示されていて、結構見ごたえがありました。
近代の文豪達はわりと住まいを転々としていたので、神奈川県はゆかりの作家が多いんですよね。
こういう文学館は興味のない人には退屈でしょうが、私はとても面白かったです。

で、「桜の森」から脱線ついでですが
坂口安吾が聞いていたという音楽がエリック・サティだったというのは、すごくわかる気がします。サティは私も好きで時々聴いてます。
アバンギャルドなサティの音楽は、もの悲しく孤独の香り漂う坂口文学にぴったりですよね。
「桜の森」には「グノシエンヌ」あたりですかね~?
いや、この物語にはいっそエンドロールで東京スカパラダイスオーケストラ の「美しく燃える森」とかも似合うと思うんですけど、それは私の趣味(笑)

  

続く


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