
サンケイホールブリーゼで劇団民藝+無名塾公演「ドライビング・ミス・デイジー」を見てまいりました。こちらも三人芝居で、出演は奈良岡朋子、仲代達矢、千葉茂則でした。一昨日の三人芝居とは打って変わって、重厚な安定した組み合わせでした。
原作はアメリカの作品で、映画化されアカデミー賞も獲った作品だそうです。お話のあらすじです。
時は1948年から73年までの25年間、場所はアメリカのまだまだ人種差別意識が色濃く残るジョージア州アトランタ。教師を引退したデイジーは72歳のユダヤ人の未亡人。一人でかくしゃくと暮らしていたものの、ある日、自分の運転していた車で事故を起こしてしまいます。心配した息子ブーリーは強引に黒人の運転手ホークを彼女の元へ送り込みました。独立心が強く黒人嫌いのデイジーは頑としてホークの車に乗ろうとしません。しかし二人の間にはいつしか不思議な友情が育まれていくのでした・・・。
ポスターを見てもらえばわかるように、仲代達矢が黒人役ということで、顔を少し塗っています。最初、これを見たとき「今どきこういうお芝居ってどうなん?」と思いましたが、そこはさすがベテランお二人のお芝居です。そういう外見的なことはあまり気にならず、お芝居に入り込むことができました。確かに、台詞は翻訳臭く、というかわざとそういう台詞になっているんだと思いますが、お二人が演じていらっしゃると全然不自然ではなく、馴染んでいました。もう一人の共演者である千葉茂則もベテラン二人に負けることなく、小さい頃に見たアメリカのテレビ映画の吹き替えみたいな台詞回しで、見事に“外人”を演じていらっしゃいました。
“25年間”を描いているので、出演者はどんどん年をとっていきますが、それもわざとらしくなく非常に自然でした。奈良岡朋子は最後は97歳という設定で、認知症気味のおばあさんですが、見事でした。そして、アンコールでは、一転、“素”で登場されます。そのギャップも演出なんでしょう。それにしても、奈良岡朋子って小っちゃい人でした。でも、お芝居を演っている間はそんなに小さいと思わなかったので、“演技力”の成せる技なんでしょうね。
奈良岡朋子は初見だと思います。劇団民藝のお芝居はほとんど労演で、一般の目に触れることがなかったので、見る機会がありませんでした。唯一見たのは滝沢修の「セールスマンの死」でした。これは杉村春子の「女の一生」「欲望と言う名の電車」と並んで、私が若い頃に「ぜひ見ておかねばいけないお芝居」といわれ、見に行ったのを覚えています。
仲代達矢も見た記憶がないんですが。私がお芝居を見始めた頃には、すでに無名塾を主宰してらして、ひょっとしたら見てるかもしれませんが・・・。
ところで、このお芝居の観客層ですが、見事にじーさん、ばーさんでした。こういう出演者なので、お若い方が少ないのは仕方ないにしても、平均年齢めちゃくちゃ高かったです。歌舞伎なんかだと年配の女性は見ますが、劇場でこんなに年配の男性を見たのはおそらく初めてではないかと・・・。また、じーさんって黙って見てなくて、途中で「ほー、やっぱり上手いですなぁ」とかしゃべるんです。勘弁してほしかったです
。
《オマケ》

動いているブリちゃんです。
原作はアメリカの作品で、映画化されアカデミー賞も獲った作品だそうです。お話のあらすじです。
時は1948年から73年までの25年間、場所はアメリカのまだまだ人種差別意識が色濃く残るジョージア州アトランタ。教師を引退したデイジーは72歳のユダヤ人の未亡人。一人でかくしゃくと暮らしていたものの、ある日、自分の運転していた車で事故を起こしてしまいます。心配した息子ブーリーは強引に黒人の運転手ホークを彼女の元へ送り込みました。独立心が強く黒人嫌いのデイジーは頑としてホークの車に乗ろうとしません。しかし二人の間にはいつしか不思議な友情が育まれていくのでした・・・。
ポスターを見てもらえばわかるように、仲代達矢が黒人役ということで、顔を少し塗っています。最初、これを見たとき「今どきこういうお芝居ってどうなん?」と思いましたが、そこはさすがベテランお二人のお芝居です。そういう外見的なことはあまり気にならず、お芝居に入り込むことができました。確かに、台詞は翻訳臭く、というかわざとそういう台詞になっているんだと思いますが、お二人が演じていらっしゃると全然不自然ではなく、馴染んでいました。もう一人の共演者である千葉茂則もベテラン二人に負けることなく、小さい頃に見たアメリカのテレビ映画の吹き替えみたいな台詞回しで、見事に“外人”を演じていらっしゃいました。
“25年間”を描いているので、出演者はどんどん年をとっていきますが、それもわざとらしくなく非常に自然でした。奈良岡朋子は最後は97歳という設定で、認知症気味のおばあさんですが、見事でした。そして、アンコールでは、一転、“素”で登場されます。そのギャップも演出なんでしょう。それにしても、奈良岡朋子って小っちゃい人でした。でも、お芝居を演っている間はそんなに小さいと思わなかったので、“演技力”の成せる技なんでしょうね。
奈良岡朋子は初見だと思います。劇団民藝のお芝居はほとんど労演で、一般の目に触れることがなかったので、見る機会がありませんでした。唯一見たのは滝沢修の「セールスマンの死」でした。これは杉村春子の「女の一生」「欲望と言う名の電車」と並んで、私が若い頃に「ぜひ見ておかねばいけないお芝居」といわれ、見に行ったのを覚えています。
仲代達矢も見た記憶がないんですが。私がお芝居を見始めた頃には、すでに無名塾を主宰してらして、ひょっとしたら見てるかもしれませんが・・・。
ところで、このお芝居の観客層ですが、見事にじーさん、ばーさんでした。こういう出演者なので、お若い方が少ないのは仕方ないにしても、平均年齢めちゃくちゃ高かったです。歌舞伎なんかだと年配の女性は見ますが、劇場でこんなに年配の男性を見たのはおそらく初めてではないかと・・・。また、じーさんって黙って見てなくて、途中で「ほー、やっぱり上手いですなぁ」とかしゃべるんです。勘弁してほしかったです

《オマケ》

動いているブリちゃんです。
正直あの終わり方だったので、どんな格好で出てきても違和感があるのでは?と思っていました。
それがまったく芝居とは離れた状態だったので、すっきりとしたというか、世界が現実に戻ったと言うか、そんな感じで、芝居の余韻を残しながらも、別の感動を与えてくれるような気がしました。
珍しく、心から拍手ができるよいお芝居でしたね。
お芝居のほうも、翻訳劇で、それを非常に翻訳劇臭く演じていらっしゃるにもかかわらず、違和感なくお芝居の世界に入れました。イマドキの若手のお芝居とは全然違う、“上質な”お芝居でした。