人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット+東響でシューマン「交響曲第2番」他を聴く~クレンペラーの演奏との比較で聴くと?

2016年12月04日 09時47分12秒 | 日記

4日(日).昨日,新装開店の巣鴨駅前のマックに行ってハンバーガーを買ったのですが,700円以上で三角くじが1回引けるというので引いたら,何と「1等賞」と書かれていました 何か?と期待して待っていたらマックカード(500円分)でした 普段から行いの良い人には たまにはこういうこともありますね すぐ前の人はクリアケースをもらっていました.あれは参加賞だろうな ということで,わが家に来てから今日で796日目を迎え,マックカードを前に独り言を言っているモコタロです

 

          

             マックでぼくが食べられるものはないよ 意味ないじゃん お先マックら

 

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで東京交響楽団第647回定期演奏会を聴きました 12月に入ってサントリーホールもクリスマス・モードです

 

          

 

プログラムは①ワーグナー「楽劇”トリスタンとイゾルデ”」より第1幕への前奏曲,②生誕100年を迎えるデュティーユの「チェロ協奏曲”遥かなる遠い国へ”」,③シューマン「交響曲第2番ハ長調」です ②のチェロ独奏はヨハネス・モーザー,指揮はジョナサン・ノットです

 

          

 

いつものようにノットが指揮する時は,ヴァイオリン・セクションが左右に分かれる対向配置をとります.コンマスは水谷晃です

1曲目はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲ですが,チェロ独奏者のヨハネス・モーザーが,指揮者ノットとともに登場します ノットの意向で次のデュティーユ「チェロ協奏曲”遥かなる遠い国へ”」と続けて演奏するためです 両曲ともチェロから入るという共通点があります.したがって1曲目のトリスタンとイゾルデの前奏曲では,モーザーはチェロ・セクションを真後ろに控えて いっしょに演奏することになります  かなり背の高いモーザーは1979年ミュンヘン生まれのドイツ系カナダ人です.2002年チャイコフスキー・コンクールで最高位を獲得しています

ノットの指揮で前奏曲の演奏に入ります.いわゆる”トリスタン和音”の浮遊感を伴う音階を聴くと不安に駆られます 弱音の弦楽器に管楽器が加わりワーグナー独特の世界に引き込まれます ノットはかなりゆったりとしたテンポで音楽を進めます.静かに曲が閉じ,一瞬のしじまのあと,2曲目のデュティーユ「チェロ協奏曲」に入ります この曲は半年前の6月24日,読響定期演奏会でジャン・ギアン・ケラスのチェロ独奏,カンブルランの指揮で聴いているので,途切れることなく演奏される5つの楽章の所々のメロディーを思い出すことが出来ました この手の曲はまったく初めて聴くのと 一度聴いたことがあるのとでは,印象がまったく違ってきます 弱音から強音までチェロの魅力が生かされた曲だと思いました

会場いっぱいの拍手とブラボーに,モーザーはバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」から「サラバンド」をしみじみと弾き,大きな拍手を受けました

休憩後はシューマン「交響曲第2番ハ長調」です この曲は1845年~46年に作曲され,1846年11月5日 ライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮で初演されました 4つの楽章から成ります

私はコンサートを聴く前に,時間的に余裕があれば必ずCDで予習することにしています 今回 シューマン「交響曲第2番」を聴くに当たっては,オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア・オーケストラによるCDで予習しておきました なぜクレンペラーのCDを選んだかと言えば,おそらくジョナサン・ノットのアプローチと対極にある演奏だと思ったからです クレンペラーはシューマンの交響曲に限らず,全体的に遅いテンポで,しかもテンポを変えず終始泰然自若の演奏を展開しているからです

 

          

 

ノットの指揮で第1楽章が開始されます.冒頭,トランペットの静かなファンファーレ風のメロディーから入りますが,残念ながらトランペットが合いませんでした しかし,さすがに東響のブラス・セクションです.その後はしっかり修正して鋭い演奏を展開しました 第2楽章,第4楽章ともにノットのテンポは相当速いと言ってよいでしょう.しかもテンポを微妙に変化させることによって躍動感あふれるダイナミックな音楽を現出します これがノットの音楽作りの特徴と言えるでしょう 私にとって,これは クレンペラーの演奏と比較したからこそ分かったノットの演奏の特徴です また,ノットの指揮を見ていて思うのは,タクトを持つ右手とともに,左手が雄弁なことです.右手でリズムを刻み メロディーを作る一方で,左手で表情を付けハーモニーを形作っているかのようです

演奏で印象に残ったのは第3楽章におけるオーボエ首席・荒絵理子による演奏です 東響の強みは荒絵理子と荒木奏美の二人の首席(アラアラ・コンビ)を擁するオーボエセクションだと思います どちらが出番でも安心して聴けます

それにしても,ジョナサン・ノットは人気がありますね.われわれ聴衆だけでなく,楽員にも圧倒的な人気があるようです それもそのはず,ノットは東京交響楽団では2011年10月の定期演奏会にデビューしましたが,この共演でお互いに”一目ぼれ”し,翌2012年10月には次期音楽監督の就任発表となり,2014年度から秋山和慶,ユベール・スダーンに続く第3代音楽監督に就任したのですから.よほど相性が良いのでしょう 毎回 独特なプログラミングにより素晴らしい演奏を展開しています

話は360度変わりますが,12月号プログラム「Symphony」に10月下旬に東京交響楽団が挙行したヨーロッパ公演のリポートが載っています このうち オーストリアのウィーン楽友協会大ホールでの演奏会の報告に

「同じ演目をサントリーホールで演奏した際に,ノット監督はコントラバスを真後ろに置く配置をとりましたが,それもこの日のためでした」

と書かれています これについては,10月16日の当ブログに

「コントラバスがステージ中央後方に横一列に配置されている.これは,ヨーロッパ公演旅行に備え,欧州諸国のコンサートホールをイメージして低音部の配置を考慮したのかも知れない」

旨を書きました.推測が当たっていましたが,たまにはこういうこともあります

 

          

コメント
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