自宅の仕事部屋で朝から仕事。
共同研究の関係で『社会文化研究所紀要』に論文を提出しなければならない。これはある程度これまでにメモなどを作ってあるので、それらを適宜整えて、月曜日までには脱稿できそうだ。
ところで、先日N社の編集者Tさんと渋谷の宮崎料理の店「魚山亭」で呑んだ折、どんな椅子を使っていますかと聞かれた。
この稼業、どうしても座り仕事が多くなる。かといって座りっぱなしで済むわけではなく、講義が始まれば立ちっぱなしということもあり、慢性的に腰痛を抱えている人が多い(私もそのひとり)。
同業者の間ではハーマンミラーのアーロンチェアを使っている人が多いようだが、私の場合は研究室ではスチールケースの「リープ」、自宅では同じく「プリーズチェア」を使っている。
どちらも同じスチールケースの製品であるが、設計方針の違いのようなものが感じられる。
リープは、背もたれのロッキングと座面の前後スライドが連動するようになっており、きちんと深く腰掛けても、浅くだらしなく腰掛けても、それなりに腰をサポートしてくれるように思われる。
これに対してプリーズチェアは、背面がリクライニング時に上下二段に分割して腰椎を支えるという複雑な設計であり(このため故障が多く、現在はNewプリーズチェアという改良された製品が販売されている)、深く腰掛けて(すなわち尾てい骨が椅子の背面に密着するように腰掛けて)、椅子に完全に背を預けないと、腰椎に対するサポートは得られない。つまり、この椅子にはだらしなく腰掛けてはいけないのである。
この違いは、店頭に置いてある椅子にちょっと座ってみた程度ではなかなか分からない。
これだから椅子選びは難しいのである。
[写真]自宅の仕事部屋に置いてある「プリーズチェア」。