今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

たいらじょう「エリック~オペラ座の怪人~」

2013年01月26日 02時12分12秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)

たいらじょうさんの「エリック~オペラ座の怪人~」について熱く語りたい!!

だけど、ごめんなさい!
今日は久しぶりに休暇がとれたので、午前中はゲキシネの「髑髏城の七人」を観に行って、午後は友達と巣鴨の東京染井温泉というところでのんびりし、その後は薩摩地鶏で一杯という、フルコース。
ちなみに、その染井温泉の大画面テレビでフレフレまで見ちゃったしで、一日遊んじゃって、「エリック」の感想がまともに書けそうにありません

で、この「エリック」は日曜日にもう一度観ますので、作品の感想はその後にさせていただくとして、25日はアフタートークがありましたので、そのことなど、ちょっとだけ。

エリックというのは、オペラ座の怪人の名前です。
この主人公は骸骨のような薄い皮膚の、醜い容姿を持って生まれました。
たいらさんは、この魅惑的で謎めいたエリックのビジュアルを表現するのに、人形劇ほど適しているものはないと思ったそうです。

この舞台も例によって登場人物は多数出てきますが、全てたいらさんが一人で演じています。
今回、人形はエリックのみです。
エリックの子供バージョンと、大人バージョンの二体。

下にお写真を載せますが、ですから「骸骨のような」という顔ですから、ちょっとびっくりするかもしれませんが、見ようによっては美しく、あるいは悲しく見えるかもしれません。



もう一枚は、少年のエリック、大人のエリック、たいらじょうさんのスリーショット。



この日はたいらさんの小さな劇場、「シアター・ジョウ」で上演されたので、お人形が大きく感じられました。
舞台の間口が低いため、背の高い大人のエリックは頭がぶつかりそうになります。
アフタートークショーでは頭をぶつけてしまい、彼は「イテッ!」と言ってました(笑)
この大きさにしたのは、いずれ全国のもっと大きな舞台で演じるためだそうで、その時はスモークを焚いて、ライトももっとドラマティックに照らす演出になる予定だとか。楽しみ~!

「オペラ座の怪人」は、たいらさんが小学生の頃から魅了されていたそうです。
私は原作を読んだことがないので知りませんでしたが、あの劇団四季や、宝塚の「ファントム」などは、かなり脚色されたものだったんですね。
たいらさんのこれも、もちろん、たいらさんが脚本を書いているので独自の演出、脚色がなされていますが、ここではエリックの少年時代があります。
オペラ座の怪人は、子供の頃からオペラ座に住み着いていたわけではなかったんですね。

骸骨のように醜く生まれたエリックは、小さい頃から他人に素顔を見せないように仮面をつけさせられます。
その仮面は磁石によって取り外しが自在です。
少年エリックは足まであり、こういった人形では珍しい、ひき足の動きも可能で、たいらさんが動かすと、まるで本当に生きているようです。
というか、生きていました。
また、大人のエリック、つまり、オペラ座の怪人は、マントが重要。
あの黒いマントは、ぜひカッコよく広がってほしいところ。
ですが、表地を黒、裏地を赤にすると、生地が重くなってしまうので、一枚仕立てで半分は黒、半分を赤にするという工夫がしてありましたが、それがなかなか素敵でした。

たいらさんは、オペラ座の怪人は美しくなければならない・・・じゃなくて、ハンサム・・・・・あれ?男前?? ちょっと正確な言葉は忘れましたが、とにかく魅力的でなければならないと思ったそうで、人形制作の方にうんざりされるほどに何度もダメ出しをし、試行錯誤してもらったおかげでこのようなエリックが出来上がったのだとか。
私はこのエリックの瞳に釘付けになりました。

さて、アフタートークでは、ファンからの質問に答えてくれるコーナーがありました。
以下、メモから。

エリックは少年の頃から歌が好きで、大人になってからは「音楽の天使さん」と言われる美声の持ち主です。
登場人物の数だけ、多彩な声を出されるたいらさんですが、エリックの声は去年の「オズの魔法使いでは」ブリキのきこりと似ています。 
これは、腹筋を使い、お腹をつかわなければ出せない声だそうです。
たいらさんの普段のソフトな話し声とはまた味わいの違う、実に二枚目の声でした。

人形を動かしながら全て一人で演じるには大変体力がいるとのことで、普段から体作りを心がけているそうで、二十代の前半は見た目のために体を鍛えている感じだったのが、三十を過ぎたこの頃は舞台をやり遂げるために体作りをしているとか。
特に、寝る前のストレッチは大切なんですって。私も見習わなくちゃ!

これから手がけてみたい作品は、「銀河鉄道の夜」「ブレーメンの音楽隊」「幸福の王子」など。
特に「ピーターパン」を上演するのは夢で、20周年頃にはぜひ!と思っていたけど、これは大掛かりになりそうなので、25周年にはなんとかやりたいそうです。
あと、オリジナルの脚本、構想もいっぱいあるのだとか。それも楽しみですね~!

なんて、質問の全部は覚えていないので書き切れませんが、この日は全ての質問に答えてくださいました。
私が質問したのは、
「エリックは最後に幸せだったと思いますか?」というもので、
これは、前に見たミュージカル「ファントム」とはラストか゜大きく違っていたからです。

「ファントム」では、最後に銃で撃たれるエリックが、クリスティーヌに抱きとめられて死んでいきます。
けれども、原作ではそうでなかったらしく、更に、たいらさん独自の部分が付け足されていました。
その詳しい内容はネタバレになるので次の機会にしたいと思いますが、私がミュージカル「ファントム」で、「このラストはある意味、ハッピーエンドではないか?」と思った終わり方とは違うんですよね。
それで、上記の質問をしたのですが、たいらさんの答えは、とても頷けるものでした。

その答えとは・・・・
少年時代のエリックは歌が好きで、歌を歌っている時だけが、唯一、彼の癒される時間であり、心楽しい時間でした。
音楽がとても好きだったエリック。
人生に好きなものがあったということ、それを思えばエリックは幸せだったかもしれません。
でも、母親に愛された記憶がなく、自分は憎まれていたとずっと思っていたのは、やはり幸せではなかったでしょう。
人生の長い間を、愛された実感がなかったのは、幸せではないでしょうね。
・・・ということでした。

人が幸福を感じるためには、本当に愛されたかどうかより、「愛されている実感」ではないか?
私もそんなふうに思ったりします。
この質問をして、そして、ちゃんと応えてくださって良かったです。

この舞台、まだ発展途上だそうで、日々変化していくそうですが、夜の7時開演で、休憩15分を挟んで終演は9時45分くらい。
アフタートークショーと写真撮影が終わったのは、なんと!11時ごろでした。

この舞台は、お薦めです!!
でも、小さなシアター・ジョウでは、もう満席かな?
当日券を狙う方は連絡をしていったほうがよさそうです。

公演は1月27日(日)まで。詳細はこちら→http://tairajo.com/erick.html



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