おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

コンフィダント・絆

2007-05-17 22:24:56 | 観たもの

 三谷幸喜さんの新作です。シアターBRAVAで5月10日から31日までやっています。16日夜観劇です。大阪にしたら、結構ロングランです。東京では、こういう小劇場っぽいお芝居でも1ヶ月近くかかっているみたいですが、大阪って長くて1週間から10日で、だいたい2、3日なので、チケット取るのが大変です。今回も、三谷幸喜さんなので、取れるかなとちょっと心配していましたが、これだけ長くあると何とかなるもので、ぴあで予約ができました。プレリザーブということで、550円の手数料を取られますが、前から7番目の通路側だったので、550円余分に出した価値はありました。

 前置きはまだ続きます。夜7時の開演でしたが、停電で30分開演が延びました。劇場に問題があったわけではなく、関西電力に問題があったそうですが、「えーっ、困るわ。帰るの遅くなるやん」って文句を言いたいところでしたが、最後のアンコールで生瀬勝久さんがお詫びをしてくれたので、許します。アンコールって、役者さんがしゃべることはまずないので、何だか得した気分になったので。←単純なヤツです。

 このお芝居、東京では先月1ヶ月やってました。東京での評判が非常に良くて、非常に期待して行きました。期待を裏切らない、良く出来たお芝居でした。配役はゴッホ:生瀬勝久さん、ゴーギャン:寺脇康文さん、スーラ:中井貴一さん、シェフネッケル:相島一之さん、ルイーズ:堀内敬子さんで、登場人物はこの5人だけです。三谷さんが「あて書き」をしたというだけあって、役のキャラとご本人のキャラ(あくまで、こちらがイメージしているキャラですが。実際、ご本人たちは存じ上げないので)が重なっていて、見ていてひっかかるところがなく、芝居の世界にすっと入り込むことができました。生瀬さんはすぐキレル変な人、寺脇さんはやたら格好つける人、中井さんは世間知らずのお坊ちゃま、相島さんはとにかくイイ人、こんな感じです。

 堀内さんは、そんな個性の際立った4人の中を、自由自在、誰とでも違和感なく馴染める人です。劇団四季の女優さんだったそうですね。この前2月にも「音楽劇ハムレット」に出てらして拝見しましたが、卒なく役をこなされます。「卒なく」というのは、悪い意味ではなく、どこにでも溶け込んでしまうけど、自分の存在もしっかり主張できる、という意味です。今回、音楽は舞台袖のピアノの生演奏で、要所要所で堀内さんが歌われます。四季出身だけあって、お上手です。伸びやかでナチュラルな感じです。一つ難を言えば、冒頭彼女はおばあさんに扮して出てきて、昔を思い出すというところからお芝居が始まるんですが、あまり「おばあさん」に見えなかったことかな。すごく可愛らしい声をなさっているので、がんばって低い声を出そうとしてらっしゃるんだけど、ちょっと無理がありました。でも、その場面は、ほんのちょっとしかないので、そう取り立てて言うほどのものでもないんですが。

 三谷幸喜さんらしいお芝居でした。前半は大いに笑わせてくれました。お腹が痛くなるくらい、涙を流して笑いました。後半は、笑いもあるけど、ちょっと深刻な部分もありました。ゴッホ、ゴーギャン、スーラは後世に名を残した画家ですが、シェフネッケルは「それ、誰?」と言う人で(実在の人物です)、何か出演者の世間でのポジションそのまんまって感じで、少し残酷さも感じました。

 今年は、これで10本目のお芝居でしたが、今のところ、これがベストワンです。
 

コメント
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