11月27日(月)・11月28日(火)の両日、ドイツのコンラート・アデナウアー財団(Konrad Adenauer Stiftung)主催による国際会議「Hacked Election」が東京で開催された。
その結果が財団のホームページに掲載されている。
http://www.kas.de/politikdialog-asien/en/publications/50936/
ドイツ、アメリカ、インド、モンゴルその他各国のサイバーセキュリティ専門家、政党関係者、研究者による非公開の発表と討議が行われた。私もスピーカーとして招聘されたので、日本における現状と規制の可能性について報告した。
必ずしも選挙法自体の専門家が集まっているわけではなかったので、まず日本における選挙運動規制の厳格さ(戸別訪問の禁止、ビラ配布制限、インターネット選挙運動が解禁されたのが2013年のことであること、選挙運動期間の短さと事前運動の禁止)に驚く参加者が多かった。それと同時に、政治活動としてであれば選挙運動期間以外でも一定の活動は可能であるという点の説明にも苦慮し、十二分に説明することができなかった(この点は、外国人からみた日本の選挙運動規制のわかりにくさの大きなポイントである)。また報告時間の関係で、インターネット選挙運動の解禁に伴って改正されたプロバイダ責任制限法の内容等も割愛せざるを得なかった。
最終日、参加者が2グループに分かれて討議し、政府や政党に対する勧告をまとめたが、正直なところ、時間不足という印象が否めなかった。その原因は、「Hacked Election」はあまりにも多層的なレイヤーに関係する問題であることであろう。最大の問題は、国民主権(その中には、対外的独立性という契機を含む)と民主主義という立憲主義の中でも最も重要な理念を脅かすような行為が外国政府も含めた勢力によってサイバー攻撃からフェイクニュースの流通まできわめて多様な手段によって行われているとみられるとき、それに実定法レベルでどのように対処するか、分野横断的に統合的な対抗手段をとることがきわめて難しいという点にある。
なお先日、第16回情報科学技術フォーラム(FIT 2017)において「デジタルゲリマンダーの脅威 ~ネットとAIから民主主義は守れるか~」という分科会が開催された。この分科会では各パネリストが報告し、またその後の質疑応答でディスカッションした内容は、十二分に第一級の水準であることが確認できたと思う。
https://www.ipsj.or.jp/event/fit/fit2017/FIT2017_program_web/data/html/event/eventA7.html
その結果が財団のホームページに掲載されている。
http://www.kas.de/politikdialog-asien/en/publications/50936/
ドイツ、アメリカ、インド、モンゴルその他各国のサイバーセキュリティ専門家、政党関係者、研究者による非公開の発表と討議が行われた。私もスピーカーとして招聘されたので、日本における現状と規制の可能性について報告した。
必ずしも選挙法自体の専門家が集まっているわけではなかったので、まず日本における選挙運動規制の厳格さ(戸別訪問の禁止、ビラ配布制限、インターネット選挙運動が解禁されたのが2013年のことであること、選挙運動期間の短さと事前運動の禁止)に驚く参加者が多かった。それと同時に、政治活動としてであれば選挙運動期間以外でも一定の活動は可能であるという点の説明にも苦慮し、十二分に説明することができなかった(この点は、外国人からみた日本の選挙運動規制のわかりにくさの大きなポイントである)。また報告時間の関係で、インターネット選挙運動の解禁に伴って改正されたプロバイダ責任制限法の内容等も割愛せざるを得なかった。
最終日、参加者が2グループに分かれて討議し、政府や政党に対する勧告をまとめたが、正直なところ、時間不足という印象が否めなかった。その原因は、「Hacked Election」はあまりにも多層的なレイヤーに関係する問題であることであろう。最大の問題は、国民主権(その中には、対外的独立性という契機を含む)と民主主義という立憲主義の中でも最も重要な理念を脅かすような行為が外国政府も含めた勢力によってサイバー攻撃からフェイクニュースの流通まできわめて多様な手段によって行われているとみられるとき、それに実定法レベルでどのように対処するか、分野横断的に統合的な対抗手段をとることがきわめて難しいという点にある。
なお先日、第16回情報科学技術フォーラム(FIT 2017)において「デジタルゲリマンダーの脅威 ~ネットとAIから民主主義は守れるか~」という分科会が開催された。この分科会では各パネリストが報告し、またその後の質疑応答でディスカッションした内容は、十二分に第一級の水準であることが確認できたと思う。
https://www.ipsj.or.jp/event/fit/fit2017/FIT2017_program_web/data/html/event/eventA7.html