5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

脇道にある肝心なもの

2021-01-31 21:12:22 | ことば

1月31日のコロナ感染数、全国で2673人(延390687人)の感染と65人(累5766人)の死亡が確認された。うち愛知県では121人(延24047人)の感染と4人(累400人)の死亡である。

東京都は633人の感染確認で、千人を下回るのは3日連続だとあるが、これが沈静化の方向だと喜ぶのも早計だろう。今日は検査数の少ない日曜日である。街中の大型スーパーは驚くほどの人出だった。油断できない。

「先生の銭かぞへゐる霜夜かな」

「天災は忘れた頃にやってくる」という名言を遺した寺田寅彦の冬の句だ。関森勝夫の「文人たちの句境」に引用されている。彼は大正から戦前に活躍した物理学者で随筆も上手い。夏目漱石の弟子でもあった。

先生とはもちろん自分自身のこと。大正6年に奥さんを亡くして独り。月末の家計計算は奥さんの役目だったのだろうが、自分でやることになり「月末決算をしながら自ら憐れむ」と自嘲気味である。帳簿を前にとまどいと侘しさを感じながら、遣り繰り上手だった妻への感謝の気持ちも見えてきそうだ。

コロナ禍にある今の世にも先生の警句はよく効きそうだが、WEBの中からこんなフレーズを見つけた。

「いわゆる頭のいい人は、言わば足の速い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かないところへ行き着くこともできる代わりに、途中の道端あるいはちょっとした脇道にある肝心なものを見落とす恐れがある」

肝心なものを見落としそうな日本人のなんと多いことだろう。スマホばっかり見ているからだ。

 


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