5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

しらチーズ

2020-01-27 21:23:40 | 学習

家人から袋菓子を貰った。彼女の知り合いが碧南で買ってきたという。

「しらチーズ」というおかしなネーミング。「しらすとチーズの絶妙な組み合わせ」とキャッチコピーがあり、タイトルの下には「碧南高校☓えびせん家族」裏面には「私たち〈ノンフラレンジャー〉がつくったしらチーズは、碧南高校とえびせん家族がコラボレーションしたノンフライのおせんべいです」という説明もあるから、これでおおよそのことがわかる。えびせん家族とはたしが我が町にも店舗が出ているえびせんべい販売店のことだ。

碧南高校は碧南市にある県立の高校だが、こんな「産学協同」があったとは知らなかった。

調べる前に、袋を開けてせんべいを食べてみる。海老色ではなくしらす色というか灰青色をした小せんべいが出てきた。口に含むとほんのりしらすの匂い。チーズ味はあまりしない。塩味が薄いのかパンチには欠けるが、女子高校生好みといったつくりのようだ。一袋10グラムのせんべいはあっという間に無くなった。

進学校の碧南がこんな「商売」をやっているのが面白く思えたので調べてみた。

ウイキによると戦前の碧南高校には商業学校の時代もあった。その伝統は今も残って、普通科のほかに総合ビジネス科と名を変えた商業科が併設されている。生徒のえびせん販売もビジネスを総合的に眺めた結果のカリキュラムといったところだろうか。

学校関係のWEBを探ると「碧高ニュース」が見つかった。「商業科3年〈課題研究〉商品開発講座の取り組み」という記事が載っている。平成30年12月号によれば「商業科3年生の授業〈課題研究〉の5講座のひとつ〈商品開発講座〉では、地元企業の協力を得てさまざまな商品開発に挑戦している。本年度はスギ製菓、七福醸造、碧南海浜水族館と提携して活動する」とあった。

メッセージ欄には、この商品開発講座を受け持った女生徒の「私たちの班はスギ製菓さんとのコラボレーションでオリジナルせんべいを提案し、商品化が叶いました。1月19日から販売です。校内販売もあるので皆さんぜひ買ってください。七福醸造さんとのコラボ商品もよろしくお願いします」というアピールも載っている。

商業科の〈課題研究〉については中部経済新聞が記事にもしている。

企業とのコラボレーションで商品マーケティングの流れを学び社会性を養うのが狙いのこの講座。えびせん家族の親会社・スギ製菓とは15年の取り組みになるというから互いの気ごころは知れた関係が出来上がっているものらしい。

「若者たちが買いたくなる商品開発」をテーマにしており、それは商品のネーミングなどにも表れている。売り場アンケートを実施し、試作を繰り返し、会社幹部を相手に商品プレゼンをこなした結果の商品化だ。やる気いっぱいの生徒たちは、去年はじめて直営店の店頭で買い物客に商品説明を都合4回も実施、製菓会社側からも好評価を得たようだ。

今年の「しらチーズ」は一袋162円とちょっと高い気もするが、生徒たちの意気込み入りの値付けということ。19日に始った販売も一週間。限定の3000袋は売り切れたはずだ。春には卒業する商業科3年生にとっては「薄い塩味」の思い出ができたというわけか。

 


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