このあいだの金曜日は神楽岡歌会でした。
いつものように早く到着した人と机を並び替えたりして、椅子に座っていると、「きょう、司会を替ってもらえませんか」という申し出が島田さんからありました。
なにか不都合でもあったのかなと思って、「いいですよ」とお受けし、眼鏡をかけてひとつずつ歌を読んでいきました。
司会も選をするので、はじめは作者名を見ずに票を入れ、それからみなさんの票をカウントし、作者に自分の歌が当たらないようにしながら進めていきました。 司会をしてみてわかったのは、みんなに向かって評をする人と、司会者に向かって評をする人がいること。
真剣な表情で私に向かって語られると、なんだか母になった感じがして、頷きながらこっちも一生懸命聞きました。
この歌の批評はこの人に聞いてみたいな、と思って指名できますし、なにしろいきなり自分が当たることがないので、落ち着いて(?)座っていられました。 さすがに終わったら急におなかがすいてきて、そのあと行った居酒屋で、ばくばく食べていると、「藤田さん、きょうの司会、とてもよかったので(ほんとかなぁ)、これからしばらくやってもらえませんか」と言われ、みなさんも島田さんの批評をたくさん聞きたいだろうな、と思ったので引き受けることにしました。
「きょうの歌の読み方やけど、ちょっと詠草だして」と、隣に座った先輩のレッスンが始まりました。 一回目と二回目では読み方を変えて読むとか、切る場所を意識しながら読むとか、大切なことを教わりました。なんでもやってみるといままで気づかなかったことがわかっておもしろいです。
塔に入って14年。 だんだん自分より新しい人のほうが多くなってきて、なかなか歌の読み方まで教えてもらえる機会がありません。 そういう意味で、神楽岡はまだ3年の新米なので、 自分にもまだ「伸びしろ」があるような気がすることが嬉しいのです。
帰りはその日初めて来られたかわいい人とふたりで笑い転げながら帰りました。