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ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

蜩の記

2013-02-23 17:56:47 | 読書
 2012年直木賞受賞作の葉室麟著「蜩の記」を図書館から借り出し読了しました。

 豊後・羽根藩の郡奉行や用人を勤めた主人公戸田秋谷は、藩主の側室と不義密通した罪で、何故か10年後に切腹することをを命ぜられて、かって自身が郡奉行で差配した山里での蟄居生活を余儀なくされる。

 主人公と妻(幾江)と2人の子(長男郁太郎と長女薫)は共に山里に暮らしながら、同時に蟄居の10年の間に藩の家譜の作成を命じられている。7年を経過した頃に、やはり城中で刃傷沙汰を起こした、壇野正三郎が主人公の監視を兼ねて家譜の作成の手伝いを命じられて家族の元にやってくる。

 この家族の住む山里は、かって悪政に苦しむ農民たちが、藩主の横暴を幕府に訴え出るなどの事態を発生させた土地柄であり、郡奉行(藩政)に対する抵抗も強い土地柄だった。しかし主人公の粘り強い説得などもあり、かろうじて暴発をを防ぐことが出来ている。

 一方主人公の監視役を命じられていた正三郎は、日々、主人公の清廉な人格に触れるうちに、免罪だったことを確信していく。そんな折りに長男郁太郎の友人の農家の子(源吉)が、村役人等の殺害の疑いで逮捕されて拷問を受けたうえで死亡する。

 怒った郁太郎は正三郎の案内で、城下に赴いて家老に直接その暴挙を訴えて、一矢報いようとするが、しかし2人は捕らえらてしまう。主人公は単身禁を犯して、家老宅を訊ねて2人の釈放を願い出る。若かった頃に共に藩を背負う人材としてライバルだった、主人公の家老への説得で無事に2人は釈放される。

 その後、主人公の長男はその気概を認めれて、家禄を復活することを認められ、さらに正三郎も長女薫と結婚することになる。しかし主人公の罪は許されることもなくやがて切腹の時を迎える。

 あくまでも武士道を貫こうとする主人公に、偉大なる侍魂を見いだして一気に読み進めてしまいました。権謀術策の渦巻く藩政のなかで、あくまで正義を通すことの難しさは、現代の企業の中でも同じなのだと痛感させられました。時代劇ながら主人公の罪に問われた真相は?と一種のミステリー風なのも合わせて、実に読み応えのある小説である。 
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朝日歌壇番外地の面白さ

2012-10-02 10:50:01 | 読書
 今朝の朝日新聞には朝日歌壇への投稿原稿から、番外地の紹介があったので流用してみる。実は
 小生も朝日俳壇には数回投稿したことがあった。しかし7年前に亡くなった幼馴染のY・H君は朝日新
 聞本社の編集センターに勤務していて、朝日新聞の歌壇や俳壇は全国的にも相当レベルの高い、な
 かなか作品が入選するのは難しいと言われて頓挫してしまった経緯がある。しかし毎週月曜日の歌壇
 や俳壇の作品は必ず読んでいる。

 今朝はそのうち歌壇に投稿された和歌の中から、選者が選んだ番外の作品が紹介されている。

 〇 「ひとり入るたびにザブンと湯の溢れ 檜の風呂に乳房十二個」 千葉育子さん
   6人組の温泉旅行、年配の分厚い肉のついた熟女たちを想像させる。何時も思うのだが生涯大学
   で一緒に学んだ、クラスメートの熟女たちの元気さには圧倒される。それにしても乳房十二個は凄
   いと選者が感心している。

 〇 「敬老会はぴんぴんころりを話題にし ヒレかつ重をみなで平ぐ」 上田国博さん
   たしかに老人の皆が、残された家族に迷惑を掛けたくないとぴんぴんころりは願望である。それで
   も高齢者の飲み会でも、飲み放題は必須であり、とにかく呑み続ける。まだまだ元気な老人が
   多いのである。   

 〇 「流鏑馬の射手は逸りて喚けども 急ぐでもなしやる気ない馬」 千葉迅太さん
   撮影会などでも良く取り上げられる流鏑馬の風景だが、射手も困っているのだろうが、馬の方が
   もっと困っている?。これではカメラの被写体にもならない。カメラマンたちも困った事だろうと思う。

 〇 「居酒屋へ自然と足の向く力 ニュートン知るや鰤大根を」 藤田恭さん
   帰宅途中に自然の引力の強さには逆らえない、酒呑みさんの歌であるが、ニュートンと洒落たあた
   りが面白い。鰤大根の美味しそうな感じが良く出ている。

 最後に選者は「朝日歌壇の番外地」のレベルも一段と上がって来ていると言う。( ^)o(^ )
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警察モノ小説(3)

2012-08-31 12:51:14 | 読書
 今回の作品は仲村トオル主演でTVドラマ化されている、堂場瞬一著の「アナザーフェイス」シリーズである。

 警視庁捜査一課の刑事であった主人公小松哲は、妻を亡くして小学生の子どもの面倒を見るために、定時
 で帰宅出来る、刑事総務課勤務への配転を希望して、現在は事務関係の仕事に就いている。

 ところが彼には捜査手法の特技(容疑者を自白に追い込む)があり、その手腕を惜しんだ警視庁の上層部
 が、発生する事件に従事させることで事件の解決を図るのである。

 第一作「アナザーフェイス」は、ある銀行支店の行員の子どもが誘拐される事件が発生する。身代金に受け
 渡しに東京ドームを指定されるが、まんまと身代金が奪取される。そこで主人公が被害者宅へ張り付き、
 事件の解決に協力するように命じられる。誘拐された子どもは無事に返されるが、残る誘拐事件の解決に
 粘りり強く活躍する刑事たちの活動を描いている。

 第二作「敗者の嘘」は、被疑者死亡のまま解決済みとされた事件に、自分が真犯人だったと名乗り出た
 女性弁護士がいた。どう見ても女性の犯罪とは断じ切れない警視庁上層部は、主人公にこの女性弁護士
 との接触を命じて真相を探らせる。真犯人とされながら死亡した被疑者と、今回自首してきた弁護士とは
 どんな接点があったのか。粘り強い捜査の結果でその嘘を暴く事で解決を図る。

 第三作「第四の壁」は、主人公が学生時代に所属した劇団から創立20周年記念公演に招かれる。その
 公演の舞台中に出演車がが死亡する事件が発生する。今やTVや映画で俳優として活躍する昔の仲間も
 参加する記念公演で起こった事件。さらに劇団の主宰者も死亡する事件が発生する、主人公は否応なし
 に捜査を担当する。何がこの劇団であったのか、20年も前の事から調べ直し解決を図ろうとする主人公。

 この小説の主人公は、俳優を志した時代の修練で鍛えた対人との駆け引きで、何時の間にか犯人を自白
 に追い込んだり、立て篭もり犯人を説得するできると言う特技があるのである。ただこの小説はかなり理屈
 ぽいところがあり退屈なのが難である。子どもの面倒を頼む亡き妻の母親とのやりとりも面白い。

              
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新・平家物語

2012-08-28 20:37:19 | 読書
 NHK大河ドラマ「平清盛」はオリジナル脚本によるものだと思っていた。ただどうも毎回のドラマの進展を
 見ていると、何故かどこかで読んだ本があったとのでは思ってしまった。

 思い立って本棚の隅にあった吉川英治著の「新・平家物語」の第一巻を読んでみた。保元の乱から平治
 の乱に掛けては登場人物やエピソードもほぼこの著書に準拠しているのではないかと思う。ドラマでは海
 賊として出て来る「兎丸」という人物はドラマの脚本のオリジナルの人物ではないかと思う。

 吉川英治著の「新・平家物語」は、小生がまだ20代になる前から週刊朝日に連載された小説である。単
 行本は全八巻に及ぶもので、昭和34年度に発行されている。従って今回本棚から取り出して見るとかな
 り痛んでいる。ただ一巻が¥380の値段が付いているが懐かしい思い出である。

 確かNHK大河ドラマでも、長谷川一夫主演で、この小説を取り上げており、永らく極悪人とされた平清盛
 を、吉川英治氏が描いた清盛像により改めて見直した記憶がある。

 大河ドラマとしては、まれに見る不振を極める「平清盛」だが、平安時代から鎌倉幕府への武家社会への
 大きな舵取りを成し遂げた人物として、その業績は高く評価されなければと思う。そんな観点から見ている
 とこのドラマも面白いものだと思う。

 今回はドラマの推移を見ながら、改めて全八巻を読破してみたいと思うのである。

                   
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警察モノ小説(2)

2012-08-22 16:30:16 | 読書
前回は大沢在昌の、・「新宿鮫」シリーズと、今野敏の・「隠蔽捜査」シリーズを紹介した。

今回は最近TVドラマで放映されたふたつの小説シリーズの内、ひとつを紹介してみる。この作品等々は、
小生も文庫本になってから読み始めたもので単行本としては、大分前に刊行されているのだろうと思う。

そのⅠ・は誉田哲也著の「ストロベリーナイト」シリーズである。姫川玲子警部補は女性ながら、警視庁捜
査一課捜査十係第2班(通称姫川班)の主任である。警察モノでは珍しい女性が主役の小説で、先にTV
ドラマになっている「ストロベリーナイト」では連続怪奇殺人事件を扱っている。主任として男性部下を指揮し
ながら犯人に迫る力量の持ち主でもいある。

続いてはやはり同じくTVドラマになっている「ソウルケイジ」がある。切断された手首だけ発見された人物
のナゾを追う姫川班、そこには長い間の人間の愛憎劇が秘められていた。

さらに「シンメトリー」が続いている。鉄道の線路で死体となって発見された人物の、意外な過去と犯人の
関係、こちらもTVドラマ化されている。冒頭の死体発見の際の態様が事件の鍵を握っている。

そして最新刊が「インビジブルレイン」である。この刊では姫川警部補が警視庁上層部が禁じた人物の捜査
を極秘で実施して、犯人像に迫りながら、暴力団の人物と恋におちる場面が出てくる。男性勝りの姫川警部
補が始めて女性らしい感性をみせるのである。

このシリーズのTVドラマでは、姫川警部補を女優の竹内結子さんが演じている。情報によると最新刊の「イ
ンビジブルレイン」は映画「ストロベリーナイト」として来年に公開される様である。周辺の警察関係者はTVド
ラマで演じている俳優たちが出演するほか、大杉たかおさんが主演するらしい。こちらも楽しみに拝見したい
と思っている。

最新刊「インビジブルレイン」である

                  

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警察モノの小説(1)

2012-08-15 16:44:55 | 読書
小生の最近の読書は完全に偏っている。文庫本で購入するのは警察モノの小説が多い。

この傾向は、大沢在昌の「新宿鮫」シリーズにはまってから続いている。キャリアながら、今は新宿署の一警部
として働く鮫島警部の活躍を描いている小説である。もちろんこのシリーズは全作品を読んでいるし、最新作の
「絆回廊・新宿鮫Ⅹ」はインターネットで全編を読んでいる。この作品で鮫島警部の最大で唯一の理解者である
桃井警部の死が、今後の「新宿鮫」シリーズにどう影響するのか気になるところである。

最近では新宿鮫短編集「新宿鮫の貌」が出ている。新宿鮫シリーズのスピンオフの短編を集めたものだが、シ
リーズを読んでいる方にしか判らない作品もある。あの「こち亀」の両さんとおぼしき警察官が出てきて、鮫島警
部と邂逅する場面の短編がある等、こちらもなかなか読み応えがある。

                 

その2は今野敏の「隠蔽捜査」シリーズである。警察庁の超エリートに位置する竜崎警視長が、警察庁や警視
庁の上層部が隠蔽しようとした事件に関連して、大森署長に降格させられながら、国家公務員のキャリアの責
任を全うしようとする物語である。この小説のシリーズも4作目が発表されている。
この作者が描く「安積班」シリーズや「樋口謙」シリーズが地道な捜査を続ける刑事たちを描いているのに比べ
て、「隠蔽捜査」シリーズは警視庁や警察庁のキャリアが主人公で描かれていて興味深い。

主人公の竜崎警視長はパリパリのエリート・キャリア警察官僚ながら、原理原則を貫くことこそが正義と言って
はばからず、ゆえに周囲から変人扱いをされると言う人物である。警視庁の伊丹刑事部長が同期のキャリアで
なおかつ小学校の同級生であることから、名コンビで難事件に対応していく。このシリーズにも、刑事部長伊丹
を主人公にしたスピンオフの短編集もあり、こちらも一読に値した面白さである。

 
                  

          
今回は愛読している警察モノを2作品を紹介したが、さらに別途引き続いて紹介してみたい。
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三ヶ月待って

2012-06-21 09:42:34 | 読書
最寄の市の図書館からメールで頼んでいた本の貸出の順番が来たぞと連絡があった。

実は新刊で出ているこの本の閲覧申し込みを、3月25日にWEBで申し込んでいた。
この時は既に160人の貸出申し込みがあったが、市内のどこかの図書館にあれば回送して貰える仕組みもある。
この図書は市内の図書館で各1冊の計29冊が購入されている。1冊の貸出期間が2週間であるのでそれから逆
算すると小生の番になるのは早くて3ヶ月だと考えていた。

最近の新刊書は大抵は1冊で¥1500~¥2000位する。ただ文庫本まで待てばその1/3で購入出来る。
必然的にどうしても早く読みたい本は図書館に頼ってしまう。一早く購入申請をすれば比較的早く貸し出しの順番
が来るのだが、ちょっと遅れると今回のようになる。

WEBで貸出希望ベスト50冊を紹介するコーナーで調べてみるとベストセラーの新刊本は300件を超す申し込み
がある。こんな場合はきっと貸し出しは半年先になるだろうと思う。

小生のような年金生活者はなかなか新刊本の購入が出来ないでいる。勢い図書館を頼るか文庫本化されるまで
待つしかないようである。しかしながら図書館の存在は大いに助かっていることも事実である。

我が街の図書館は遊歩道に面したところにあり、冷暖房完備であるのでウォーキングの途中に利用させて頂くこ
とも多いのである。
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草彅君の翻訳本

2011-06-01 16:42:00 | 読書
 SMAPの草彅剛君が韓国通であることは知られている。先日はドラマ「冬のサクラ」で今井美樹さんと共に出演して、朴訥で生真面目な東北人の主人公を見事に演じてくれた。

 その草彅剛君が韓国で大ベストセラーになったと言う、イ・チョルファン著の「月の街山の街」の翻訳した本が発売されている。たまたま訪れた本屋の店頭で見付けて購入してきました。

 本の帯に「何も持っていなくて心に愛を持つ人々の物語」とある。韓国には「月の街」「山の街」と呼ばれ、舗装もされていない丘の斜面に密集する貧しい人々が住む住宅地がある。月や山に近いことから、そう呼ばれるが、この本には、そんな「月の街」「山の街」に住む人々のこころ温かい物語が集められている。

 この本は実話を元にしたと草彅剛君のあとがきにあるように、ほのぼのとした人と人の出会いが描かれている。ただ難点は韓国人特有の言い回しなどが日本語に馴染まないところも多いようで、翻訳する上でも随分苦労したらしい。そんなことも考慮しながらこの本を読んであげたいと思います。

      

「コレステロール半減!!」挑戦中。今日の歩行数「9.797歩」である。今月も頑張りたい。
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週末は勇太が楽しみ

2011-04-29 19:11:58 | 読書
 今週の日本男子ゴルフツアーは伝統の「中日クラウンズ」。2日目が終わり岩田寛が通算9アンダーでトップである。我が池田勇太選手は、本日は5アンダー通算、7アンダーでB・ジョーンズで2位タイで終わっている。

 昨年この大会の最終日に驚異的な58のスコアーで優勝した石川遼選手は、通算イーブンパーで24位で決勝に進出した。さらにこの大会で5度の優勝を飾っている64歳の尾崎将司選手が2アンダーの11位タイで健闘している。

 もちろん、明日からの決勝ラウンドで池田勇太選手が優勝することを祈っている。石川遼選手の巻き返し連覇がなるのか、TV中継が大変に楽しみである。
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「老いの才覚」から

2011-01-03 01:35:19 | 読書
 現在、曽野綾子著「老いの才覚」という新書版のエッセイを読んでいる。著者は1931年生まれの後期高齢者だが、数多くの著書もあり、敬虔なクリスチャンととして、また10年間ほど日本財団の会長を務めたことでも有名である。

 年の取り方を知らない老人が急増してきた!と嘆く。自立した老人になり人生を面白く生きるために「7つの才覚の持ち方」を書いている。

 主な内容の抜粋では
 〇 高齢者に与えられた権利は、放棄せよ。
 〇 老化度を図る目安は「くれない指数」だ。
 〇 老人が使う言葉が極度に貧困になった。
 〇 人に何かをやってもらう時には対価を払え。
 〇 ひと昔前まで、人は死ぬまで働くのが当たり前だった。
 〇 料理、洗濯、掃除・・・日常生活の営みを人任せにしない。
 〇 老年の仕事は孤独に耐えること。

 読んでいて、ガーンと感じることや、それならオレはもうやっているぞ!等々身につまされる内容が多い。一度拾い読みしたがもう一度じっくりと読み返したいものだと思っている。
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