人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

山本真希+鷲尾麻衣で「パイプオルガン・クリスマス・コンサート」を聴く~トリフォニーホール

2016年12月18日 10時15分20秒 | 日記

18日(日).わが家に来てから今日で810日目を迎え,南シナ海のフィリピン沖の公海で,米海軍海洋調査船の無人潜水機を 中国が奪ったというニュースを見て 感想を述べるモコタロです

 

          

           公海で米国の物を奪うのは中国にとって後悔のもとだ 情報が公開されてるし

 

  閑話休題  

 

昨日,すみだトリフォニーホールで「パイプオルガン クリスマス・コンサート2016」を聴きました プログラムは①アレフレッド・ホリンズ「トランペット・メヌエット」,②ジョン・ブル「御子がわれらに生まれたもう」,③チャイコフスキー「バレエ:くるみ割り人形」より「花のワルツ」,④ランドルフ・キュリ「みんなのためのオルガン・ガイド」,⑤バッハ/グノ―「アヴェ・マリア」,⑥ヘンデル「私を泣かせてください」,⑦バッハ「主よ,人の望みの喜びを」,⑧プッチーニ「オペラ:ラ・ボエーム」より「私が街を歩くと」,⑨J.S.バッハ「小フーガト短調BWV578」,⑩同「前奏曲とフーガ イ短調BWV543」,⑪クリスマス・メドレーです 出演はパイプオルガン=山本真希,⑤⑥⑧のソプラノ=鷲尾麻衣です

 

          

 

山本真希は神戸女学院大学音楽学部,同大学専攻科卒業後,渡独しフライブルク,シュトゥットガルト他で学び,日本では井上圭子らに師事しました 第1回ドイツ・レンドゥスベルク国際オルガンコンクールで第3位に入賞しています 大阪の相愛大学音楽学部オルガン科の非常勤講師を務めているほか,2006年4月からりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館専属オルガニストを務めています

一方,鷲尾麻衣は東京藝大卒業後,新国立劇場オペラ研修所第7期生を修了し,文化庁派遣芸術家研修員としてニューヨークに留学しています.二期会会員で,来年1月の新国立オペラ「カルメン」でフラスキータを歌うことになっています

自席は1階16列11番,左ブロック右から2つ入った席です.会場はかなりの人が入っています チケット代1,500円は魅力です

山本真希が登場しパイプオルガンに向かい,最初にホリンズ(1865-1942 イギリス)の「トランペット・メヌエット」が演奏されます ステージ奥のスクリーンには,オルガン奏者の手元や足鍵盤の様子が映し出され,3段の手鍵盤と足鍵盤の両方を使って演奏する様子がひと目で分かるようになっています こういうのは良いですね

山本はマイクを持って自己紹介し,トリフォニーホールのパイプオルガンは4,735本のパイプと66個のストップ(音色や音の高さを変える装置)から成り立っていると解説します

次いでブル(1562-1628 イギリス)の「御子がわれらに生まれたもう」と,お馴染みのチャイコフスキー「バレエ:くるみ割り人形」から「花のワルツ」を演奏しました そして,キュリ(1943- アメリカ)の「みんなのためのオルガン・ガイド」の演奏に入りました.山本がオルガンを演奏し,その合間にアシスタントの女性がいろいろな演奏法と音色を解説する形をとりました これはわれわれ素人にはとても参考になりました

ここで,淡いピンクのドレスに身を包まれたソプラノの鷲尾麻衣が登場し,パイプオルガンの伴奏により2曲歌いました J.S.バッハ/グノ―「アヴェ・マリア」と,ヘンデルのオペラ「リナルド」から「私を泣かせてください」を美しくも力のある声で歌い上げました

再びパイプオルガンの独奏でバッハの「主よ,人の望みの喜びよ」が演奏されました そして再度,鷲尾麻衣が登場しプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」からムゼッタのアリア「私が街を歩くと」を鮮やかに歌い上げました この曲は先週の「ラ・ボエーム」公演でムゼッタ役として歌ったばかり(注:11日・和光市文化センター)とのことで,堂々たる歌いぶりでした

山本が鷲尾にインタビューし

「歌手は身体が楽器だと思いますが,普段,体調管理をどうされていますか?」

と訊くと,鷲尾は

「寝る時もマスクをしたりして喉を守っています 歌手によっては,歌う何時間前からは一切飲食しないという人もいますが,私の場合は比較的平気で,普通に飲食します 激辛の食べ物も平気です.チョコレートやオレンジジュースは食べたり飲んだりしないという人もいますが,私はそんなことはありません

と答えていました.人それぞれなのでしょうけど,身体が丈夫な人なのでしょうね

次にオルガン独奏でJ.S.バッハの「小フーガ  ト短調 BWV578」が,次いで「前奏曲とフーガ イ短調 BWV543」が演奏されました これを聴きながら,バッハと言う人は凄い人だったんだな,と感心していました 数多くのカンタータ,チェンバロ曲,様々な協奏曲,組曲,宗教曲・・・・すべてが素晴らしい音楽です バッハは本当に一人しかいなかったのか,と不思議なくらいです

最後はクリスマス・キャロルのメドレーです もろびとこぞりて 荒野の果てに ああ ベツレヘムよ 神の御子は今宵しも ひらぎかざろう ジングルベル 赤鼻のトナカイ きよしこの夜 いざ歌え いざ祝え がパイプオルガンの様々な音色で演奏されました

二人はアンコールにバッハの「カンタータ第140番」から第4曲「コラール:シオンは物見らの歌うを聞けり」を演奏し,大きな拍手の中コンサートを閉じました

最後に気が付いたことをひとつ.演奏者自身がマイクを持って挨拶したりインタビューしたりする時,早口で何を言っているのかよく聞き取れないケースが多いのですが,山本真希さんは常に落ち着いてゆっくり話すので,とてもよく話の内容が伝わってきました とくに”楽器の王様”パイプオルガン奏者の場合は,”会場全体が楽器”であるという認識があるため,マイクを通して話す際の残響音がどういう影響を及ぼすのかが十分に理解できているのだと思います 他の演奏家の皆さんにも是非見習ってほしいと思います 

休憩なし80分のコンサートでしたが,コストパフォーマンスが高く 十分に楽しむことが出来ました

 

          

コメント
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