土曜日は『洞田』歌集批評会で、東京へ行きました。
東京駅で友達が待っていてくれて、いっしょに紅茶を買いに行き、パンケーキを食べました。おいしかったー。
中野で別れて私は会場へ。パネリストのみなさんがそれぞれにいらだっていたのが印象的。
『洞田』は洞田明子という架空の人物が作った歌集です。太朗ユニットこと、染野太朗さんと吉岡太朗さんがいつごろだったか、「駅」をテーマに歌を募集されて、なにができるのかな、おもしろそうだなと思って私も1首応募しました。すっかり忘れたころに『洞田』が手元に届き、ああ、こんなふうにまとめてくれたんだな、私の歌はこんなところに並んでいるなと嬉しかったのです。
作者名はうしろにまとめて載っています。このひとも出されたんだなとか思いつつ、歌集とは別の楽しみ方もしました。
批評会では一首一首を殺しているとか、作者に詫びをいれないといけないとか、失敗しているとか、いろいろ言われていたけれど、そして会場にいたひとたちももやもやが解決した、みたいなことを言っていたけれど、私はもやもやをもらって帰った感じでした。作者は怒っていないのかきいてみたい、という発言もあったけれど、怒っているひとっているの? と思います。
殺されているって思ったひとがいるとして、じゃあ、どういうつもりで応募したんだろう。
私は青空の下で開かれるフリーマーケットとか食の祭典みたいなみんなが自分が作ったものを太朗さんたちに預けて、それが『洞田』という形にされて、ああ、こういう位置で私の出したものが使われているんだな、と楽しく見てまわったのです。
どういう意図で批評会が行われたのかが逆に不思議に思うのですが、そもそも室内で一人の人間像が浮かび上がるとかあがらないとか、論じてどうするのか、とだんだんきいているうちにもやもやしてきたのでした。
呼びかけに応えた二百数十名(2首以上出している人もいたからもう少し数は減るけれど)が、知っているひとも知らない人も、名前だけ知ってるひともぜんぜん知らない人も「歌」をだした、という一点でつながって、それを一首も落とさずに一首も変えずに会場を整えてくれた、太朗さんたちに私は参加させてくれてありがとうという気持ちです。
翌日は北鎌倉を散策し、江ノ電のフリーパスを買って極楽寺、七里ガ浜へ行きました。江ノ電に乗ってたら海が見えて、フリーマーケットをやっているのが見えたのでおもしろそうだなと思って降りました。 海がもうきれいで、ひとりでうきうきしながら歩いたり、お店の人をひやかしたり、楽しそうな人たちを眺めたりしました。
そうだよ。こういう青空の下に並べた歌だったのよ。 って思ったら、行合橋の下を流れる水がくすくすと笑うのでした。