人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カエター二+ポゴレリッチ+読売日響でラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」他を聴く

2016年12月14日 08時17分07秒 | 日記

14日(水).2016年・今年の漢字に「金」が選ばれましたね リオ五輪の金メダルラッシュ,舛添知事の「政治と金」問題といろいろありました.一方,安倍首相は「動」を選びました.英国のEC離脱決定,アメリカ大統領選挙でまさかのトランプ氏の当選と,こちらもいろいろありました これに「銀」が加われば「金」「銀」「動」と表彰台独占になるのですが,何かないでしょうか? というわけで,わが家に来てから今日で806日目を迎え,近年ない形のノロウィルスが猛威を振るっているというニュースを見て 注意を促すモコタロです

 

          

             ノロウィルスに気を付けて! 人によってはウスノロウィルスにね!!

 

  閑話休題   

 

昨日,勝浦在住の大学時代の友人S君が送ってくれたアジをさっそく焼きました  あとは,「豚肉と大根の炒め煮」と「生野菜とアボガドのサラダ」を作りました.アジはとても美味しかったです

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで読売日響第565回定期演奏会を聴きました プログラムは①ムソルグスキー「歌劇”ホヴァンシチナ”」から「ペルシャの女奴隷たちの踊り」,②ボロディン「交響曲第2番ロ短調」,③ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」です ③のピアノ独奏はイーヴォ・ポゴレリッチ,指揮はオレグ・カエタ―二です

 

          

 

オケはいつもの読響の編成で,弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという並びです コンマスは小森谷巧.長身のカエタ―二が指揮台に上ります

プログラム冊子のプロフィール欄を見て驚きました.カエタ―二は1956年スイス生まれですが,父親は 何とウクライナ出身の名指揮者イーゴリ・マルケヴィチだったのです マルケヴィッチといえば,ストラヴィンスキー「春の祭典」や,クララ・ハスキルをソリストに迎え,コンセール・ラムルー管弦楽団を振ったモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番,第24番」は極め付きの名曲名演奏です その子息が振るのか,と思うと感慨深いものがあります

1曲目はムソルグスキー「歌劇”ホヴァンシチナ”」から「ペルシャの女奴隷たちの踊り」です この歌劇は全5幕からなりますが,「ペルシャ~」は第4幕第1場のために書かれました 冒頭からゆるやかな東洋風のメロディーをイングリッシュホルンが奏でますが,この演奏が素晴らしく,強く印象に残りました

2曲目はボロディン「交響曲第2番ロ短調」です ボロディンは3曲の交響曲を書きましたが,この第2番は1877年に初演されました.4つの楽章から成りますが,全体を通して聴いた印象は,ロシアの広大な大地に根差したスケールの大きな音楽といったところです

読響の演奏を聴いていて思ったのは,全体的に演奏レヴェルが高い中でも,金管楽器,とくにホルンに安定感があるな,ということです これは首席の日橋辰朗の存在が大きいと思います

休憩時間に当ブログの読者Nさんとホワイエでコーヒーを飲んで歓談しました 日露同時通訳者・米原万里の話から入り,今聴いたばかりの曲の感想,指揮者カエタ―二,次に演奏するポゴレリッチ,年末の第九の話まで,15分の短い時間に精力的に話しました ポゴレリッチを今まで聴いたことがあるか,ということについては,Nさんは「セイブ・チュルドレン」という組織のチャリティーコンサートがホテル・オークラで開かれた時にショパンの演奏を聴いたとのことで,会場がホテルだったので音響効果は良くなかったが,演奏は良かったという話でした 私の方は,数年前にラ・フォル・ジュルネ音楽祭でショパンのピアノ協奏曲第2番を演奏したのを聴いた時,超スローテンポだったが,説得力があり素晴らしい演奏だったという話をしました 15分はあまりにも短すぎます.もう少し余裕がほしいものです

 

          

 

休憩後は待ちに待ったポゴレリッチです 演奏するのはラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調」です.ポゴレリッチが青い表紙の楽譜を持って登場します.私の知る限り彼は常に楽譜を見て演奏します

第1楽章「モデラート」は鐘の音を模した独奏ピアノの力強い和音から入ります 私は,ポゴレリッチがどのように演奏するかに注目して見ていましたが,彼はかなり頻繁に座る位置を変えながら,つまり,低音部を弾く時には腰を浮かせて左に身体を移し,高音部を弾く時には同じく腰を浮かせて右に移して演奏していました 彼は弾くべき鍵盤が身体の真ん前にくるように身体を移動させていたのです.そうすることによって,打鍵が強くなるのだと思います

ポゴレリッチの演奏は終始「超スローテンポで通す」というイメージが強いと思いますが,この日の演奏はそうではありませんでした 第1楽章では超スローの部分もありましたが,逆に物凄く速いテンポで駆け抜ける部分もありました.つまり,テンポを自由自在に動かして起伏の大きな演奏を展開していたのです これを普通の人がやると,独りよがりのどうしようもない演奏になってしまうのですが,ポゴレリッチが演奏すると説得力を持つのです

第2楽章「アダージョ・ソステヌート」は,これまでのポゴレリッチのイメージに近い,終始ゆったりとしたテンポで進められました とくに最後は一音一音慈しむように丁寧に弾き切りました

第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」は再びテンポを大きく動かし,スケールの大きな音楽を構築していきました.フィナーレは圧倒的な迫力でした

会場割れんばかりの拍手とブラボーに,ポゴレリッチは前に,左に,後ろに,右に,深々と一礼し歓声に応えました 驚いたことに,アンコールに 今弾いたばかりのラフマニノフの第2楽章をもう一度演奏したのです これがまた素晴らしい演奏でした

この日のコンサートは今年聴いた200回を超えるコンサートの中で,最も印象に残った演奏の一つになりました

 

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