万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌0781 ぬばたまの0715

2012年11月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌0781 ぬばたまの0715

ぬばたまの 昨夜は帰しつ 今夜さへ
我れを帰すな 道の長手を  大伴家持

0715     万葉短歌0781 ShuB686 2012-1115-man0781

ぬばたまの きぞはかへしつ こよひさへ
  われをかへすな みちのながてを
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持更贈紀女郎歌五首」の第五首。
【訓注】ぬばたま(野干玉)。昨夜(きぞ)。帰しつ(かへしつ=令還)。今夜(こよひ)。我れ(われ=吾)。帰すな(かへすな=還莫)。道(みち=路)。


万葉短歌0780 黒木取り0714

2012年11月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌0780 黒木取り0714

黒木取り 草も刈りつつ 仕へめど
いそしきわけと ほめむともあらず  大伴家持

0714     万葉短歌0780 ShuB686 2012-1114-man0780

□くろきとり かやもかりつつ つかへめど
  いそしきわけと ほめむともあらず
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持更贈紀女郎歌五首」の第四首。
【訓注】黒木(くろき=黒樹)。草(かや)[=萱]。いそしき(勤)。ほめむ(将誉)。


万葉短歌0779 板葺の0713

2012年11月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌0779 板葺の0713

板葺の 黒木の屋根は 山近し
明日の日取りて 持ちて参ゐ来む  大伴家持

0713     万葉短歌0779 ShuB686 2012-1113-man0779

いたぶきの くろきのやねは やまちかし
  あすのひとりて もちてまゐこむ
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持更贈紀女郎歌五首」の第三首。
【訓注】板葺(いたぶき=板盖)。屋根(やね)。明日の日(あすのひ=明日)。参ゐ来む(まゐこむ=参来)。


万葉短歌0778 うつたへに0712

2012年11月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌0778 うつたへに0712

うつたへに 籬の姿 見まく欲り
行かむと言へや 君を見にこそ  大伴家持

0712     万葉短歌0778 ShuB686 2012-1112-man0778

うつたへに まがきのすがた みまくほり
  ゆかむといへや きみをみにこそ
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持更贈紀女郎歌五首」の第二首。
【訓注】うつたへ(打妙)。籬(まがき)[=目垣、馬垣]。


万葉短歌0777 我妹子が0711

2012年11月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌0777 我妹子が0711

我妹子が やどの籬を 見に行かば
けだし門より 帰してむかも  大伴家持

0711     万葉短歌0777 ShuB686 2012-1111-man0777

わぎもこが やどのまがきを みにゆかば
  けだしかどより かへしてむかも
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞原文は、「大伴宿祢家持更贈紀女郎歌五首」。その第一首。
【訓注】我妹子(わぎもこ)。やど(屋戸)[=宿]。籬(まがき)。行かば(ゆかば=徃者)。けだし(盖)。帰し(かへし=返)。


万葉短歌0776 言出しは0710

2012年11月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌0776 言出しは0710

言出しは 誰が言にあるか 小山田の
苗代水の 中よどにして  紀女郎

0710     万葉短歌0776 ShuB684 2012-1110-man0776

こちでしは たがことにあるか をやまだの
  なはしろみづの なかよどにして
紀女郎(きの いらつめ)=第643歌参照。
【編者注】題詞原文は、「紀女郎報贈家持歌一首」。
【訓注】言出し(こちでし=事出之)。誰が言(たがこと=誰言)。よど(与杼)[=淀]。


万葉短歌0775 鶉鳴く0709

2012年11月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌0775 鶉鳴く0709

鶉鳴く 古りにし里ゆ 思へども
何ぞも妹に 逢ふよしもなき  大伴家持

0709     万葉短歌0775 ShuB684 2012-1109-man0775

うづらなく ふりにしさとゆ おもへども
  なにぞもいもに あふよしもなき
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞原文は、「大伴宿祢家持贈紀女郎歌一首」。
【訓注】古りにし里(ふりにしさと=故郷)。思へども(おもへども=念友)。逢ふよし(あふよし=相縁)。


万葉短歌0774 百千たび0708

2012年11月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌0774 百千たび0708

百千たび 恋ふと言ふとも 諸弟らが
練りのことばは 我れは頼まじ  大伴家持

0708     万葉短歌0774 ShuB680 2012-1108-man0774

ももちたび こふといふとも もろとらが
  ねりのことばは われはたのまじ
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】大伴宿祢家持が久邇京(くにの みやこ)から坂上大嬢へ贈った歌五首、の第五首。
【訓注】百千たび(ももちたび=百千遍)。ことば(言羽)。我れは頼まじ(われはたのまじ=吾波不信)。


万葉短歌0773 言とはぬ0707

2012年11月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌0773 言とはぬ0707

言とはぬ 木すらあぢさゐ 諸弟らが
練りのむらとに あざむかえけり  大伴家持

0707     万葉短歌0773 ShuB680 2012-1107-man0773

こととはぬ きすらあぢさゐ もろとらが
  ねりのむらとに あざむかえけり
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】大伴宿祢家持が久邇京(くにの みやこ)から坂上大嬢へ贈った歌五首、の第四首。
【訓注】言(こと=事)。あぢさゐ(味狭藍)。諸弟(もろと)。むらと(村戸)[=群詞]。あざむかえ(所詐)。


万葉短歌0772 夢にだに0706

2012年11月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌0772 夢にだに0706

夢にだに 見えむと我れは ほどけども
相し思はねば うべ見えずあらむ  大伴家持

0706     万葉短歌0772 ShuB680 2012-1106-man0772

いめにだに みえむとわれは ほどけども
  あひしおもはねば うべみえずあらむ
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】大伴宿祢家持が久邇京(くにの みやこ)から坂上大嬢へ贈った歌五首、の第三首。
【訓注】夢(いめ)。我れ(われ=吾)。ほどけ(保杼毛)。うべ(諾)。


万葉短歌0771 偽りも0705

2012年11月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌0771 偽りも0705

偽りも 似つきてぞする うつしくも
まこと我妹子 我れに恋ひめや  大伴家持

0705     万葉短歌0771 ShuB680 2012-1105-man0771

いつはりも につきてぞする うつしくも
  まことわぎもこ われにこひめや
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】大伴宿祢家持が久邇京(くにの みやこ)から坂上大嬢へ贈った歌五首、の第二首。
【訓注】偽り(いつはり=偽)。似つき(につき=似付)。うつしくも(打布裳)。まこと(真)。我妹子(わぎもこ=吾妹児)。我れ(われ=吾)。


万葉短歌0770 人目多み0704

2012年11月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌0770 人目多み0704

人目多み 逢はなくのみぞ 心さへ
妹を忘れて 我が思はなくに  大伴家持

0704     万葉短歌0770 ShuB680 2012-1104-man0770

ひとめおほみ あはなくのみぞ こころさへ
  いもをわすれて あがおもはなくに
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞は、大伴宿祢家持が久邇京(くにの みやこ)から坂上大嬢へ贈った歌五首。その第一首。
【訓注】人目(ひとめ=人眼)。逢はなく(あはなく=不相)。心(こころ=情)。我が(あが=吾)。


万葉短歌0769 ひさかたの0703

2012年11月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌0769 ひさかたの0703

ひさかたの 雨の降る日を ただひとり
山辺にをれば いぶせくありけり  大伴家持

0703     万葉短歌0769 ShuB679 2012-1103-man0769

ひさかたの あめのふるひを ただひとり
  やまへにをれば いぶせくありけり
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞原文は「大伴宿祢家持報贈紀女郎歌一首」。
【訓注】ひさかたの(久堅之)。降る日(ふるひ=落日)。ただひとり(直独)。いぶせく(欝)。紀女郎(きの いらつめ)。


万葉短歌0768 今知らす0702

2012年11月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌0768 今知らす0702

今知らす 久邇の都に 妹に逢はず
久しくなりぬ 行きて早見な  大伴家持

0702     万葉短歌0768 ShuB677 2012-1102-man0768

いましらす くにのみやこに いもにあはず 
  ひさしくなりぬ ゆきてはやみな
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】「大伴宿祢家持更贈大嬢歌二首」の第二首。
【訓注】都(みやこ=京)。逢はず(あはず=不相)。


万葉短歌0767 都道を0701

2012年11月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌0767 都道を0701

都道を 遠みか妹が このころは
うけひて寝れど 夢に見え来ぬ  大伴家持

0701     万葉短歌0767 ShuB677 2012-1101-man0767

みやこぢを とほみかいもが このころは 
  うけひてぬれど いめにみえこぬ
大伴家持(おほともの やかもち)=原文では「大伴宿祢家持」。第403歌参照。
【編者注】題詞原文は「大伴宿祢家持更贈大嬢歌二首」。その第一首。
【訓注】都道(みやこぢ=都路)。このころ(比来)。うけひ(得飼飯)。夢(いめ)。