無方さん

2012-11-19 21:14:24 | 日記
 17日18日は勉強会だった。兵庫の安泰寺住職ネルケ無方さん
の講義である。例年ならば冬に行われるこの会、今回講師の都合で
この時期になりました。鎌倉、山梨、金沢からも参加されて典座教
訓という祖録で行われました。これは禅寺の台所仕事をするにあた
っての心得るべきことを、道元禅師が書かれたものです。

 無方さんは44歳、若くて身体も大きく、顔もいい男ぶり。快活
で頼りがいの有るタイプ。安泰寺は山里から4キロも入った、それ
こそ山のなかの一軒家で10人ほど(外人多し)自給自足で暮らし
ながら坐禅を中心に修行しているお寺である。

 ご存知の方もおられるかと思うけれど、ほとんどの修行道場は
住職養成所の趣があるけれど、この安泰寺は檀家もなくもちろん
スポンサーなどもいない。皆して托鉢などしながら自給の暮らしを
している。その意味では日本ではここだけだと思うけれど、純粋な
禅道場である。ここで典座つまり料理をするということは、食材
から買い出し、田畑の作務までも含めておよそ今の家庭生活では
到底味わえない醍醐味のある暮らし、自分自身と対峙する日々を
送っている。
 
 そこの堂長さんであるから、雲水さんたちの悩みや問題などに
対処しながらエネルギーを燃やしている方である。
 ぼく自身が祖録をほとんど最近は読まないでいる。そんなこと
もあってか、ぼくはとても刺激になったし中国唐時代のもっとも
禅の活動が盛んなころのようすや六祖慧能のこれまで語り継がれ
て来たお話はやはり、のちの時代に整理された物語であることな
どの話などはうーむであった。

 ぼくたちはつい言い伝えられた物語の中でだけめぐらす。
つまり自分の問題としてどこまでも日常的なありように視点を
おいて考えようとはしない。そこのところも無方さんは見落とす
ことなく語ってくれたのであった。
コメント
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