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退職金の運用について富山で講演して来ました

 7月7日に、富山市に行ってきました。日本ファイナンシャルプランナーズ協会富山支部主催の、FPフォーラム2007で、講演とパネルディスカッションに参加しました。
 講演のタイトルは「団塊世代はこんな金融商品は買ってはいけない ~金融機関との上手な付き合い方~」でした。主催者の、主張が明確で、少し刺激的な話を(?)、というリクエストに応えて決めたものです。
 何はともあれ、退職金が振り込まれた銀行で投資性の運用をしてはいけないことから話し始めましたが(銀行窓口で売っている投信と個人年金保険でいいものがないことと、顧客のお金の本体を預かっていてセールス上銀行の立場が強すぎることの二点が理由)、たとえば、外国資産運用をするなら、外貨預金や一般の投資信託にはいいものが殆ど無いけれども、海外のETFを使うと、まずまずローコストで分散投資の意味のある運用ができるといった、「こうした方がいいよ」という話もある程度入れたので、タイトルから想像されるような、ダメ出しばかりの話をしたわけではありません(注;市販の投信では、国際投資のリスク分散のメリットを、手数料が喰ってしまうことになりそうです)。
 もちろん、顧客の立場に立って最善のアドバイスをするべきFPが、毎月分配型の投信(税金が明らかに損)や、バランス・ファンド(同様の効果をもっとローコストに作ることが出来るのでNG)、個人年金保険(投信にに似て、投信よりもコストが高い)などを顧客に勧めるようではいけませんが、アドバイスがなければ、こうした商品を買っていたかも知れない顧客を救うことで、顧客が明らかにセーブできたコストの中からFPが報酬を取ることは、顧客とFP双方のためになるのではないか、というのが、私が考える、当面の、FPと顧客の好ましい関係像です。顧客は、商品の手数料を節約する中から、FPに対するアドバイスのフィー(手数料)をもっと払うといいように思います。
 FPにも、もっと勉強して欲しいとも思いますが、顧客の側でも、FPにお金を払う方が、金融商品で余計な手数料を払うよりもずっといいという(正しい!)認識を持って欲しいと思っています。独立・客観的な「FP」には、FreeでPoorではなく、FaithfulでProfitableな職業になって欲しいと、私は、思っていますが、そのためには、顧客の側でも、意識を変えることが必要でしょう。ちなみに、顧客が望むのは、FriendlyでPrudentなFPです。
 聴衆の1/3くらいがFP、残りが一般の来場者だったようですが、私の講演でも、その後のパネルディスカッションでも、熱心にメモを取っている方が多くて、話をしていて、随分張り合いのある会合でした。富山のFPの皆様、どうもありがとうございました。
 写真は、富山支部のFPさんたちとの打ち上げの一次会の最後に撮ったものです。私の向かって左隣が富山県立中央病院の宮澤秀樹医師(呼吸器外科がご専門。医療保険に加入するよりも、その費用で、人間ドックの検査を充実させた方がずっと有効であることなど、実用的なお話をたくさん教えて下さいました)、そのさらに左隣がFP協会富山支部長で今回のイベントの企画と運営の責任者であり、パネルディスカッションのコーディネーターでもあったFPの石倉央さん(不動産にも強いFPで、話が非常にお上手な方です)です。
 後の打ち上げ(二、三次会も)が楽しかったこともあり、東京を離れた講演の仕事としては、久しぶりに楽しいと感じた仕事でした。
 尚、団塊の世代に限りませんが、退職金の運用は、何を考えて、どんな手順でおこなうべきか、合理性の裏付けのあるしっかりとした運用計画の作成手順を確立することが大切だと、改めて思いました。最大のポイントは、退職の時点で、金融資産の運用で、損をしてもいい金額を、どういう手順で求めるか、ということになりそうですが、この検討にあっては、徹底的に現実的であることが求められますし、答えの個人差が非常に大きな「ものになることが、予想できます。
 退職金の運用手順については、何度か原稿を書きながら、内容をよく考えて、最終的には、マニュアル化したいと思っています。
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