このあいだ、両親の施設をいろいろ見学して、はやめに予約申し込みだけでもしておいたほうがいい、と思っていたのだけど。
私が行くと、偵察(?)と思うのか、やたら元気そうにしているふたり。天気がいいからといってシーツを洗ったりしている母。ううむ、切りだせない。
火事をださないように、すべてのコンセントはいちいち抜いているし。(これが結構面倒。使うたびにあら、動かないわとか、あら、水だってことになる)洗面所までいって、お湯がでないからまたキッチンへいって電源を入れるとか。電子レンジでおかずを温めようと思っても、電子レンジの裏側の手のとどきにくいコンセントにさしこまないといけない。なんでぬくんじゃーーーってなるけど、まぁ、ふたりなりに危機管理をしているのだから、と思い直す。
父は食事に関しては殿様モードで教育されてきているので、「しょうゆ」とか「箸」とか必要なものの名詞を口にする。すると魔法のようにテーブルにどこからともなくやってくる。そんなんじゃだめでしょ、これからどんどん母が弱るのにちょっとは自分でやってもらわないと・・・
栗ご飯に紅ショウガを載せるのが父は好きで。私が紅ショウガの袋からタッパーに移し替えているのをみて、「汁もぜんぶ入れといてや、すかすかのショウガはいややから」というので「はい」と、従い、じゃぶじゃぶのままタッパーにいれていたのだが・・・
タッパーの蓋をすると、もうそこになにが入っていたかを忘れる父。ショウガのおかわりをしようと、
父「ショウガ」 というので、
私「目の前のタッパーに入ってる」
父は私か母がタッパーをあけてショウガをご飯にのせてくれるのを期待していたようだが、私の厳しい指導の目を気にして、おずおずとタッパーの蓋を・・・・
次の瞬間、蓋がいきおいよく外れて、父の太腿あたりに汁がこぼれてしまいました。
父「うわーー」
私「はい、タオル、まぁ、エプロンしていてよかったね」
父「エプロンの下はジャージやしな、よかったわ」
私「少しさきのことを予測して、蓋はそうっとはずしてみたほうがいいかなぁと考えながらつぎはやってみてね」
できないことを思っていてもしかたないから、できることまだまだあるわ、と考えよう。 あの家でふたりで暮らせる時間が少しでも長いほうが絶対幸せだろうし。父は根気がなくなって、庭の剪定を植木屋さんにお願いすることにしたらしい。それでいいよ、頼めることは頼めば。
「でも、玄関の松の木だけは自分でやったんや」
「すごいやん」
「ふふー」
私「またくるわね」
父母「またきてね」
ほんとにまた近いうちにいくべきだなぁと思った。