御浜岬を後にし、西海岸を南下します。
車のトランクには、いつも2Lのペットボトルの箱をいくつか積んであり、
旅先で見つけた湧水を汲んで帰るのも旅の楽しみの一つ。
下調べしておいた宇久須の「長命水」。
住宅の中にあり、地図は持っていたものの、少し迷いました。
2Lを6本汲み、もう少し汲もうかなぁと、思ったら地元の人が来られてバトンタッチ。
この頃から、ダンナに異変が・・・。
黄金崎にやって来ました。
まるで馬の顔をしたような、凄い断崖絶壁。
遊歩道があり、かなり下の方まで行けるようです。
松崎の「長八美術館」に到着。
ダンナが車酔い状態。
自分の運転する車で酔うなんてあるんだろうか?
少し早いのですが、先に今宵の宿「桜田温泉」へ行ってもらう事にして
私独りで見学です。
現代の名工達によって造られたという、現代の左官技術の粋を集めた長八美術館。
設計者の石山修武氏は、この作品で建築界の芥川賞といわれる
「吉田五十八賞」を受賞されたという。
長八の作品70点を収蔵する全国でも珍しい町営のコテ絵美術館。
2階からエントランス部分を見ると。
まるで、教会を思わせるような内部。
階段を昇りきったロビーに↓のコテ絵が。
天井ドームには、現代の名人が漆喰で描いた「花を持つ天女」が舞う。
左右にこういう展示室があり、内部も展示品も自由に撮影OK。
見事な龍の図。
龍は雲を呼び、そして雨が降るというので、防火の意味を込めて寺院などに多く描かれた。
浴衣の藍色が鮮やかな「近江のお兼」。
思わず、メル友を連想した。
全体は、こういうコテ絵です。
そして、極めつけは「春暁の図」。
長八61歳の作。
清少納言を連想して描いたらしい。
蛍光灯の灯りが写り込んでいます。
松崎の貧しい農家に生まれた長八、12歳で左官の道へ。
生来の手先の器用さで技術を習得し、19歳の時、江戸へ出て
狩野派に入門し絵を学んだという。
漆喰をもって絵を描き、華麗な色彩を施し、ついに長八独自の芸術を完成させた。
東京を中心に各地で名作を残したが、関東大震災で作品はほとんど焼失。
今まで、安心院や島根で見てきたコテ絵は、建物の壁、戸袋などに施されたものが多かったが、
ここ長八美術館では、ほとんどが額に納められた絵画的なもので、
細部の細かい技術までがよく見え、思わずため息が・・・。
はぁ、器用な人が羨ましい。