今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「AKINORI NAKAGAWA'S -THE WIZ-」

2012年01月09日 01時11分01秒 | ライブ/コンサート

2011/12/24、2011/12/26
中川晃教コンサート2011 HAKUJU HALL 「THE WIZ」
【出演】中川晃教(Vocal) / 大坪正(Piano)

誇張でもなく、比喩でもなく、もちろん冗談でもなく、大真面目に言うのだけど…
私、この人の声はつくづくと、あぶないと思う。

中川晃教の生の声は、ある意味危険だ。
コンサートが始まってすぐ、あっきーが歌い出したとたんに、私は体中の細胞のひとつひとつがその歌声を吸いみ、ざわざわと歓喜のざわめきを帯びて膨らむのを感じた。
本当に感じた。比喩でもなく、誇張でもなくて。
一声も漏らすまいと貪(むさぼ)るようにして、全身全霊で貪欲に歌を感じようとしている自分は、そんなにも歌に乾き、音楽というものに飢えていただろうか? 
そんなことはないはずだけど…。
きっと頭がおかしくなっているのだと思う。
そうだ、この声は私の頭と体をおかしくする、あぶない声だ。こんなふうに歌を歌う人を、私は他に知らない。彼のほかには誰もいない。
思わず「脳内麻薬」という言葉を思い出したりする。
脳の快感神経がどうのこうのとか、エンドルフィン効果とか、ドーパミンとか、とか…。

…なんてね、
この調子で書き続けていたら、私のほうこそ、だんだんと危ない人みたいな超過激な文章になってきたので(笑)、この続きを削除したまま、去年の暮れからずっと書き悩んで放ったらかしにしていましたけど。
大絶賛の嵐のような感想なんて、書き慣れてないものにチャレンジしようとするからそうなるのよね。
だから思い通りに褒めるのって、ほんと、私には難しいんだからさ~(笑)

それで、去年のこの舞台の自分の感想を読み返してみたら…あららら、あ~あ! 英語が苦手なくせに、予習も嫌いだから歌詞がよくわかんなくて、自分がおバカなのを棚にあげて、あの時って、すっかり拗ねちゃっていたのね?、 やぁ~ね~っ! あたしったら!(笑)

で、今年の「THE WIZ」には日本語訳の歌詞が入り混じって、感動の中にも、かなり興味深く、面白いことになっていました。
日本語の部分がね、「中川晃教の世界」なんですよね。もちろん、「THE WIZ」に重ねての。
「これは、ここだけでしか聴けない、僕のTHE WIZです」と、あっきーも言ってましたが、これは本人の言うとおり、まさに「中川晃教のTHE WIZ」ですね。
今後、もし日本語の歌詞が増えていくとしたら、それは益々そういうことになりそうです。
なんたって、歌詞が英語の直訳でもなければ、意訳というにも正しいかどうかわからない、あっきーの世界が混じっていましたから。
だから、この舞台は、あっきーの「ひとりミュージカル」でもありますけど、いっそのこと、中川晃教だけにしかできない、彼以外では他の誰かが真似て歌うことすらも出来ない「中川オペラ」とでも名づけたら良いんじゃないかしら?
「中川オペラ THE WIZ」とか、「NAオペラ なんとか」とかね? その「なんとか」っていうのを何にするかは中川さん次第ですけど、ライフワークにするならば、私は「THE WIZ」に限らず、いろんな作品を見てみたい!
そんな舞台を次々と世に出していけるくらい、どんどんと大きな人になって欲しい。
…と、相変わらず、あっきーに関しては欲が深い私(笑)

その舞台の肝心の歌ですけど、今年は去年に増して凄かったです。
私は24日は昼・夜共に距離は違うものの、ほぼセンターで聴けましたが、26日は上手(かみて)よりの席でした。
けれども、その26日の上手の時でさえ、しっかりと真正面から歌を受け取れたような気がします。
圧倒的な歌唱力、その声を浴び、しかも色とりどりな表現力と込められた想いの力には、自分が息をしているのも忘れるくらい圧巻でした。

私はね、あっきーのこういう歌を生で聴いていたりすると、時々、「私はこの人の歌さえあれば、他の人の歌なんていらないんじゃないか? この人の声が毎日聴けるのなら、それだけで私の音楽はもう足りてしまうのではないか?」とか思ったりするのね。
ところが、そうもいかないわけで(笑) たとえそうだとしても、それが自分にベストだとは思えない。

話は変わるようですが、昨日は某所の企画で「ミュージカル・ファンのためのオペラ入門講座」というものに行って来ました。
オペラって、だから「中川オペラ」じゃなくて(笑) 本物のオペラね。
この話は別の記事にして詳しく書くつもりですが、その時にいくつか興味深い話を伺うことができました。
その中で、「オペラはマイクなしの生の歌声を劇場の建物全体に共鳴させるような発声で歌うので、リラックスして歌うことはまずない。そして歌う側も緊張感を持つが、客席にも緊張感を強いる歌だ。」という話がありましたが、これには目からうろこでした。
そうか、歌にはリラックスして楽しむ歌もあるけれど、オペラのように良い意味での緊張感を持ちながら歌を堪能するって、それもまた歌を楽しむ醍醐味のひとつなんだな~、って、その話の後の生のオペラを聴きながらつくづくと実感しました。

それを思うと、あっきーの歌って、リラックスできたり踊りだしたくなるような楽しい歌もあるけれど、彼の真骨頂は、やはりこの「THE WIZ」で聴けたような、物語性があって、その中に人物の想いが込められたもの、そして、劇場やコンサートホール全体の隅々に、そして何よりも客席の人々の体に鳴り響くような、そんな「歌い上げる」歌なのかもしれないな。

あ、そうか、体に鳴り響く歌か。
だから、私の体の細胞が、心よりも早く歌に鳴り響いてざわめくんだ?(笑)

ね~、そんなわけで、あっきーの歌以外に他の人の歌を聴いたり、舞台を観に行くのって、こんなふうにプラスになって、、あっきーの歌をより楽しめたりもするのよね。
自分の引き出しを多くしていけば、何をするにも影響するから。

という言い訳をしつつ(笑) 
去年の11月あたりから、この道二十年、三十年以上と歌い、進化し続けてきた天才達のステージをいくつも聴いてしまった私としましては、今年の「中川晃教のTHE WIZ」は、それらの感動にも勝るとも劣らないほどに素晴らしくて、去年に比べても歌だけでなく作品としても大いに感動したものの、たぶんこのステージも十年先、二十年先にもっともっと進化するのは充分予想できるので、それを大いに期待したいと思います。
今年は(って、2011年はもう去年か、)あえて言うならば、「画家が持てる絵の具や筆、そればかりでなく、クレヨンも鉛筆も全部ひっぱり出して、全力で書き上げました。」という、欲張りな感じがしないこともなかったです。
10年間のスキルを全部出してくれなくても、それをあえて使わずにいくつかは仕舞い込み、シンプルに素のままで聞かせてくれる部分がもっと多くあっても私は良いと思うんだけどな~。私はあっきーの素の声が好きだから。
今は今で最高だけど、やっぱ、10年先に望むは、洗練、ですかね~?(笑)

あとは、さらに我がままを言わせてもらえば、あの「手タップ」かしら?(笑)
タップ・ダンスのリズムを手で叩いてくれたのは面白かったし、とても楽しくて、あの場面は私はとても好きですが、あれを十年先までやっていたら、「面白い」が「可笑しい」との境目のギリギリ路線になっちゃいそうなので、どうせならタップ・ダンスを習って、あの場面だけでもタップが踊れたらもっとグレードアップすると思います。
まあ、他の曲は踊れなくても良いから、この舞台のこれ一曲だけ精進してくれないかしら?
このあと三年くらいは「手タップ」を楽しんでいられると思うけど、五年目くらいの「THE WIZ」あたりでは、ぜひ本当のタップを踊るあっきーが見たいなぁ~っ!
私もその時まで遊び歩いていられるように頑張るからさ。

そんなこんなで、大絶賛どころか、言いたい放題の感想記になってしまいましたが(笑)、毎年クリスマスイブの夜に、あっきーのために予定を空けるのが楽しみになりました。
そして、そのステージの後の、ファン繋がりで知り合った友達とのクリスマス会も、高齢に…じゃなかった!(笑)恒例になって続けばいいな。
で、みんなで毎年、「今年のTHE WIZは本当に良かったね~、涙が出るくらい感動したよね!」と言い合って乾杯したいです。
ずっと、ずっと続いたらいいな。みんな健康でね。

二年続けて、楽しくて、感動して、本当に幸せなクリスマスの夜でした。


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