前参議院議員大久保勉 公式ウェブサイト

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金融の消費者保護

2004年12月13日 | Weblog
 全国社外取締役ネットワークの「ランチ&ディベート」で講演しました。同代表の田村達也さんは、元日銀理事で、コーポレートガバナンスの権威者の一人です。また個人的には経済同友会で大変世話になった方です。
 今年は、西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載など多くコーポレートガバナンスに関連する企業の不祥事がありました。政府の「貯蓄から投資」へのかけ声の中、西武鉄道株式を購入した個人投資家が株式の値下がりで大損をしました。本日は、投資家と企業経営者の関係や企業不祥事に対する罰則のあり方など白熱した議論を行いました。この会合の参加者は、弁護士、会計士、企業の監査役、元経営者などこの分野の専門家で、私にとり教えられることが多くあり、非常に有意義な会合でした。
 私の問題意識は、いわば「金融の消費者」である個人投資家の権利が今の日本において十分に守られているかということです。食品の虚偽表示は、消費者の権利を保護するために厳しく罰せられます。雪印などのように虚偽表示により企業が解体される事例にこと欠きません。しかしながら金融の分野での虚偽表示に関して、「消費者保護」のための企業経営陣への罰則は事実上なきに等しく、個人投資家が泣き寝入りしている状況です。さらには「預金を崩して株式に手を出したので、火傷した。」という社会的風潮が残っているようでは、到底「貯蓄から投資」の時代の実現はできません。金融の分野で消費者保護を食品、医療などの他の分野並みにすることは、金融庁の責務です。早急な対応が求められています。