5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

大寒の湯豆腐

2015-01-20 22:12:58 | たべもの
今日は大寒である。一年で最も寒い時期といわれるのだが、名古屋の最高気温は10.5度、最低気温は0.7度と厳しすぎる寒さではなかった。

NHK岐阜局のニュースでは郡上八幡の小駄良川で行われる「寒ざらし」の様子をレポートしている。

江戸時代から伝わる郡上本染めで染め上げた鯉幟りの布を大寒の冷たい川水にさらして色鮮やかに仕上げてゆくのが「寒ざらし」。五月の空を泳ぐ姿を想像しながらの作業だというが、膝まで川水に浸かって中腰でのりを落としてゆくのは職人たちにとって決してラクなものではなかろう。だが、川岸や橋の欄干越しに懐手でこれを眺める遊山の客は別だ。季節外れの鯉の川登りが楽しめるというわけだ。

今日は、大寒でさむかろうと湯豆腐が食卓に出た。もちろん洒落た京風料理ではなく、温めた絹ごし豆腐に赤味噌の甘ダレをかけただけのシンプルなもの。それでも豆腐の温かさと喉越しの良さにつるりと戴いてしまった。

子供のころに食べたもに、年を経れば経るほど愛着が強くなるものがある。山羊の熱い乳をかけて食べるサツマイモ、かなり堅い木綿豆腐などだ。というのは「季語集」の坪内稔典先生。

豆腐はもっぱら湯豆腐だともおっしゃる。最近は豆腐料理の専門店にも人気が出てきているから、そうした店にも出かけるが、村の素朴な豆腐で育った自分には、冬の豆腐は湯豆腐が一番だとのこと。二日でも三日でも連続して食べたいというのも、同年の自分とまるで一緒だ。

そして、湯豆腐を食べるときは必ず久保田万太郎の有名な俳句を思い出すのだとも。

「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」












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