「演劇界4月号」の巻頭大特集は「襲名六代目中村勘九郎」で、表紙ももちろん当代の勘九郎さん、襲名披露公演でなさった『土蜘』の「叡山の僧智籌実は土蜘の精」です。
お父様の勘三郎さんからの手紙、「挑戦と継承」というタイトルの小松成美さんが当代勘九郎さんにインタビューしてまとめられた記事、「中村屋の系譜」では江戸時代の猿若勘三郎から続く系譜が辿られています。また、演劇評論家の長谷部浩さんが「終わりがあり、始まりがある 中村勘九郎という名跡」という文章を寄せられていました。当代勘三郎さんの勘九郎時代の活躍についてずっと書かれてあるんですが、その中で五代目勘九郎さんについて「愛嬌があって、色気にあふれ、芝居が巧く、なお踊りが巧い。歌舞伎を演じるために生まれてきた男。三拍子いや四拍子揃った役者が五代目中村勘九郎であった」と最大級の賛辞を贈っていらっしゃいますが、実は、この前段に「現存の役者では、一代でここまでの大きな名跡とした例は、玉三郎のほかにはいない。」と書いていらっしゃって、玉ちゃん
ファンとしては、そうよねぇ、やっぱり玉ちゃん
すごい
と思いながら、勘九郎さんの記事を拝見しておりました。←どうも、感心するポイントが違うような…。何かどこかズレております。
「小山三ひとり語り」も襲名関連で、勘九郎さんの「襲名の儀」についてでした。なかなか興味深い内容でした。名前を受け渡す儀式で、1月26日千穐楽を終えた平成中村座で執り行われたそうです。これは親から子へ、師匠から弟子へ名前を授けるものなので、親や師匠がいないとできない儀式だそうで、当代の勘三郎さんも先代の勘三郎丈もお父様を亡くされてから「勘三郎」のご名跡を継いでいらっしゃるので、この儀式はできなかったそうです。でも、考えてみると、いわゆる“大名跡”って、先代が亡くなってから継ぐものだから、めったにできませんよねぇ。今度の亀ちゃんが猿之助を襲名なさるときは、猿之助さんがいらっしゃるから、こういう儀式されるんでしょうか。猿三郎さん、ブログで紹介してくださるでしょうか。
今月号で面白かったのは、劇評家の渡辺保さんが「私の歌舞伎遍歴-ある劇評家の告白」という連載を終えられたのを記念し、読者からの質問に答えるページです。香川照之さんについて聞かれてのお答えは「香川照之は現代演劇のすぐれた俳優の一人です。その俳優が歌舞伎に挑戦するのは大冒険です。むろん体の持ち味、芸の風格は一朝一夕ではできません。しかし、人間を描くことはうまいでしょうし、歌舞伎の方法論を知的、意識的に表現することはできるでしょう。私はその結果に期待しています。」でした。だんだんと襲名披露公演が近づき、いろいろなところでいろいろなことを言われている香川さんですが、大御所の渡辺さんがこういうあったかいコメントをなさっていて、ちょっと意外感もありましたが、渡辺さんがこうおっしゃっているのであれば、期待できそうです。渡辺さんの劇評も楽しみです。
また“家の芸”をほかの家の俳優がそれを演じることについては「『家の芸』はその家の芸風を継ぐべき者の演目です。もし他の家の人間がそれを演じるならば、その家の芸を研究したうえで挑戦すべきだと思います。」ということでした。
歌舞伎初心者への入門書としては、戸板康二さんの「歌舞伎への招待」(岩波現代文庫)を挙げていらっしゃったので、早速注文しました。
こういった質問と答が35ありました。なかなか面白かったです。6ページほどですので、立ち読みでもすぐに読めます。よろしかったらどうぞ。
お父様の勘三郎さんからの手紙、「挑戦と継承」というタイトルの小松成美さんが当代勘九郎さんにインタビューしてまとめられた記事、「中村屋の系譜」では江戸時代の猿若勘三郎から続く系譜が辿られています。また、演劇評論家の長谷部浩さんが「終わりがあり、始まりがある 中村勘九郎という名跡」という文章を寄せられていました。当代勘三郎さんの勘九郎時代の活躍についてずっと書かれてあるんですが、その中で五代目勘九郎さんについて「愛嬌があって、色気にあふれ、芝居が巧く、なお踊りが巧い。歌舞伎を演じるために生まれてきた男。三拍子いや四拍子揃った役者が五代目中村勘九郎であった」と最大級の賛辞を贈っていらっしゃいますが、実は、この前段に「現存の役者では、一代でここまでの大きな名跡とした例は、玉三郎のほかにはいない。」と書いていらっしゃって、玉ちゃん



「小山三ひとり語り」も襲名関連で、勘九郎さんの「襲名の儀」についてでした。なかなか興味深い内容でした。名前を受け渡す儀式で、1月26日千穐楽を終えた平成中村座で執り行われたそうです。これは親から子へ、師匠から弟子へ名前を授けるものなので、親や師匠がいないとできない儀式だそうで、当代の勘三郎さんも先代の勘三郎丈もお父様を亡くされてから「勘三郎」のご名跡を継いでいらっしゃるので、この儀式はできなかったそうです。でも、考えてみると、いわゆる“大名跡”って、先代が亡くなってから継ぐものだから、めったにできませんよねぇ。今度の亀ちゃんが猿之助を襲名なさるときは、猿之助さんがいらっしゃるから、こういう儀式されるんでしょうか。猿三郎さん、ブログで紹介してくださるでしょうか。
今月号で面白かったのは、劇評家の渡辺保さんが「私の歌舞伎遍歴-ある劇評家の告白」という連載を終えられたのを記念し、読者からの質問に答えるページです。香川照之さんについて聞かれてのお答えは「香川照之は現代演劇のすぐれた俳優の一人です。その俳優が歌舞伎に挑戦するのは大冒険です。むろん体の持ち味、芸の風格は一朝一夕ではできません。しかし、人間を描くことはうまいでしょうし、歌舞伎の方法論を知的、意識的に表現することはできるでしょう。私はその結果に期待しています。」でした。だんだんと襲名披露公演が近づき、いろいろなところでいろいろなことを言われている香川さんですが、大御所の渡辺さんがこういうあったかいコメントをなさっていて、ちょっと意外感もありましたが、渡辺さんがこうおっしゃっているのであれば、期待できそうです。渡辺さんの劇評も楽しみです。
また“家の芸”をほかの家の俳優がそれを演じることについては「『家の芸』はその家の芸風を継ぐべき者の演目です。もし他の家の人間がそれを演じるならば、その家の芸を研究したうえで挑戦すべきだと思います。」ということでした。
歌舞伎初心者への入門書としては、戸板康二さんの「歌舞伎への招待」(岩波現代文庫)を挙げていらっしゃったので、早速注文しました。
こういった質問と答が35ありました。なかなか面白かったです。6ページほどですので、立ち読みでもすぐに読めます。よろしかったらどうぞ。