最近ドイツのニュース専門テレビNTVで流れる銀行のユニークなCMを注目しています。
日本の陶磁器修復技術「金継ぎ」をモチーフにするCMです。
まず画面に茶碗のヒビに金が流れ込む様子が映し出されます。
そして金継ぎで修復された茶碗が画面にアップされます。
その後は「共同でパワーを」の文字、銀行名が画面に映し出されます。
本来の金継ぎは破損部分をはじめ漆によって接着して、金などの金属粉で装飾して仕上げるのだそうですが、
このCMだと、ひび割れたところに溶かした金を流し込むので、金で接着するような印象を受けます。
本来の意味での金継ぎではないのかもしれませんが、ともかくユニークなCMであることは確かです。
昨年のドイツ文学賞の候補作品に「Kintsugi 」というタイトルの本がありましたが、
ドイツでは結構多くの人に「金継ぎ」が広まっているのかもしれませんが、それにしてもCMにまで登場するとは驚きです。
ここで宣伝されているDZ Bankはドイツでは資産規模で2番目に大きいメガバンクですが、
金継ぎのCM効果について聞いてみたいところです。
DZ Bankはドイツ全国の農業協同組合銀行の中央機関なので、日本では農林中央金庫にあたると思います。
ちなみに農林中央金庫は欧米ではThe Norinchukin Bankという名で日本最大のヘッジファンドとして知られています。
素敵なことですね。
今、金の相場が高いでしょう。
私が時々直しに出すプロの方は
「金で治すと大変な金額になるから、普段使いなら銀がお勧めです。」と言ってくださいます。
銀でも治れば嬉しいし、気持ちよく器を使えるので
もっぱら銀直しです。
自分で治す方や教室が増えて、プロ顔負けの技量を見せてくださる人もいます。
でも嬉しいお話でした。
コメントをありがとうございます。
日本への渡航制限があるので現在は無理ですが、以前はドイツ人対象の日本旅行に「金継ぎワークショップに参加」プログラムが提供されていたこともありました。
銀で修復されたhibari さんの磁器をいつか拝見したいものです。