新春歌舞伎公演を新橋演舞場にて鑑賞して来ました。
没後三百年となる近松門左衛門の浄瑠璃の名作「平家女護嶋」を新たな解釈と演出練り直した演目である。
市川團十郎白猿丈が幾多の名優が演じて来た「鬼海ヶ島の場」の僧都俊寛を演じて見せる。この岸壁で島にひとり残された嘆きの場になるが、残念ながらもうひとつ悲壮感が足りないと観た。
続く「朱雀御所の場」は歌舞伎公演では200年ぶりに復活した演目だそうだが、成田屋の長女の市川ぼたんと市川新之助の2人が名演している。父親が常盤御前と斎藤別当実盛を随所で見せる早変わりが素晴らしい。親子3人が見事に盛り上げる場面の数々に思わず「成田屋」と掛け声を懸けたい衝動に駆られている。
十三代目を襲名以来、これまで以上に「伝統の継承」と「新時代の歌舞伎の創造」を胸に歌舞伎界一の名跡を守る市川團十郎白猿丈に拍手を贈りたい。
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