5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

下のほう

2019-04-24 21:33:48 | たべもの

たくさんある春の食材のひとつにアスパラガスがある。スーパーに出ているのはグリーンが殆どだが、ヨーロッパではアスパラガスといえばホワイトということになる。艶があってデリケートな感じが好まれているようだ。出回るのは4月の中頃から6月末までというから、ちょうど今がハシリだ。さぞかし旨かろう。

オランダでは「白い貴婦人」、フランスでは「マドモアゼルの指先」と言われるのだそうだ。日本に最初に紹介されたのは江戸時代で、オランダ人が持ち込んだところから「オランダウド」と呼ばれていたとのことである。

こんなことを書いたのは、昨日のNHKの朝番組が「硬くて嫌!アスパラの下のほう」という食材情報を特集していたからだ。日光に当たったアスパラガスはグリーン(ホワイトは土中で成長)になるのだが、その成長は極めて速く、朝収穫されたものは根に近い方を切りそろえて商品価値を上げるのだという。

我々がスーパーで目にするのはこうした揃った商品なのだが、下の部分はやはり硬いから捨てるというのが主婦たちの一般的な認識らしい。ところがその「下のほう」にはコラーゲンが多く含まれてアレルギー抑制効果もあるという。美容にも花粉症対策にも効果ありというのが主婦向け番組構成の狙いだ。

それを「柔らかく美味しく」食するにはどうするのがいいかという訳である。教えてもらったのはこうだ。

〔外皮の筋を切る〕100均で買える葱スライサーを横に使えば筋切りが簡単。
〔硬くないアスパラ〕先端まで太いもの。緑がつよいもの。袴の間が広いもの。
〔茶碗蒸しをつくる〕卵液にはダシを使わず、缶のツナを混ぜるとよい。

「下のほう」を使った茶碗蒸しの味見をぜひしてみたいのだが、家人はホワイトにしろグリーンにしろアスパラガスはあまり好きではない。だから「上のほう」も食卓には上がってこないのである。

中日夕刊の「ほのぼの絵手紙」には、春の食材を対象に描いた作品が載せられている。掘りたての太った筍は瑞穂区の76歳の女性、「上をめざしてがんばろう」というキャプションがついたメザシを描いたのは西尾市の77歳の女性、「サラダにぴったり」と主婦目線で新タマネギを選んだのは四日市市の79歳の女性、「甘酢漬けもおいしいよ」と紫色の茗荷を並べたのは昭和区の82歳の女性と、女性ばかり。

「どこまでもおおきく伸びて」という文字に添えて二本のアスパラガスの頭部を描いたのも、熱田区の69歳の女性だ。「小学一年生になった孫の成長を願って描きました」と添え書きがある。茎は少し細いし袴の間隔も短いからまだ若いのだろう。おおきく伸びて袴の感覚が拡がれば、きっと柔らかくて味のあるアスパラガスになってくれることだろう。ぐんぐん成長する孫と同じだ。





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