これまでかなりモラトリアム的に生きてきました。
自分のしたいことがあまり良くわからず、その場しのぎで人生の方向を決めてきたような気がします。
学業でもそうです。
高校までは一応理系だったのですが一年間の米国留学後あらためて自然科学系の勉強をするのは大変で
安易に英文科に進みました。
近辺に住む芸大のピアノ科、バイオリン科、声楽科ご出身の日本人の方をみていると「自分の好きなこと」が
はっきりわかっていて、それが「ぶれていない」ことを羨ましく思います。
「とりあえず」勉強した米文学ですが、今あらためて勉強しなおすとしたら
社会心理学、精神医学、比較文化などに取り組んでみたいです。
特に「言葉の比較文化」に興味をもつようになったのは、やはりドイツに住み始めてからです。
日本で単に「キャベツ」と呼んでいた野菜の何と種類の多いことか。
ドイツに来たばかりの頃、夫とともに市場に買い物に出かけ「キャベツが欲しい」と言ったら
「どのキャベツ?」と聞かれて驚いたことを思い出します。
日本で一般に言われている「キャベツ」はこちらでは「白キャベツ」です。
それから「カリフラワー」は日本でも時折言うように「花キャベツ」と呼ばれます。
それ以外に「芽キャベツ」は「ローズキャベツ」ですし、「白菜」は「中国キャベツ」です。
この間作って好評だった白菜の「ロールキャベツ」、一個だけ残りました。

あと「グリーンキャベツ」とか「レッドキャベツ」、「縮緬キャベツ」
それに最近市場に出回るようになった平べったいまさに「玉菜」にはUrkohl直訳すると「原始キャベツ」という名がついています。
牛や鹿も「乳牛」や「雄牛」、「のろじか」か「大鹿」で名前が違います。
言葉の種類はその地域の食文化によって違ってくるのでしょう。
その点、海産物が豊富な国、日本の海の幸の言葉は本当に豊富です。
ドイツ人は「イカ」と「蛸」の区別もわからないし、多分「かつお」と「マグロ」の違いもわからないでしょう。
私の場合「言葉の比較文化」などという大げさなものではなく、単に外国に行ってその土地の美味しい物の言葉を知りたいというだけなのです。