Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

映画「花戦さ」

2017-07-09 | 映画・テレビ・演劇・芸能

  見たい映画がたくさんあり、でもなかなか行けず、そのうちに終了の繰り返しだった。7/7(金)が「花戦さ」の最終日と知り、急にSAさんを誘い観に行った。もう、1日一回上映になっている。野村萬斎主演 花僧池坊専好と秀吉の対決 と言うことだけ聞いていた。👇はポスター。勢いのあるタイトル文字は金澤翔子さん。

 出演者が面白い。秀吉に猿之助、信長が中井貴一、千利休は佐藤浩市、前田利家に佐々木蔵之介、他 和田正人、竹下景子、高橋克実、吉田栄作、山内圭哉、森川葵 等々である。

  主人公、池坊専好は、 室町時代後半に活躍した実在の人物。応仁の乱の後、華道の精神を説いた池坊専応、全国を回り立花を伝えた池坊専栄の後を引き継いだのが池坊専好(初代)だそうだ。演ずるのは野村萬斎、さすが狂言師だけあり、顔の表情が大きい。最初、「萬斎さん、こんなに老けて…」と思ったが、その場その場の感情の変化を大きくユーモラスに表情で表される。悲しみも、怒りも、童子のような無邪気さも。これが大きな魅力だ。

 👇は、現在の紫雲山頂法寺(通称 六角堂)。 

 応仁の乱後、行き倒れが絶えない河原に小石を積み水桶に入れた花を一厘ずつ立てて念仏を唱える…そんな専好の姿から映画は始まる。織田信長の屋敷へ行き「大砂物」という花を立て、信長に気に入られる。が、花のことしか頭になく、人の名前や顔を覚えるのが大の苦手と言う大らかな花僧である。
 その後六角堂で執行を務めた専好は、戦国大名の屋敷に度々花を立てに行くことになり、太閤豊臣秀吉が、大名邸へ「御成り」する際に座敷を飾る花を求められて立てて、大名たちと交流する。かと思えば、六角堂に集う町衆や周辺寺院の僧侶とも親しくし、誰からも慕われる僧になっていく。そして茶人・千利休と深い友情と信頼を築き、共に美を追い求める間柄になる。が、利休と秀吉の間の複雑な葛藤に心を痛めるのだ。

 👇 町衆が花を持ち寄り、それぞれの花を立てる六角堂での場面。 

 秀吉の乱心により利休は切腹、専好と親しかった町衆たちが捕らえられ磔に合い、専好はその怒りを「花で戦」をせむと秀吉に挑む。

 👇は、前田利家邸の座敷の「大砂物」の立花とその後ろに表れた軸。描いたのは小松美羽さん。

 この軸を描いたとされる絵師「むじんさい」とその娘「蓮」はオリジナルキャラクターだと言うことだが…。 

 千利休の生涯は映画でもテレビでも何度も制作され、何本か見たり本を読んだりしたが、華道池坊流の花僧の話はとても興味深いものだった。一緒に見たSAさんは若き頃池坊のお花を習ったそうでことさら感慨深げ。「誘ってもらってよかった」と何度かおっしゃった。私も嬉しかった。
 👇 写真が小さいが、誰が誰かおわかりでしょうか。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なは)
2017-07-11 17:08:36
清姫様
花戦さ、紹介ありがとう!いい写真がいっぱいで楽しませてもらいました。
萬斎さんの一味違う演技が素晴らしかったですし、「お花」も凄かったですね。利休との心の交流というか、無念さとか伝わってきましたね。
花で見返そうと言うのは、これもすごい!と思いました。
いい映画でしたね。ありがとう!
私も娘時代に「池坊のお花」を習いに行かせられました。(父親の命でした、これが使役です、今ではさせられることがなくなりました)
返信する
Unknown (清姫)
2017-07-12 19:35:05
なはさん
私も池坊だったかも。ほんのしばらくだけ。母が古流だとか言っていて、自分のはサッパリ!きっと華道に興味がなかったのですね。
映画の裏では池坊流の総動員だったのでしょうね。大規模な立花が次々と出ました。
でも、利休のお茶席の周りを町衆が持ってきたお花で飾るところ、河原に一本ずつ花を活けて供養する場面が素敵でした。
秀吉は60何歳かで亡くなったとか、この滅茶苦茶な頃は認知症だったのではないかしら?
返信する

コメントを投稿