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ベスト・エッセイ 2018

2019-07-04 14:50:44 | 日記
近所に住む友人がこの間エッセイを書いてみようかと思っていると話していました。
文章を書くのがお好きなようで以前もタイトルは忘れましたが茜と和男が主人公のバイオリンを主題とする小説を書いたことがありました(彼女はバイオリニストです)。
今回は一時帰国時に宿泊するお兄様のお宅にほとんど鏡がなく、鏡を見ないとこれまでの生活様式が変わるということに気付き、「鏡のない生活」という題で随想を記したいということでした。

それで今読書中の「ベスト・エッセイ」を彼女にも勧めました。

(日本文化会館の図書館で借りてきたのでカバーは外されています)

以前このシリーズはよく文庫本を日本で購入してきましたが、近年は図書館で借りることが多くなっています。
前年度発表された優れたエッセイを集めています。
私が今読んでいるのは「ベスト・エッセイ2018」なので2017年に発表されたエッセイが収められています。

どれも珠玉の作品ですが、通訳+(若干)翻訳業を営んできた者にとっては、やはり翻訳家鴻巣友季子さんの「正解のない言葉の冒険」が特に印象に残りました。

『嵐が丘』や『風と共に去りぬ』の訳者として知られる鴻巣さんは1966年以来50年以上も日本全国の高校をまわり、翻訳にまつわるお話をされているのだそうです。(→訂正です❗️ 1966年以来続いているのは「高校生のための文化講演会」で音楽家、詩人、科学者、ジャーナリスト、そして鴻巣さんのような翻訳者が各地の高校で講演をされるのです。鴻巣さんは1963年のお生まれですから、これだと何と3歳から講演をなさっていることになってしまいます。→鴻巣さんゴメンナサイ❗️)


鴻巣さんの講演には会場の高校生に実際に短い文章を訳してもらうということで、これまでの講演会で出会った名訳も紹介されていました。

中でも『風と共に去りぬ』のスカーレットが最後につぶやく有名なセリフのある高校生の訳は秀逸です。

Tomorrow is another day.

「とりあえず寝よう」

鴻巣さんはこの訳には、スカーレット流「あとまわし術」がうまく表現されていること、原文と同じぐらいの短さで、しかも絶妙に音まで似ているとベタ誉めです。

やはり翻訳者の東江一紀さんの『ねみみにみみず」にはこのような「うならせられる名訳」(+ダジャレ)が満載されています。

コメント (3)
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