昨日(日曜日)の長寿トラベルクイズ番組「世界不思議発見」(第1143回)は、アメリカ南西部『グランドサークル』を取り上げていた。
グランドサークルというのは知らなかったが、アリゾナとユタを中心にした数十の国立、州立公園の総称らしい。もちろん、グランド・キャニオン、ブライス・キャニオン、モニュメント・ヴァレーといった名の通った大きな国立公園も含まれているわけだ。この巨大な自然造形を実際に見たことはない。はるか上空を飛ぶ飛行機の窓からその地形を文字通り遠望しただけである。
テレビ番組を見ても、グローフェの『グランドキャニオン』で音楽的に描写された、赤茶色の大地に起る突然の嵐や、山道を進むロバ隊のゆっくりとした動きがイメージできそうなスケールの大きさだった。
ハイライトは、一般向けに場所の公表をせず一日あたりの入場制限をしているため、観光地化せず、知る人ぞ知るといった秘められた絶景。水や風の浸食によって砂岩の層がドレープ化して波打つ『サ・ウェイブ』である。乾燥したアリゾナの砂漠地帯で、紺碧の空をバックに眺めたら、たしかに『地上でもっとも美しい』と感嘆の声を上げるかもしれないと感じた。
番組を見ながら面白いと思ったのは、クイズに出題された原住民・ホピ族の伝承するシンボル・マークの意味。日本でもよく見る卍である。日本は左まんじだがホピは逆の右まんじになっている。答えは「旅する」とか「移動する」とかを意味しているのだという。下の横線が一本欠けたカタチの意味は「グランドキャニオンの谷に降りていった」となるのだとか。
WIKIで調べると、卍はサンスクリット語でスヴァスティカと呼ばれ、ヒンドゥー教や仏教で用いられた吉祥の印だとあり、トロイ遺跡を発掘した考古学者のシュリーマンは、ここでも見つかった卐を古代のインド・ヨーロッパ語族に共通の宗教的シンボルだと考えた。十字架の表現形となった西洋では、やはり幸運の印とされて来たが、ドイツの労働者党(ナチ)が党章に採用したことから、幸運のシンボルの意味合いは無くなってしまったと書かれている。
マヤの末裔とも云われ1000年前に現在の地に移住したといわれるホピ族にも、ヨーロッパと同じ右まんじがシンボル・マークとして伝わっているのはいかにも不思議ではないか。どうしたことだろう。
若しこれが彼らのオリジナルというのなら、その偶然の共通性に驚かされるし、アメリカの侵略者・スペイン人が伝えたのだというのなら、それも歴史の流れで面白い。インドに生まれた吉祥の印が、東洋の端の日本にも、欧州にも、そして北アメリカにも伝わっていることの不思議は、考えるに楽しい。日本の卍と朝鮮の太極紋(巴)のモーメントやシンメトリーな構成に共通点を云う学者もあったりするのだから、深く調べてゆけば、まんじの親戚は世界中に拡がり、さらに大きなグランド・サークルを構成しているということになるのかも知れない。
グランドサークルというのは知らなかったが、アリゾナとユタを中心にした数十の国立、州立公園の総称らしい。もちろん、グランド・キャニオン、ブライス・キャニオン、モニュメント・ヴァレーといった名の通った大きな国立公園も含まれているわけだ。この巨大な自然造形を実際に見たことはない。はるか上空を飛ぶ飛行機の窓からその地形を文字通り遠望しただけである。
テレビ番組を見ても、グローフェの『グランドキャニオン』で音楽的に描写された、赤茶色の大地に起る突然の嵐や、山道を進むロバ隊のゆっくりとした動きがイメージできそうなスケールの大きさだった。
ハイライトは、一般向けに場所の公表をせず一日あたりの入場制限をしているため、観光地化せず、知る人ぞ知るといった秘められた絶景。水や風の浸食によって砂岩の層がドレープ化して波打つ『サ・ウェイブ』である。乾燥したアリゾナの砂漠地帯で、紺碧の空をバックに眺めたら、たしかに『地上でもっとも美しい』と感嘆の声を上げるかもしれないと感じた。
番組を見ながら面白いと思ったのは、クイズに出題された原住民・ホピ族の伝承するシンボル・マークの意味。日本でもよく見る卍である。日本は左まんじだがホピは逆の右まんじになっている。答えは「旅する」とか「移動する」とかを意味しているのだという。下の横線が一本欠けたカタチの意味は「グランドキャニオンの谷に降りていった」となるのだとか。
WIKIで調べると、卍はサンスクリット語でスヴァスティカと呼ばれ、ヒンドゥー教や仏教で用いられた吉祥の印だとあり、トロイ遺跡を発掘した考古学者のシュリーマンは、ここでも見つかった卐を古代のインド・ヨーロッパ語族に共通の宗教的シンボルだと考えた。十字架の表現形となった西洋では、やはり幸運の印とされて来たが、ドイツの労働者党(ナチ)が党章に採用したことから、幸運のシンボルの意味合いは無くなってしまったと書かれている。
マヤの末裔とも云われ1000年前に現在の地に移住したといわれるホピ族にも、ヨーロッパと同じ右まんじがシンボル・マークとして伝わっているのはいかにも不思議ではないか。どうしたことだろう。
若しこれが彼らのオリジナルというのなら、その偶然の共通性に驚かされるし、アメリカの侵略者・スペイン人が伝えたのだというのなら、それも歴史の流れで面白い。インドに生まれた吉祥の印が、東洋の端の日本にも、欧州にも、そして北アメリカにも伝わっていることの不思議は、考えるに楽しい。日本の卍と朝鮮の太極紋(巴)のモーメントやシンメトリーな構成に共通点を云う学者もあったりするのだから、深く調べてゆけば、まんじの親戚は世界中に拡がり、さらに大きなグランド・サークルを構成しているということになるのかも知れない。