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【現代ビジネス】賃上げはどこまで続くのか?

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
賃上げはどこまで続くのか?
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 1月の実質賃金は前年同月比1.5%減でした。
 賃金は確かに上昇していますが、消費税増税分まで含めた物価上昇率に追いついてはいません。普通の生活をしていると消費税は払わなければなりませんから、平均的勤労者が実質的に貧しくなっているというのが実際です。

 さて、昨年に続き今年の春闘でも、いわゆる政労使会議が開かれて、政府・労働組合・経営者が一同に会し、政府が賃上げを要請して、近年としては大きな賃上げが連続して実現します。
 原則論を言うなら、賃金は雇用者と被用者が自由な交渉の下で決めるもので、政府が賃上げに介入することはいいことではありません。とはいえ、トリクルダウンの難しさを考えるなら、デフレ脱却に向けた環境整備の一環として、肯定出来る面もあります。
 政府が賃上げを要請する異例の状況は、いつまで続くでしょうか。物価上昇を上回る賃金上昇が自然に実現するような環境になれば、この「官製春闘」はなくなるはずであり、その時こそが「アベノミクスは成功した」と言える時でしょう。

 今後がどうなるのかは難しい問題です。2017年度には消費税率10%への引き上げが(一応は)決まっていて「不景気が予約されている」ことが気懸かりですが、2015年度、2016年度はまずまずの雇用と賃金の環境が続くと期待して良いのではないでしょうか。
 株価と賃金で、先に上がったのは株価でした。先に下がるのもおそらく賃金よりは株価ではないか、というのが私の目下の予想です。
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コメント
 
 
 
バブル? (けろりん)
2015-03-30 08:46:36
おはようございます

今回の株高、個人投資家は「ついていけない」方が多いようですが、それは、これまでの「肌で感じる感覚」での株価上昇ではないからのような気がします。
株価にしろ、賃金にしろ自然な流れによる上昇ではないものは、危うい気がするのですが、、、
現政権は、株価上昇を手柄のように語っていますが、これは「日銀の手柄」の様な気がします。
したたかな中国に比べ、憲法九条改正にこだわっている政府は、「古くささ」がぬぐえません。
力ではなく、経済で中国に対抗していかなければ、日本の行く末が危うくなりそうな気がします。
素人考えですみません。


 
 
 
素人はいつも最後に祭りに参加する (タロ)
2015-03-31 23:29:04
大抵の株価上昇では、「個人は最後」ということが多いですよ。
それは、個人が最も情報に疎く、分析力に劣り、資金力がなく、機動力にも欠けるからです。

また、現状では「日銀の評価は政府の評価」と言って差し支えないかと思います。
安倍氏は、かつて日銀法の改正をちらつかせてまでして、緩和に積極的な総裁選びをしました。
おそらく、言うことを聞かない総裁が続いていたら、日銀法の改正によって総裁をクビに出来るようにしたでしょう。

9条改正について言うならば、「現状に合わない文言を変える」というだけのことであって、問題ないかと思います。
「我が軍」発言でゆれましたが、対外的には自衛隊は軍隊ですしね。
「実質としては憲法違反だが、表面上そう見えないように糊塗してきた」というのが日本の軍事面での対応でしたから。

>力ではなく、経済で中国に対抗していかなければ、日本の行く末が危うくなりそうな気がします。

「経済で対抗」とはどういうことでしょう?
現状では、日中では競合する分野が異なります。
経済規模ということでいえば、人口が10倍ある中国は、一人当たりで日本の1/10稼げば事足ります。
ただ、一人当たりでは中国は今後100年、先進国たり得ないでしょう。
かつて日清戦争で日本が勝った時、日清の経済規模の差は、今の比ではないほど大きかったことを思い起こすと良いでしょう。
 
 
 
勉強になります (けろりん)
2015-04-01 09:48:46
ありがとうございます、勉強になります。
日銀総裁選びも政府の「作戦」なのですね。

中国に経済で対抗ですが、、、
中国は、お金をちらつかせて世界のあらゆる場所に触手を伸ばし、じわじわと発言力を拡大しつつあるような気がします(これまた素人考えですみません)。気がつかない間にアメリカをも脅かす存在になってしまわないのか心配していますが、そんなことは起こりえないのでしょうか?

 
 
 
Unknown (タロ)
2015-04-04 12:32:46
>中国は、お金をちらつかせて世界のあらゆる場所に触手を伸ばし、じわじわと発言力を拡大しつつあるような気がします(これまた素人考えですみません)。気がつかない間にアメリカをも脅かす存在になってしまわないのか心配していますが、そんなことは起こりえないのでしょうか?

これ、中国を「日本」にすり替えて、80年代の米国人になったつもりで考えてたらどうでしょう?
日本も似たようなことをODA通じてしていましたよね?
国連安保理の非常任理事国に何度かなれたのは、この金の力なくしては難しかったでしょう。

中国は名実ともに大国であり、歴史的には19世紀、20世紀の不振こそ「例外」でした。
彼らが相応の発言力、政治力を持つのはごく当たり前のことであり、それは仕方のないことです。
他方、歴史的には対外的な覇権志向が長続きせず、周辺国への脅威も限定的だったことも事実です。
彼らは周囲に敵が居ない米国と異なり、数え切れないほどの国家と民族に囲まれているからです。

「王朝」の敵は、常に民衆の不満と暴動であり、そのきっかけは統治の腐敗でした。
米国を相手にする暇なんてありませんよ。
 
 
 
やっぱり (けろりん)
2015-04-15 16:28:07
ありがとうございます。

世の中、やっぱり「お金」なんですね。
なんだか、中国のご機嫌取りをする国が増えてきている様で心配になっていました。。。

ところで、今話題のAIIBですが、、、日本は参加しなくて良かったのでしょうか?
 
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