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おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

今日はここ

2024-08-24 16:34:31 | 観たもの
上方歌舞伎会に来ております。ひとつめの舞踊が終わり、35分間の幕間です。舞踊はネズミが主役となっていたので、てっきり「先代萩」のネズミが出てくると思っていたら、紋付袴の素踊りでした。

次はわれらが吉太朗クンの梅川です。楽しみ、楽しみです。

《追記》

帰りは阪急電車で“当たり”でした。
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晴の会 + 九雀の噺

2024-08-19 23:46:06 | 観たもの
 「晴の会」と「九雀の噺」の感想を書いておこうかと…。

【第9回あべの歌舞伎晴の会「伊賀越道中双六」】
 
 千次郎さん、千壽さん、松十郎さんが中心となって始まった「晴の会」でございます。今年は「伊賀越道中双六」の通し上演ということで、亀屋東斎先生(千次郎さん)が筆を取られました。

 「伊賀越」の通しは以前国立劇場で見ております。吉右衛門さんが主役の唐木政右衛門で、「岡崎の段」が何年振りかの上演ということで国立まで見に行きました。それが読売演劇大賞を受賞され、その凱旋公演も見ました。発端も大詰も見ているはずなんですが、全く記憶になく…。「岡崎」の場面の吉右衛門さんが煙草を刻んでいて、そこに雀右衛門さんのお谷がやってくるっていうところは強烈に覚えているのですが…。雀右衛門さん、ダイエットされてやつれた感じがすごかったんです。って、そこが見どころではないはずなんですが。この時は「沼津」が出ませんでした。

 今回のは「沼津」を中心に発端と大詰がつきました。この公演のプレセミナーで聞いたところによれば、「沼津」はずっと演りたかった演目だそうです。上方歌舞伎会でかけたいそうですが、登場人物が少ないので却下されます。昨年の「晴の会」で「沼津」をかけようとしていたら、松竹座の夏歌舞伎でがんじろはんがなさったので、出来なかったそうです。いろいろご事情があるんですね。

 今年が“満を持して”って感じでしょうか。発端の場面がコンパクトにわかりやすく描かれていて、その後の「沼津」が「あぁ、こういうお話だったんですね」ってよくわかりました。千次郎さんの平作、千壽さんのお米、松十郎さんの呉服屋十兵衛、それぞれのお師匠さんの持ち役をお勤めになりました。松竹座で本役でもいけるんちゃうん?ってくらいの出来栄えでした。千次郎さん、老け役ですが、無理くり顔に皺を描かず、それでちゃんと老人になっていました。元々上手い役者さんでしたが、春先から、玉ちゃんに抜擢していただいていろいろご指導を受けられて、さらに上手くなられました。千壽さんは秀太郎さん譲りの何とも言えない色香がにじみ出ておりました。松十郎さんも孝夫さんをよく写しておられ、上背のあるシュッとした方なので結構でした。松十郎さんってお師匠さんの孝夫さんが本当に大好きで(他の皆さんももちろんお師匠さんLOVEだと思いますが)、晴の会とか上方歌舞伎会とか自分たちが主役の会で、孝夫さんから直接手取り足取り指導が受けられるのが嬉しくて嬉しくて仕方ないっていつもおっしゃっています。

 晴の会の「沼津」の見せ方、絶対いいと思うんです。浅草でも南座でも花形歌舞伎の公演で取り入れていただきたいものです。本当にわかりやすいです。それでいけば、何年か前の「四谷怪談」の通し上演もコンパクトでありながら、破綻なく最後まで通していたので、あの脚本もぜひどこかで使ってほしいなぁと思います。

【九雀の噺 美吉屋ご一門を迎えて】
 
 桂九雀さんの会に美吉屋の吉弥さん、折乃助さん、われらが吉太朗クンがゲスト出演されました。チケットは即完売だったそうで、歌舞伎ファンと「刀剣乱舞」ファンが押し寄せたようです。

 番組
 「まめだ」 桂九雀
 「蔵丁稚」 上村吉太朗
 「転宅」  上村折乃助
 「質屋芝居」 上村吉弥
 ー中入りー
 「芝浜」  桂九雀

 九雀さんが前座、座布団返し、めくりを担当されました。九雀さんは、ワタシが枝雀さんの追っかけまがいのことをしてた頃(ってもう40年前になりますが)の記憶しかなくて、まだ若手、まだ前座みたいな記憶しかなくて、すっかり立派なお師匠さんで、ちょっとビックリしました。スビバセン、失礼な客です。

 中入りまでの噺はいずれも歌舞伎が登場します。われらが吉太朗クン、高座に上がった時はさすがに緊張Max?カチコチって感じで、こちらもミョーに緊張しましたが、マクラが終わって本題に入るとあとは滑らか、芝居の部分はお手の物なので、安心して聞いておりました。折乃助さんは、落語は2回目だそうで、お三方の中では一番落ち着いていらっしゃったようにお見受けしました。義太夫の女師匠が登場するのですが、まぁ、それはそれは婀娜っぽいお師匠さんで、女形の面目躍如でした。吉弥さんが一番緊張されていたようで、マクラが終わって羽織を脱ぐタイミングも何となくぎこちなくて、そこで一瞬客席も緊張しました。「忠臣蔵」のお芝居が出てくるのですが、立ち回りの場面は折乃助さんと吉太朗クンも出て来られ、三人で立ち回りも披露されました。美吉屋さんは皆さん女形さんなので、立ち回りを見られるっていうのも非常にレアで、貴重でした。九雀さんの「芝浜」は、美吉屋さんが慣れない落語に挑戦されるので自分も江戸弁に挑戦しますということで、全編江戸弁でした。でも、お江戸の方がお聞きになったら「訛ってる」って思われたような気がしますが。でも、お正月に聞いた小朝さんの「芝浜」よりは良かったかと(←個人の感想です)。

 
 天満の天神さんです。
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今日はここ

2024-08-07 21:22:09 | 観たもの
天満天神繁昌亭の九雀さん➕美吉屋さんご一門の落語会に行ってきました。チケットは即完売、遠征組もいらっしゃったようです。

本職じゃない会ということで、ご当人たちかなり緊張されていましたが、ワタシもなぜかなんとなくソワソワ、ドキドキしておりました。われらが吉太朗クン、折乃助さん、吉弥さんの順番でご登場でした。皆さん、とてもお上手でびっくりしました。「芝居噺」というアドバンテージがあったとは言え、お見事でした。

折乃助さんが二度目の高座だそうで(吉弥さんも)、マクラで「二度あることは三度ある」っておっしゃってたので、またあるのかしらとちょっと期待しております。


繁昌亭のなかです。
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今日はここ

2024-08-04 18:03:25 | 観たもの
晴の会の千穐楽に来ております。「伊賀越道中双六」の発端が終わりました。人物関係がとてもわかりやすく描かれていました。これから「沼津」ですが、ちょっと見る視点が変わりました。晴の会の三人がそれぞれの“旦那”のお役をお勤めになります。それだけでウルウルしそうです。
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夏休み文楽特別公演

2024-07-27 23:26:22 | 観たもの
 性懲りもなく?文楽に来ております。一応、文楽劇場での公演は細々と通ってはいるのですが、如何せん、意識を失っていることが多く、記事にできるほどの感想もなく…。スミマセン。

 今年の夏休み文楽、第一部のお子様向けでお茶を濁そうかと思いましたが、頑張って第二部の「生写朝顔話」にしました。だって、人形遣いは人間国宝の勘十郎さん、和生さん、玉男さん、太夫は呂勢さん、三味線は藤蔵さんと、なかなかの豪華な布陣なんです。歌舞伎竹本の葵さんもご覧になったとTwitterで呟いていらっしゃったので、何かそういう権威?みたいなものに弱いワタシ…。

 この「生写朝顔話」は歌舞伎ではもう25年かかってないそうです。文楽は結構かかっています。ワタシも見た記憶があるので。「これでもかっ」ってくらいのすれ違いが続く、メロドラマです。ちょっと百恵ちゃんの大映ドラマみたい?いつも文楽は8割方寝落ちしていますが、これは8割方、あ、ちょっと盛りました、7割方起きてました。

 見どころは「嶋田宿笑い薬の段」、文楽のチャリ場の代表曲です。萩の祐仙は勘十郎さんでした。祐仙、何とまぁ、芸が細かい!舞台で祐仙もケラケラ笑い転げているのですが、客席もケラケラ笑っておりました。辛気臭いのより、こういう明るいのが良いです。主役の深雪は和生さん、阿曽次郎は玉男さんでした。女形の人形はどうしても簑助さんを思い出してしまってイケマセン。簑助さんの人形って、なぜか頬に赤みが差して人間になるんですよね。他の人はどこまで行っても“お人形”なんですよね。みんな、ガンバレ!

 歌舞伎でも見たいなぁと思いました。さすがに孝玉コンビでは無理なような…。花形で見たいですね。時蔵さん(梅ちゃんね)とかマシュマロ米吉クンとか。相手役は松也さんかイケメン隼人クンかなぁ…。祐仙は橘太郎さんでお願いいたします。何でかからないんでしょうかね?結構面白いと思うんですが。何せ、ワタシが7割方起きてたくらいなので…。

 1時半開演で終演は5時半、途中10分の休憩が2回、なかなかハードな観劇ですが、日中の一番暑い時間帯に文楽劇場で涼むっていうのもオツなものです。当日行ってもお席は十分ございます。ワタシも昨夜周りに誰も座っていない席を予約しました。もちろん通路です。でございます。

 ↑上の写真は第1部の「ひょうたん池の大なまず」の人形です。この演目は、勘十郎さんが、お嬢さんの幼稚園の先生から頼まれて作られました。衣装は勘十郎さんの手作りだそうです。勘十郎さん“ミシン使える”ので。

 ↓下の写真は阪急電車です。文楽劇場へ行くには地下鉄堺筋線を利用しますが、阪急電車と相互乗り入れしており、阪急電車に乗れるとなぜか「当たり!」って思ってしまいます。今日は帰りが「当たり!」でした。
 
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七月大歌舞伎 夜の部

2024-07-21 23:08:40 | 観たもの
 今月の歌舞伎座の夜の部でございます。文学座の「オセロー」で上京したので、せっかくだと思い夜の部を見てきました。

 ↓チラシに載っていた説明です。
天下人・豊臣秀吉の出世物語「太閤記」から、秀吉の活躍が光る“表”の物語と、その輝かしい光の陰にある秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇的な“裏”の物語を巧みに織り交ぜた『裏表太閤記』を上演。『裏表太閤記』は、昭和56(1981)年の二世市川猿翁(三代目猿之助)による初演以来、実に43年ぶりの上演となります。今回はその情熱的な精神を受け継ぎながら、松本幸四郎による宙乗りや早替り、幸四郎と尾上松也と市川染五郎による本水を使った大滝での大立廻りなどケレン味あふれる演出が盛り込まれ、歌舞伎の魅力が凝縮された熱い舞台が繰り広げられます。

 「面白そう!」と思い期待して臨みましたが、何となく消化不良な感じです。元々は昼の部と夜の部両方を使った上演時間7時間?8時間?の超大作だったそうで、それを3時間15分に短くしての上演です。パーツ、パーツはそれらしく盛り上がるような造りにはなっているのですが、通して見た時に「裏と表の太閤記」っていうのがいまいちわかりづらく、さらにそこに「孫悟空」が絡んでくるので、「何が何やら…」状態でした。 宙乗りあり、本水あり、早替りあり、いろいろな歌舞伎の台詞あり、と散らかすだけ散らかして結局収集がつかなくなってしまって…。舞台を見ながら「もし亀ちゃんがいたら、もっとちゃんと作らはったんやろうなぁ…」とずっと思ってた失礼な客はワタシです。スミマセン。

 でも、大詰めで幸四郎さん、松也さん、巳之助さん、右近さん、染五郎さんが「三番叟」を踊る場面があり、皆さん、白塗りの凛々しい武将のお姿、見目麗しい方たちばかりなのでそこは見応えがありました。巳之助さんの踊りって、久しぶりにちゃんと見たように思います。坂東流のお家元ですからね。この場面、15分ぐらいでしたが、もっと長くてもいいよ、って思ってしまいました。スミマセン。

 あとは、寿猿さんがお元気にお舞台をお勤めで、大変結構でございました。第2幕の幕開きに登場する「じじーず」です。猿三郎さんがブログに書いてくださっています。ここが一番受けていたような…。ここでも「もし亀ちゃんがいたら、寿猿さんともっと遊んだんやろうなぁ…」ってちょっと思ってしまったのですが。スミマセン。

 これだけのために遠征してたら暴れるところでしたが、「オセロー」という素晴らしい舞台を拝見できたので、今月も歌舞伎座へ行けてヨカッタ、ということで…。
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今日はここ

2024-07-15 15:03:12 | 観たもの
松竹座で通しております。外に出たら暑いし人が多いので、松竹座のロビーで休憩中です。

いつものこと?ながら、とりあえず切符を取っただけで、演目も出演者もよく把握せずに劇場にまいりましたが、昼の部なかなかの充実ぶりで、これならもう一回見てもよかったかしらと思いました。あ、夜の部は孝夫さんの「すし屋」っていうのはちゃんとわかっています。だから、2回見るようにはしているのですが。

今日は安定の三階席です。結構空席があって、お隣の席に荷物を置いてゆっくり観劇できました。ワタシ的にはラッキーですが、松竹株式会社的にはどうなんでしょうねってちょっと心配です。「萬屋」さんって一般にはまだマイナーなお名前なんですかね。役者さんも演目もとても良い公演なんですが。皆さま、ぜひぜひ松竹座へ!
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オセロー

2024-07-14 23:54:23 | 観たもの
 文学座の「オセロー」でございます。新宿の紀伊國屋サザンシアターで上演されました。ワタシは昨年の「夏の夜の夢」に続いて2回目です。こちらの劇場、場所を貸すだけのようで、劇場スタッフさんらしき方はいなくて、文学座の役者さんが切符のもぎりとかパンフレットの販売とかされていました。日替わり?らしく、「とっても豪華なもぎり」って呟いていらっしゃるのを見たので、とりあえず手の空いた役者さんが駆けつける方式のようです。そうそう、パンフレットは開演前は売り切れで、文学座のオンラインストアで買うようにアナウンスしていましたが、第一幕の間に文学座の事務所(場所は信濃町、新宿から近い)に取りに帰られたようで、休憩時間には売ってました。「学生演劇かっ」って突っ込みたくなるような、手作り感満載の公演でございます。

 で、かんじんのお芝居ですね。「オセロー」という演目は初めて見ました。何となく聞いたことはあるけれど、程度の知識です。あ、玉ちゃんが二代目松緑さんが「オセロー」をなさったときに、デズデモーナのお役で出演されたのは、写真で見たことがありました。今回、saraさんのデズデモーナを見ながら、「これって、玉ちゃんが演じられたお役なんですね」と幾度となく思っていた失礼な客はワタシです。スミマセン。別にsaraさんに難があるからってことではないので、一応言っときます。

 主役のオセローは横田栄司さん、デズデモーナはsaraさん、イアーゴーは浅野雅博さんでした。横田さんと浅野さんは文学座の同期生だそうです。saraさんは正座員に昇格されたばかり、宝塚でいえば研1での大抜擢ってところでしょうか。

 非常に見応えのあるお芝居でした。上演時間は15分の休憩を挟んで3時間でしたが、ちょっとヘロヘロな状態で臨んだので大丈夫かなぁと心配しておりましたが、オセローの世界に引き込まれ3時間集中しました。文学座の底力、役者さんの層の厚さなんでしょうね。

 横田さんはNHKの「鎌倉殿の13人」に和田義盛のお役でご出演でした。テレビの力は偉大で、今回の公演もそのネームバリューが大いに発揮されたようで前売り券は即完売、追加公演が出ました。三谷幸喜さんも観劇されたようで、朝日新聞のご自分のエッセイに書いていらっしゃいました。浅野さんにずいぶんと注目されていたので、近々三谷さんのお芝居に呼ばれるかもしれません。

 浅野さんのイアーゴーは、登場した時は、ほんと、フツーの人でした。でも、相手を見て態度を変え、平気でウソをつき、相手を追い詰めていきます。見た目がフツーなだけに、よけいにすごく怖い人物でした。「そこまでする?」って…。

 対するオセローは、登場した時は、デズデモーナを結婚できて自信満々の野心家だったのが、イアーゴーによって「自分がムーア人」という心の奥深くに隠していた引け目?負い目?のような感情が炙り出されて、破滅の一途をたどります。オセローとイアーゴーの間の感情のせめぎあい?、最初は「オセロー100対イアーゴー0」だったのが、それがどんどん変化し、最後「オセロー0対イアーゴー100」になる過程が完全に可視化されていました。

 デズデモーナのsaraさんはご自分の年齢がそもそも若いので、ピュアなデズデモーナにぴったりでした。あまり他人の感情に頓着しない、自分の思いだけで突き進む、ある意味ちょっと残酷な感じが「若いよねぇ~」って納得しながら見ておりました。ほんと、可愛らしくて、オセローが振り回されるのも当然って感じでした。

 イアーゴーの妻のエミリアの増岡裕子さんも目が離せない役者さんでした。重苦しい雰囲気の中で、ちょっとお笑い担当みたいな役回りです。こういうお役にすっと入り込めるっていうのが文学座の底力のような気がします。

 ワタシが文学座を初めて見たのはもう50年近く前になりますが、その頃は年に3回か4回は文学座の本公演が大阪にも来ていたように記憶しています。堂島の毎日ホールが新劇系のお芝居を一手に引き受けていたかと。最近は年に1度、塚口のピッコロシアターか八尾のプリズムホールのどちらかに巡演があるって感じです。新劇なんてほぼ死語なんでしょうかね。こういう良いお芝居を見ると、大阪でももっと見たいなぁと思います(労演に入れば見られそうなんですが、それはそれでちょっと面倒な…)。
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坂東玉三郎特別公演

2024-06-26 00:06:01 | 観たもの
 南座の公演でございます。玉ちゃんの「阿古屋」ですが、その前に「口上」と千次郎さんの「解説」がつきました。

 「口上」は幕が開くと、金屏風の前に玉ちゃんが女形の正装でお座りでした。金屏風は絵のないシンプルなものでした。「阿古屋」は六代目歌右衛門さんからお習いになりました。玉ちゃんの初演は1997年に国立劇場で、その時は通し上演で序が「二人景清」、中段が「琴責」、大詰が「清水寺」だったそうです(正しくはコチラをご覧ください)。二人景清は先代の團十郎さんで、玉ちゃんは「琴責」ではいつも私たちが見ている「阿古屋」ですが、その後の「清水寺」は景清のお母さんに普段着で会いに行くという場面だそうで、あの重い鬘と衣装の後に、急に軽くなって変な感じだったそうです。通し上演って、歌舞伎公演データベースで見る限り、この国立の1回だけだったので、もひとつだったんでしょうね。初役の時はとても緊張されたそうで、勢いだけで乗り切ったとおっしゃっていました。

 ちなみに、ワタシ、この翌年の1998年の松竹座の「阿古屋」を見ております。「とにかくすごい演目らしい」っていうのを聞いて見たのは覚えていますが、内容は忘却の彼方です。そんな初期で見ていたことに、今はビックリです。松竹座って結構こういうケースが多くて、政岡も初演かその後ぐらいで見ています。歌舞伎座では出来なかったんでしょうね。

 話が逸れました。「琴責の段」はとても文学性の高い段だそうで、お白州に正装で登場します。玉ちゃんは「景清の行方は知らない」という心持で演じていらっしゃるそうです。華やかに見えるけれど、気持ちは萎れている、と。これは義太夫で語られているそうです。

 現代ならあちこちに監視カメラがあって、SNSがあって、景清の行方なんてすぐにわかってしまうでしょうね、って砕けたこともおっしゃっていました。ただ、玉ちゃんはそういう外の世界のことを忘れていただくために、精一杯勤めていると。どの「口上」でも、このことおっしゃっていますよね。玉ちゃんのおかげで、豪華絢爛なお姿を見て、お琴、三味線、胡弓の美しい音色を聞いて、ひととき夢の世界に浸らせていただけます。

 少し、南座の思い出もお話しくださいました。50数年前の南座顔見世で初めて南座へ来られたそうです。その後は毎年8月に松嶋屋さんの「花形歌舞伎」にご出演、ここで孝玉コンビでいろいろ手掛けられました。その評判がよくて、新橋演舞場でも6月に「花形歌舞伎」があり、さらに南座では3月も「花形歌舞伎」がかかり、大きなお役に次々と挑戦されました。この時の経験が後に歌舞伎座で大きなお役をなさる時に大いに役立ったそうです。

 初日あたりはこの「口上」も長かったようですが、ワタシが見た時(22日)は時間通りぴったり終わり、続いて千次郎さんの「解説」です。同じ舞台で、千次郎さんが金屏風の前で松嶋屋さんの裃をつけて座っていらっしゃいました。玉ちゃん、千次郎さんのこと結構気にかけてくださっていて、4月の「お染久松」では番頭さん、6月の「牡丹燈籠」ではお医者のお役と、2幕最初の解説(円朝さんのお役の代わり)をお勤めでした。

 「阿古屋」の解説です。いつも番附で読んでるっちゃ読んでるんだけど、改めて耳から聞くとより理解できました。お衣装のこととか、琴・三味線・胡弓のそれぞれの楽器のこととか、「へぇ~~~」ってなることをいろいろと聞きました、三味線は景清が去ってしまった後の想いを、胡弓は景清との縁の儚さ、人の世のむなしさ、わが子への愛情を表現しているそうです。竹田奴は文楽のツメ人形を模してあって、それでああいう顔と動きなんやって納得しました。

 解説が終わると休憩を挟んで本編の「阿古屋」です。重忠は吉之丞さん、岩永は千次郎さんでした。吉之丞さん、やっぱりこっちのほうがしっくりきます。ちょっと吉右衛門さんの面影があったりして、“賢い”武将でした。岩永は人形振りです。千次郎さんの人形振りはまあまあって感じでしたが(スミマセン、上から目線です)、人形遣いの二人がもうちょっと突っ込んで演じてくれたら、それらしく見えたんとちがうかなぁと思いました。千次郎さんだけ目立ってしまって、ちょっと違うって思ってしまいました。

 玉ちゃんの三曲はもちろんperfectでございます。「ひととき、夢の世界へ~」が本当に夢の世界で聞いておりました。気がつくとお琴が出てて、次に気がつくと三味線をお持ちで、次に気がつくと胡弓で…。演奏が良すぎるんでしょうね。申し訳のないことでございます。それでもまだ胡弓の時はこの世にいたかもしれません。儚いなぁってちょっとしんみりしてしまいました。

 この「阿古屋」は劇場からのリクエストが多いようで、せっかく児太郎さんと新時蔵さんもいらっしゃることですし、どこかであるかもしれません。一瞬、12月?って思ったけれど、時蔵さんが新感線歌舞伎の方なので、それはないですね。
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今日はここ

2024-06-22 14:37:02 | 観たもの
南座の玉ちゃんの「阿古屋」でございます。口上と千次郎さんの解説が終わり、いよいよ本編です。ここまでは大丈夫?でしたが、はてさて‥って感じです。頑張ります。

陰囃子で傳左衛門がご出勤のようで、さすが玉ちゃん! スッゲーって思ってしまいました。
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