秋色を見るといえども、更に秋心無し

2014-10-23 19:59:42 | 日記

 山々がだいぶ色づいて来ました。田んぼも黄金の色がなびいていればこそ、秋色ですがこれが刈られて土に帰ってしまうと急に冬景色と言いますか、寂しい様相です。道元さまの典座教訓に「秋色見るといえども 更に秋心無し」とあります。秋はやってくるが、もの悲しいものではない、という悟りを示すことばです。肌寒くなると人恋しくなったり、葉が散る光景は悲しい情景として写ることもあります。しかしながらチューリップなどのように寒さがないと芽が動かないといわれます。「諸行無常」なる言葉も、悲しく滅び去っていくイメージの方が強いのですが、じつは子供がうまれることも諸行無常ですし葉っぱも散ることで、つぎの新芽が用意されている。

 人もある意味おなじで、悲しさや寂しさが身に染むことでそばにだれかいることがよろこびであったり、うれしさであったりします。

 

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