Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

日誌12月21日

2007年12月22日 | Weblog
法学部長、M課長と3人で広島修道大学法科大学院見学。

広島までは「のぞみ」で博多から1時間。広島駅内の蕎麦屋で昼食を摂った後、広島修道大学に向かう。広島駅からはタクシーで20分ほど。

まず、植田博・法務研究科長の担当する刑事法の講義を参観させていただく(約30分)。
講義はいわゆるソクラテス・メソッドで行われていることが特色である。受講生は卓上に判例百選、六法、テキスト、レジュメを広げて受講している。
最初に今日の講義の内容(公務執行妨害)について、前回の講義内容を確認しながら、ポイントの説明が行われる(約5分)。その際、条文を確認させ、学生を当てて該当条文を読み上げさせる。次に、レジュメに沿って受講生に質問しながら講義を進める。「公務員は刑法に定義があるか?」「では、公務員とは何かについて簡単に定義してみて?」等と質問して答えさせ、誤った答えはその場ですぐに正し、公務執行妨害でいう「公務」を遂行する公務員の意義について解説を加える。「○○の判例の事実概要を説明してみて?」「この判例はどこが問題点?」等と事前に予習として読んでおく判例について質問を行い、解説を加えていく(判例のポイントを講義する)というスタイルで講義が進行した。この間、板書は全くなく、完全にレジュメに依拠して講義が進行する。
ソクラテス・メソッドの講義を日本の法科大学院で実際に見るのは初めてだが、予習をしていない受講生は質問に答えることができないので、講義には全くついて行くことができないと思われる。つまり1回休んだだけで、きちんと自分でフォローしておかないと、もうついて行けなくなるということである。また、教室の一番後ろから参観したかぎりでは、教員の解説についてメモを取ったりレジュメにアンダーラインを引いたりしながら受講している学生は数名で、講義内容を理解しながらついて行くだけで精一杯の受講生が少なくないようだった。
その後、施設見学をして、植田先生に約2時間インタビュー。
地方の法科大学院の苦労をいろいろとお話しいただいた。

広島駅付近の店で、カキ焼きとお好み焼きを食べて、新幹線で帰福した。
コメント
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