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気がつけばふるさと離れて34年

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「散らし」と「余白」の美

2019-07-12 17:25:16 | 日記
新しい書道のお手本をいただきました。



若山牧水の歌です。
「石越ゆる水のまろみを眺めつつ、こころかなしも秋の渓間に」

秋の歌ですが、これから練習を始めると多分秋口まではかかりそうです(^。^)。

先生に「仮名と散らしの練習」と言われたのですが、「散らし」については知りませんでした。

『王羲之と日本の書』展のカタログの中で「書の魅力」についての記載があります。
それによると「書の美」には「線の美、連綿の美、造形の美、余白の美、空間構成の美、墨色の美、料紙の美」などがあり、空間構成の美は「散らしの美」とも呼ばれるのだそうです。

「散らし」とは和歌や手紙などを書く時に各行の高さに変化を付けて、文字を散らして配置する書き方です。

これは「余白の美」にも通ずると思います。

丁度「第十四代酒井田柿右衛門 余白の美」を図書館で借りてきたところでした。
書も陶磁器も中国から日本に伝えられましたが、「余白」に美を見出したのは日本人独特の感性と言えるでしょう。



うっかりして日本語ではなく英訳本を借りてしまったのですが、元々、柿右衛門さんの語りを聞き書きしたということで、平易な英文だったので何とか通読できました。

今度美術館で本物の柿右衛門を見る機会があれば、その特徴とされる「赤絵、余白、濁手」を観照したいと思います。
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在外投票

2019-07-10 11:47:34 | 日記
参議院選挙の在外投票に行ってきました。
在外公館での投票期間は7月5日から14日までです。
暑さも落ち着き気持ち良い日に一票を投じてきました。





今回で11回目の投票です。




日本で投票所に行った記憶がないのですが、かなりのノンポリだったから、
もしかすると一度も国政選挙に参加しなかったのかもしれません→ケシカラン!
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暑い夏にはロゼワイン

2019-07-08 12:41:07 | 日記
以前ワインはアルザスやフランケン、モーゼルのワインをまとめて購入していましたが、近年は家の近所のワインショップで購入することが多くなっています。
住宅街にあるこじんまりしたショップですがワインの品揃えは豊富です。


(お店のホームページの写真です)

お店の会員になっていて定期的にニュースレターが届くので、その中でお勧めのワインをお店で試飲して購入します。

今回はフランス産の白ワインと赤ワイン、スペイン産のロゼワインをそれぞれワンカートン購入しました。




ヒットはなんといってもロゼワインでした。
毎日私ののどを通り、ささやかな幸せをもたらしています。

友人に指摘されたのですが、今回購入したワインは全て2018年産でした。
猛暑の2018年はワインの当たり年なのですってね→ほぼ毎日ワインを口にするのにそんなことも知りませんでした(涙)。

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リビアの思い出

2019-07-06 17:12:54 | 旅行
今年の一時帰国時、ドイツに住む友人から購入を依頼された書籍の中に「文藝春秋六月号」がありました。


友人に郵送する前に、
村上春樹さんの紀行文と塩野七生さんの連載文に目を通しました。

塩野さんは世界の紛争地域で世界遺産が破壊されていることに憤慨し「もしレプティス・マグナに被害が及ぶようだったらカラシニコフを持って立ち向かう」と書かれていました(もはや文藝春秋は手元にないので、多分このような内容だったと思うのですが)。

それで2006年4月にリビア旅行をした時に訪れた古代ローマの遺跡レプティス・マグナに思いを馳せました。

リビアというと現在アフリカからの難民の出発地として知られています。
2006年当時は今ほど情勢は悪くはありませんでしたが、私たちのような個人旅行者は自由に移動することはできず、全行程ガイドとドライバーが付いていました。

塩野さんが書いておられるようにレプティス・マグナは素晴らしい古代遺跡です。
ここは西暦193年この町の出身者セプティミウス・セウェルスがアフリカ出身者で初のローマ皇帝になったことから繁栄し、カルタゴ、アレキサンドリアに次ぐアフリカ第三の都市になったのだそうです(ウィキペディアより)。

セプティミス・セウェルスの凱旋門です。


広大な地域に多くの遺跡が残っています。




ちょっと道を外れると荒地が広がっています。


博物館ではモザイク画が展示されています。


レプティスは古代ローマの遺跡ですが、キュレネでは古代ギリシアの遺跡が見られます。


リビア人の女性が遺跡の修復作業に従事していました。


現在の不穏な情勢では、残念ですが今後リビアを訪れることはもうないでしょう。
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ベスト・エッセイ 2018

2019-07-04 14:50:44 | 日記
近所に住む友人がこの間エッセイを書いてみようかと思っていると話していました。
文章を書くのがお好きなようで以前もタイトルは忘れましたが茜と和男が主人公のバイオリンを主題とする小説を書いたことがありました(彼女はバイオリニストです)。
今回は一時帰国時に宿泊するお兄様のお宅にほとんど鏡がなく、鏡を見ないとこれまでの生活様式が変わるということに気付き、「鏡のない生活」という題で随想を記したいということでした。

それで今読書中の「ベスト・エッセイ」を彼女にも勧めました。

(日本文化会館の図書館で借りてきたのでカバーは外されています)

以前このシリーズはよく文庫本を日本で購入してきましたが、近年は図書館で借りることが多くなっています。
前年度発表された優れたエッセイを集めています。
私が今読んでいるのは「ベスト・エッセイ2018」なので2017年に発表されたエッセイが収められています。

どれも珠玉の作品ですが、通訳+(若干)翻訳業を営んできた者にとっては、やはり翻訳家鴻巣友季子さんの「正解のない言葉の冒険」が特に印象に残りました。

『嵐が丘』や『風と共に去りぬ』の訳者として知られる鴻巣さんは1966年以来50年以上も日本全国の高校をまわり、翻訳にまつわるお話をされているのだそうです。(→訂正です❗️ 1966年以来続いているのは「高校生のための文化講演会」で音楽家、詩人、科学者、ジャーナリスト、そして鴻巣さんのような翻訳者が各地の高校で講演をされるのです。鴻巣さんは1963年のお生まれですから、これだと何と3歳から講演をなさっていることになってしまいます。→鴻巣さんゴメンナサイ❗️)


鴻巣さんの講演には会場の高校生に実際に短い文章を訳してもらうということで、これまでの講演会で出会った名訳も紹介されていました。

中でも『風と共に去りぬ』のスカーレットが最後につぶやく有名なセリフのある高校生の訳は秀逸です。

Tomorrow is another day.

「とりあえず寝よう」

鴻巣さんはこの訳には、スカーレット流「あとまわし術」がうまく表現されていること、原文と同じぐらいの短さで、しかも絶妙に音まで似ているとベタ誉めです。

やはり翻訳者の東江一紀さんの『ねみみにみみず」にはこのような「うならせられる名訳」(+ダジャレ)が満載されています。

コメント (3)
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