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【現代ビジネス】賃上げはどこまで続くのか?

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
賃上げはどこまで続くのか?
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 1月の実質賃金は前年同月比1.5%減でした。
 賃金は確かに上昇していますが、消費税増税分まで含めた物価上昇率に追いついてはいません。普通の生活をしていると消費税は払わなければなりませんから、平均的勤労者が実質的に貧しくなっているというのが実際です。

 さて、昨年に続き今年の春闘でも、いわゆる政労使会議が開かれて、政府・労働組合・経営者が一同に会し、政府が賃上げを要請して、近年としては大きな賃上げが連続して実現します。
 原則論を言うなら、賃金は雇用者と被用者が自由な交渉の下で決めるもので、政府が賃上げに介入することはいいことではありません。とはいえ、トリクルダウンの難しさを考えるなら、デフレ脱却に向けた環境整備の一環として、肯定出来る面もあります。
 政府が賃上げを要請する異例の状況は、いつまで続くでしょうか。物価上昇を上回る賃金上昇が自然に実現するような環境になれば、この「官製春闘」はなくなるはずであり、その時こそが「アベノミクスは成功した」と言える時でしょう。

 今後がどうなるのかは難しい問題です。2017年度には消費税率10%への引き上げが(一応は)決まっていて「不景気が予約されている」ことが気懸かりですが、2015年度、2016年度はまずまずの雇用と賃金の環境が続くと期待して良いのではないでしょうか。
 株価と賃金で、先に上がったのは株価でした。先に下がるのもおそらく賃金よりは株価ではないか、というのが私の目下の予想です。
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