5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

韓国のチッタスロウ

2008-08-13 23:37:26 | くらし
お盆の休みモードに入った。

スタンプラリーの仕上げにセントレアまで脚を伸ばす。旅行客や見学遊山客で賑やかなロビーは集客イベント会場と化して、子どもたちの嬌声ばかりがこだまする。ローカル空港的性格がますますはっきりしてきたようだ。

アイスドラ焼きをひとつ買って、オブザベーションデッキへ上る。隣のおじさんが持っている無線機から管制塔とパイロットのやりとりが聞こえてしばらくすると、大きな飛行機がゆっくりとタクシーを開始する。アドレナリン沸く沸くである。どうも飛行機の離着陸数が減ったような感じだが、気のせいだろうか。

国際線のチケットカウンターから、久しぶりにKALの機内誌「Morning Calm」を1冊頂戴する。ハングル・英語の二カ国語版と薄手の日本語版の2種類がある。北米ルートには以前ほど日本人旅客が乗らなくなったということなのだろう。日韓の行き来だけなら英語は不用というわけだ。

「隠れた韓国」というフォトコラムで全羅南道の曾島(ジュンド)というちいさな島が、「スローフード」の行政バージョンとして1999年にやはりイタリアで始まった「チッタスロウ」(文字通りスローシティ)という啓蒙活動で、アジア初めてのスローシティ(というよりスローヴィレッジ)としての加盟を認められた(2007年)という話題が紹介されていた。

グローバル化で世界中に広がる画一的な消費都市複製の道を敢て避け、町(村)での生活の質改善を最重点に考えることがこのスローシティ運動の目標だという。土地固有の文化を尊重し、地元特産品費消を推奨する。

運動の始まったイタリアでの「チッタスロウ」指名は46市町村とダントツに多いが、イギリス(7)、ドイツ(5)、ポーランド(4)、ノルウエー(2)、オーストリアとスペイン各(1)など、活動はヨーロッパ各地に広がりをみせ、欧州以外ではオーストラリア(2)に続いて、アジア地域で韓国が初めて指名を受けた。3箇所すべてが全羅南道にあり、そのうち2つが島である。

5万人以下の人口で、有形無形の文化財を大切にし、ファーストフードのアウトレットが無いことなどが、「チッタスロウ」指名の条件というから、日本でも手を上げられる邑はありそうだ。

地図でさがすと、曾島(ジュンド)は朝鮮半島南西側の黄海にうかぶ島々のひとつ。人口2000人の農民の島だ。産品は米、ニンニク、百年草(種は薬)。天日干し塩生産地として有名で、名物料理は、夏の遠浅の海でとれるムツゴロウを使った鍋とのこと。だしがよく出てキット美味いぞ。

旅行案内はソウルからバスでほぼ5時間とあるが、地図でみると木浦から海路がありそうだから、時間さえあれば、釜山から多島海を渡って訪問するというのも面白そうだ。

以前の半島旅行でも全羅南道は、日本の昭和30年代の印象が残っていて、どこか懐かしい感じの土地だった。それから10年、きっとこの小さい島では今も時間がゆっくり流れて行くのが体感できるはず。自動車がほとんどないというから、メタボの心配はなさそうだ。

因みに、ジュン島の他の指名地は、 莞島郡のチョンサン島と潭陽郡のチョンピョン。3箇所ともに 全羅南道なのだから、「韓国チッタスロウ邑を巡るスロウな旅」などという企画もあったら楽しそうではないか。

来年のセントレア発お盆企画の変化球にどうだろうかね、JAL・ANAさん。





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