ハゴロモジャスミンが咲き始めました。
夫の部屋で寝転んでテレビを見ていると、頭のほうから甘い香りが漂ってきます。 あ、咲いてるな、と思います。 まだ咲き始めたばかりですが、GWの終わりごろになると毎年満開になって、壁から戸袋から障子からいろんなところから香りが入ってきて、家じゅうがハゴロモジャスミンの香りでいっぱいになります。
はじめは頭が痛かったけどもう慣れた、と夫は言います。 夫の部屋がいちばん花に近いので、満開のときは確かにむせるようです。
きのうも、久しぶりに会った近所のひとが「もうすぐ咲くね、すっかり風物詩になったね」と言ってくれたのですが、あの香りが好きじゃないひともいるだろうなぁと思っていました。
死んでしまった友達にもらった花だから、なんとか枯れずに17年間、2度の引っ越しも乗り越えて咲き続けてくれているだけで、なんというか、「終わっていない」という気がします。
今朝、高校生がふたり、駅で偶然会ったように話していました。
「お誕生日おめでとう」
「きのうお誕生日おめでとう」
「やー会えてよかった。 今年は言えへんかったらどうしようかと思っててん」
「うちも」
たぶん、1日違いのふたりは中学のころはお互いに「おめでとう」を言い合っていたのかな、と思いました。 そして、高校は別のところへ行くことになったようで、制服が違っていました。
一人は京都行きのホームへ、もう一人は奈良行きのホームへ降りていきました。 ずっと友達でいられるといいね。
そして、きょうは私の大切な友達のお誕生日だったことを思い出して、メールでおめでとうを言いました。
あたりまえだけれど、死んでしまったら誕生日がめぐってきてもおめでとうを伝えることはできないんだから。
お誕生日、おめでとう。