5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

SPACにSUAC

2020-01-11 21:07:47 | 学習

異業種交流会というのは今も盛んなのだろうか。もう20年以上前のことになるが、自分の現役時代には、名古屋の交流会に参加していた。会の名称は、英語のイニシャルを使ってSPACと云った。SPACをブラウズしてみると〈静岡舞台芸術センター〉という公益法人にヒットするが、もちろん我々のSPACはそれではない。ただ組織としての歴史は我々の方が先輩にあたる。

静岡にはSPACに似たSUACという略称もあるのだと知ったのは、今日の中日夕刊〈紙つぶて〉、静岡文化芸術大学の武田好教授による『世界で学ばれるイタリア語』という寄稿だ。SUACは彼がイタリア語の授業を担当しているこの大学の英呼称である。

我々の学生時代にも第二外国語という科目があった。第一外国語はもちろん英語で、フランス語、ドイツ語、それにスペイン語が第二外国語であり、おなじラテン系言語のイタリア語は何故かなかった。

武田先生の言では、近年、イタリア語は、英語、スペイン語、中国語に次いで世界で四番目に多く学ばれている言語だとイタリア国内で報道がされ話題になっているのだそうだ。2014年頃からイタリア語が世界4位と云われ始め、中国語がフランス語を蹴落として上位に入ってきたという。

イタリア語は、話す人の数では世界21位と後ろの方なのに、学んでいる人が極めて多くなったというのは、文学、音楽、芸術、料理など、イタリアの深く多様な文化を学ぼうととする人が世界中に多いからだというのがイタリア人たちの自慢する点だというが、いかにも彼ららしい。

一方、イタリア人たちの学ぶ外国語は、やはり英語がトップに来て、フランス語、スペイン語、ドイツ語と、国境を接するEUグループの言語が続く。実際、彼らとのビジネスではこうした欧州語をバイリンガルで喋れる連中が多いのだ。さらに、現在のトレンドを背景にして、中国語やアラビア語など非欧米語を学習をする者も増加傾向らしい。

今週水曜日に行われて、世界中が注目した元ニッサングループ会長のカルロス・ゴーン氏の記者会見でも、英語、フランス語、アラビア語が、彼の口から機関銃のように飛び出して来たのに唖然としたばかりだ。ネイティブの日本語にブッキシュな英語だけの日本人には動きがとれまい。

SUACには武田先生のイタリア語を履修する学生数も堅調、その一部は大学同士で交流協定を結んだUNIBO(ボローニャ大)への留学を目指している。1088年創立と伝わる欧州最古の大学への留学ならば、爺の方がトライしてみたいほどだ。

交流協定というのだからボローニャからの留学生をSUACは受け入れるはずだが、こちらは20年の歴史しかない地方の単科大学。はるばるやってくる学生たちにいったいどんな学習環境を提供できるのだろう、文化政策とデザインの二学部制だというが、文学、音楽、芸術、料理など日本の文化を伝えることはできるのか。いささか心もとなくも思えた。

NHKラジオ講座のイタリア語を中断して2年になるが、ここらで、世界四位の学習者の中にもういちど入り直すのもいいかもしれない。

 


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