ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

アークカラープロジェクト

2014-09-07 23:50:09 | 日記

 私がいつもバスで通る七条通りは新しい建物と古い建物が交互に並ぶ通りで、一度歩いてみても楽しいだろうなと思いながら、バスの窓から眺めています。

 

  七条大宮の交差点近くにとても気になる古い建物がありました。 深いブルーグリーンのドアと窓枠、茶色いタイルの貼られた壁。 四角い二階建ての小さな建物ですが、とても洒落ていて、建物上部はモカコーヒー色の石。 離れてみるとすてきな帽子をかぶっているようです。 石の部分には細かいレースのようなラインが入っていて、それもよくみるとかなり凝っていて、その建物を眺めるのが楽しみでした。

 

 バスで通るのは一瞬なので、しっかり見ようと思ってもなかなか見えません。ドアの上に備え付けられたランプがかわいかったり、雨樋(私は建物を見るとき、どうしても雨樋が気になります)が右側にまっすぐと走っていて、一度あのドアを入ってみたいなぁと憧れていました。

 

 その建物には小さな看板がかかっていて、「ARC」というロゴが入っていました。 調べてみると、アークカラープロジェクトという「色」を中心にした講習会やデザイン提案などを行う会社のようでした。何の関係もないのに入っていってもいいのかなぁと迷っているうちに、その建物の右隣のビルが取り壊されました。あんなにぴっちりと建っていたのに、隣がなくなったら左脇腹のあたりがすうすうするんじゃないかと思うほど、急に心細い感じになりました。

 

 そして、きょう通ったら、忽然となくなっていたのです。 ARCの建物そのものが。 え、なんでないの?? と朝、目を疑いました。 そんなに急になくなるものでしょうか。 あの窓枠やランプや雨樋はどこへ行ったのでしょう。

 

 帰りも気になって、じっと窓の外を見ていました。 となりの建物のあったところとふたつぶんの土地が土の色になっていました。 まるで、はじめからなんにもなかったように。

 

 ネットでみたら、あの建物にはたくさんの人が集い、講習会やバザーなどが行われていたようです。 利用されていた人たちは私よりもっと寂しいに違いないと思いました。

 

 眺めて憧れて遠くから見ているうちに消えてしまった、あの建物のこと。 いつか物語に書いてみたいと思います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする