ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

短歌de胸キュン

2015-09-30 22:22:35 | 日記

 私が毎月録画しているNHKの短歌de胸キュン。

 

 きのう仕事から帰ってだら~んと9月27日(日)放送分を見ていたら、おもしろくて思わずあははは!と声を出して笑っていました。 元気になるしためになります。

 

 前から周囲の短歌をしている人にお勧めしているんだけど、「見たよ!」「見てるよ!」という人と、「えー・・・」とちょっと馬鹿にしたような反応をくれる人がいます。

 

 4人のメンバー(全員で8人でそのなかから歌の対決をして次回メンバー4人が決まるという方式)や視聴者の書いた短歌に佐伯裕子さんがさりげないアドバイスをされるのですが、それがいつも「なるほど!」と思わせられますし、メンバーが真剣なところがいいのです。

 

 選ばれる確率の高いカン・ハンナさんが今回は漏れてしまって、半泣きになりながら「もっとちゃんと考えればよかった」と番組の最後につぶやいたのがとても印象的でした。

 

 それから、今回の題は「ノート」だったのですが、今月の胸キュン大賞に選ばれた歌が

  

  ・ノートには叶わなかった夢ばかり書いてあるので燃えるごみです  藤堂七波

 

 で、メンバーの小沢一敬(スピードワゴン)さんが「燃えるごみっていってるけど、絶対燃やしてないよ」と言って、佐伯さんが「そうなんですね、燃やしていないことがわかるように作られている巧い歌なんですね」 とコメントされたのも、そうだよねぇ、初心者だってそれがほんとうは書いてあることと違うってことくらいわかるよねぇ、と思いながら、最近話題になっている斉藤斎藤さんの歌を思い出したりしていました。

 

 誤解されないように歌を作る、ということは短歌のおもしろさを失くしてしまうんじゃないかなと思うこのごろです。

 

 なんのために短歌を作り、なんで短歌で表現するのか、ということをいつも考えます。

 

 今朝、オケの自主練のために早起きする、と言っていた息子が、私たちが出勤する時間になっても降りてこないので、叱って起こしていたのですが、

 「自分との約束ぐらい守り!」 と言いながら、ほんとだよな、って思っていました。

 

 私はなりたかった自分になっているでしょうか。 ほんとうにやりたかったことをやっているでしょうか。

 

 

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中津昌子歌集『むかれなかった林檎のために』

2015-09-29 23:27:19 | 日記

 仕事がめまぐるしく忙しいときに限って、無性に歌集が読みたくなるのが不思議です。

 

 ひとりで。 戸を閉めて。 静かな歌集が読みたいと思うのです。 中津昌子さんの歌集『むかれなかった林檎のために』は、静かに自分のなかにひとつひとつ歌を落としていく、という感じで読みました。 自分のなかにはもう骨も肉も血もなくて、人の形をした壺になったように、歌を落とすと反響してしばらくごおおんと鳴っているのです。 

 

 ・さびしい雨の日だなと父の声がする受話器は左の手よりはみ出る

 

 このさびしさはなんでしょう。  「受話器は左の手よりはみ出る」って、家の固定の電話でもスマホでもガラケーでも、すっぽり手に収まりきるということはなくて、むしろはみ出ることはあたりまえといえばあたりまえなのに、かなしいよーーー

 

 中津さんの歌は、ほんとうに不思議。

 

 ・むかしむかしへ戻りゆく母ひきもどすいっそうの舟わたしにあらず

 ・そこへゆけばかならず会えるという冬のそこは小さな庭なのだけれど

 ・よく食べたる母を喜ぶかつてよく食べたとほほえみくれたる母を

 

 お母さんを詠った歌はかなしさを越えたやさしさがあって、どうにもならないさびしさが響き渡ります。 「そこへゆけば」の歌は大好きで、何度読んでも泣いてしまいます。 「よくたべたる母を」の歌は、母と子に流れた時間を思わせられます。 ほんとうに幼いとき、よく食べたというだけで褒められ、笑っただけで親を喜ばせていた自分だった、喜んでいた母だった。 できることが増えるとそれだけありがたみもなくなって、どんどん喜ばせることの質も変わっていった。 けれど、今度は自分が母親が食べてくれるのが嬉しい、という立場になってみて、ふたりの時間の原点に戻るのでしょう。

 

 ・赤い靴が傘をはみ出し前へ出る濡れながら出るわたしの靴が

 ・胸と胸合わせて平たくいるときのみどりの海の底なのかここは

 ・キリンの顔が下がれば空が降(お)りてきて離れてもいいこのままあなたと

 ・あじさいにみどりの花がふくらめば手をのべて触れよあなたも空から

 

 いちばん好きな歌は

 

 ・つよい国でなくてもいいと思うのだ 冬のひかりが八つ手を照らす

 

 誰にも貸したりせず、ずっとそばに置いておきたい歌集です。

 

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ルスティク

2015-09-27 18:45:50 | 日記

 きょうはうちから車で20分くらいのフレンチレストランルスティクへ行きました。

 

 ここは特別なときにしか行かないので、行くたびに新しいメニューになっているのが楽しみなお店です。 東京のMちゃんと四国のAちゃんと3人で稲穂の明るい景色をみながら、2時間半くらいかけて、ゆっくりおいしいランチをいただきました。

 

 季節の野菜をふんだんに使ったオードブルやチーズフォンデュ、お魚のリゾット(簡単に書いているけれど、とても手のこんだお料理)、スイーツは檸檬カスタードクリームやお米の揚げたのやいちじく、マスカットやもろもろを層にしたすてきなパフェでした。 あー なんという幸せ。

 

 そのあと、電車の時間まで、一休寺へ行きました。

 

 ここは人も少なくてあおい紅葉やかわいい苔が美しく、おすすめスポットです。

 

 蚊にさされながらベンチで折り紙したりしたあと、新田辺駅でお別れ。 あーみんな、元気でね。 がんばろうね。

 

 これで、この夏から秋にかけての楽しみなイベントがひとくぎり。 あとは働くわ。 明日から絶対忙しい・・・

 

 そしてまた11月以降の歌集批評会に備えます。

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第5回あなたを読む会&かやぶき音楽堂&送別会

2015-09-26 22:53:55 | 日記

 きのうは直接訪問先へいくために、途中の駅で拾ってもらい、そのあと5か所を回り、16時ごろに会社へ。

 

 前日も直帰だったので、事務処理がたまっていました。 やらないといけないことはたくさんあるけれど、最優先のものだけ片付けて、17時40分にタイムカードを押し、塔事務所へ。 第5回あなたを読む会の開始は18時半。 私がぴったりその時間にドアを開けたら、ちょうどみなさん部屋に入ったばかりでした。 そして定刻どおりにスタート。

 

 今回は長い作品が多かったので、公平にするために1作品につき17分を割り当て、評者2人で10分を使ってあとの7分は自由発言ということにしました。 キッチンタイマーを持参したので、話の途中でも「それではつぎの作品にいきましょうか」とか「はい!」と手があがったときも「それでは残り2分30秒でお願いします」というふうに進めていったので、言いたいことをみなさんが簡潔に述べてくださり、なかなかよかったと思いました。

 

 いちばん印象に残ったのが、戦時中の少女の目線で描いた小説について、本当に戦争を体験した方が3人おられたので、「こんな感情は絶対湧かない」とか、「これは警戒警報ではなくて、空襲警報のはず。 警報がなってから空爆までの時間が短すぎるもの」 など、細かい指摘があって、みなさん細部まで読み込んできておられるなぁと思いました。 会が終わってからも駅までの道をあるきながら当時のお話を伺いました。

 

 「平和を祈りました」ってことはなかった、というのです。 「まず、平和という概念がなかった。 別の意味で使われていたことはあったかもしれないけれど、いまでいう平和という言葉は戦後に使われ始めた言葉だ」ということを知って、かなりショックでした。

 

 22時すぎ帰宅。 きょうはゼラニウムの整理をして、伸びた茎を切って土に差していきました。 そのあと、南丹市の胡麻駅へ。 ザイラーピアノデュオコンサートへ行きました。 久しぶりにかやぶき音楽堂へ行ったのですが、駅前の様子が変わっていました。 ただ、黄金色の田んぼが広がっている道を歩いていると、だんだん懐かしい気持ちが湧いてきて、音楽堂に着いたころにはあーひさしぶりーという気持ちでした。

 

 バッハ、モーツアルト、シュトラウス、ブラームス。 梯子でのぼる二階席はピアノを弾いている姿は見えないのですが、背もたれがあって、足を伸ばして聴けます。 折り畳みクッションを持っていったので、背中にしいて、目をつぶり、ミュージックセラピーを受けているようでした。 体の表面から奥深く音楽がしみ込んでいく感じです。 外へ目をやると、ピアノのむこうの硝子窓に椿でしょうか濃い緑のしっかりした葉っぱに光が当たってきれいでした。 その葉っぱの光の向こうには竹林があって、音楽にあわせるように揺れていました。 目を瞑ったり、光を見たり。観客席側の向こうは障子になっていて、そこから真っ白い光が入ってきて会場が浮かび上がるように思えました。

 

 休憩時間には地元のお酒とピアニストのザイラー夫人の手作りのパウンドケーキとハーブティが振る舞われました。 

 

 そして、コンサートが終わると早歩きで駅へ戻り、特急きのさきで京都へ。 18時半から先月退職したIさんの送別会のお店へ向かいました。

 

 女性4人、男性Iさんの5人の小さな会ですが、本音のトークができてとても楽しかったです。 定期的にやろうと盛り上がって帰りました。

 

 あしたは遠方の友達がふたり、京都へ来ているのでランチへ行く予定です。 とても楽しみです。

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検針員K

2015-09-24 18:58:56 | 日記

 きょうは久しぶりの出社。 そして出張5ケ所を回りました。

 

 ずっと話し続けていたので、終わるころには声がかすれていました。

 

 最後に訪問したところが比較的自宅に近い場所だったので、近鉄小倉駅で降ろしてもらい、そこからは電車で帰ることになりました。

 

 乗り降りしたことのない駅。 ぼんやりと歩いていると、「あ、ふじたさん!!」と呼ばれて、ぼんやりとした頭で声の主を見ると、以前一緒に仕事をしたことのあるKさんでした。

 

 「あー 懐かしい、元気?」 としばらく近況を話し合い・・・・

 

 私「そうそう、まえにKさんに取材して歌の連作作ったの覚えてる?」

 Kさん「覚えてるよ。<検針員K>やろ?」

 私「そう! よく覚えてるねぇ」

 Kさん「いや、忘れようにも忘れられないよぉ」

 

 そう。 このKさんというのは、私の第二歌集『白へ』に入れた連作「検針員K」のモデルなのでした。 2012年の偶数月に「塔」で作品を20首×6回の連載の機会をもらい、隣の犬をモチーフに6回シリーズの物語を歌で作ろうと思い立ったとき、隣の犬が何度も人を噛んでいたことを思い出しました。 ガスか水道の検針員を噛んだこともあって、ちょうどというか、ガスの検針員の仕事を掛け持ちでしていたKさんに取材を申し込みました。 まえに犬に噛まれたことがあると、話にきいていたのでした。

 

 会社の帰り、お鍋をたべながら、日に何軒くらいまわるの? とか、雨の日ってどうするの? とか。 犬に噛まれたときどうだった? とか、いろいろ細かく質問する私にとても丁寧に答えてくれました。

 

 そして、かなりたくさんの歌を作って、20首連作にまとめました。 あの6回の連作のなかでも、「検針員K」のところはやけにリアルで具体性があるというコメントをいただいたことがあるのですが、実際に取材をした結果だったのです。

 

 もちろん、『白へ』ができたとき、Kさんにも送りました。 ちゃんと読んでくれて、「こんな形で私が登場するなんて!」と面白がってくれました。

 

 なかなか会えなかったKさんと、初めての駅で偶然会うなんて、やはり縁があるのだなぁと思いました。

 

 

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