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【ダイヤモンドオンライン】すき家の教訓は何か?

ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 すき家の教訓は何か? 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 夜中の1人オペレーションや、手間のかかる鍋定食メニューの導入に始まる「鍋の乱」と呼ばれるアルバイト従業員の反発など、牛丼チェーン「すき家」の労働環境が最近話題になっています。

 先日は、すき家のアルバイトに一斉に欠勤を呼び掛けるストライキがネット上で呼び掛けられたといいます。
 今回は結果的に不発であったとしても、チェーン店のアルバイトなどがSNSなどで一斉に連帯的な行動を取ることが可能になったことは新しい環境変化です。働く側にとって、費用が掛かる割に頼りにならない組合などよりも、遙かに低コスト且つ効率的な交渉力の持ち方になり得るからです。

 すき家の状況は、今、労働環境を巡って起こっている幾つかのトピックについて考えるきっかけにちょうどよいでしょう。

 まず、以前から、いわゆるリフレ派の論客達が説いていたことですが、デフレ対策であった金融緩和政策が、結果的に最も有効なブラック企業対策になっていた、ということの正しさが実証された形になりました。
 マクロ的に需給ギャップを埋めて労働需給をタイト化させると、すき家に限らず、雇用者側は、労働条件の改善を考えなければならなくなることが分かりました。これは、雇用市場における「最弱者」であるアルバイトの需給改善と時給向上につながっています。
 また、アルバイトの需要が増え、労働者側の他の選択肢が増えることによって、「キツイ職場だ」、「ブラック企業だ」といった風評の悪影響が、人余りの時代よりも強く経営に響く結果になります。
 経営側から見て効率的に働いてくれるようなオペレーションの設計は、世の中の経済環境が正常化すると機能しなくなる、ということです。

 記事では、「少々の経済的条件の改善よりも、気分よく働ける職場と仕事(オペレーション)の設計が大切だということが、一連のすき家のケースの広く共有すべき最大の教訓なのではないだろうか。」と、意見をまとめています。
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