21世紀政策研究所の田中直毅氏を国会にお呼びして郵政公社の民営化問題を研究しました。日本の雇用を拡大していくためには、資本市場へリスクマネーの供給が必要であること、そのためには郵貯簡保の資金が個人資産の25%以上占めて資本市場の健全なる発展を阻害しているという主張は、明快で説得的でした。投資銀行で国際金融に長年従事した経験から、日本が金融立国として国際競争力を維持して行かない限り、日本の産業の空洞化は不可避であると思います。このことは国の設計を明治以来の追いつき追い越せ型社会から、少子高齢化・先進成熟社会に適応したものにするかの問題です。郵政公社民営化・特殊法人改革・財政改革・年金問題等の根本は、すべて同じ問題に端を発しております。その意味で小泉内閣が、「郵政民営化」一点集中主義を採用していることは、バランスを欠き、また構造改革に対して誤解を生じしめる恐れがあります。