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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

METライブビューイングでR.シュトラウス「サロメ」を観る ~ 斬新な演出:エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー、ペーター・マッティ、ミシェル・デ・ヤング、ゲルハルト・ジーゲルにブラボー!

2025年06月30日 00時10分18秒 | 日記

30日(月)。今月も月末を迎えたので、恒例により6月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシックコンサート=18回、②映画鑑賞=3本、③読書=7冊、①②③合計=28でした また、今年も半年が経過したので、2025年上半期の実績をご報告します ①クラシックコンサート=97回、②映画鑑賞=28本、③読書=27冊、①②③合計=152でした   とはいえ、これがどういう数値か分からないので、前年同期と比較してみます。2024年上半期の実績は①94回、②55本、③47冊でした つまり 今年は、コンサートはほぼ前年同期と同じですが、映画と読書は半減していることが分かります このうち②映画鑑賞は、腰痛悪化防止のため自粛していたのが大きな要因です ③読書は300ページクラスの分厚い本が多かったことが要因の一つかもしれません

ということで、わが家に来てから今日で3821日目を迎え、イタリアのベネチアで28日、米アマゾン創業者で大富豪のジェフ・べゾス氏と元テレビ司会者のローレン・サンチェス氏の豪華な結婚式に抗議して、「べゾスはラグーンから出ていけ」と叫ぶなど、少なくとも500人がデモ行進した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

ベネチアの市民が喜ぶようなご祝儀を Amazon Prime でばら撒いたら 反応が違ったんじゃないの?

         

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、R.シュトラウス「サロメ」を観ました これは今年5月17日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はサロメ=エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー、ヨカナーン=ペーター・マッティ、ヘロディアス=ミシェル・デ・ヤング、ヘロデ王=ゲルハルト・ジーゲル、ナラポート=ピョートル・ブシェフスキ。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ヤニック・ネゼ・セガン、演出=クラウス・グートです

「サロメ」はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)がオスカー・ワイルドの劇を基に1903年から05年にかけて作曲、1905年にドレスデンで初演された全1幕のオペラです

物語の舞台は紀元前36年頃のシリア(本演出ではヴィクトリア朝時代)。キリストの到来を予言したヨカナーン(新約聖書の「洗礼者ヨハネ」)は、王ヘロデが兄弟の妻ヘロディアスを奪って結婚したことを非難した罪で投獄されている ヘロディアスの連れ子サロメは、獄中から聞こえるヨカナーンの声に惹かれ、彼を牢から出させて面会し、ヨカナーンの虜になってしまうが、激しく拒まれる ヨカナーンへの欲望に憑りつかれたサロメは、自分に気があるヘロデの求めに応じて踊り(7つのヴェールの踊り)、褒美に「ヨカナーンの首」を所望する ヘロデは震え上がるが、約束を破るわけにはいかない。銀の皿に乗せられたヨカナーンの首を手に入れたサロメは、その唇に接吻する サロメの異常な行動に恐れを抱いたヘロデ王は「その女を殺せ!」と命令する

「サロメ」をMETで初演した際には、あまりにも官能的で暴力的な内容だったため1回で打ち切られ、以後27年間上演が封印されたというエピソードがあります 今回の演出はMETとしては20年ぶりの新演出となります

歌手陣は揃って絶好調で、流石はMETと感嘆するばかりです

サロメ役のエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァーは1979年南アフリカのヨハネスブルク生まれのソプラノです ドラマティックな歌唱とサロメに成り切った演技力で聴衆を圧倒しました

ヨカナーン役のペーター・マッティは1965年スウェーデン生まれのバリトンです 幅広いレパートリーで世界の歌劇場で活躍していますが、今回も聖職者ヨカナーンを説得力のある歌唱で魅了しました

ヘロディアス役のミシェル・デ・ヤングは1968年ミシガン州生まれのメゾソプラノです 力強い歌唱でサロメの母親役を見事に歌い上げました

ヘロデ王役のゲルハルト・ジーゲルは1963年ドイツ生まれのテノールです 声がよく通り、存在感のある歌唱と演技を披露しました

特筆すべきは、ヤニック・ネゼ=セガン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団による留まるところを知らない うねるような演奏です   不気味なまでの官能的な演奏によって、サロメの異常な精神世界を表現しました

演出上の大きな特徴は、サロメの分身とでも言うべき少女が幼児から青年女性まで計6人登場することです なぜ6人なのかは、ヘロデの求めに応じて踊る「7つのヴェールの踊り」にヒントがあります 6人の少女は音楽に合わせて一人ずつ登場しては去っていくわけですが、ヘロデ王に対峙するのはサロメを含めた7人です つまり「7人のサロメによる7つのヴェールの踊り」というわけです オーソドックスな演出では、サロメが音楽に合わせて薄いベールを1枚1枚脱いでいくという流れになりますが、本演出ではサロメは全く踊りません。6人の少女たちも踊りません むしろ絶対権力者に脅されて恐怖を感じている姿を演じているように思えます この辺に演出家のメッセージが隠されているのかもしれません

         

「METライブビューイング2025/26」の概要が発表されました 新シーズンは下のチラシ通り11月から来年7月までの間に8演目が上映されます

新シーズンの特徴は極めてオーソドックスな演目が多いということです   個人的にはベッリーニのベルカント・オペラが2作(「夢遊病の娘」「清教徒」)上映されるのが嬉しいです

         

今日はすみだトリフォニーホール(小)に新日本フィル「室内楽シリーズ 木管室内楽の頂点 神農広樹プロデュース編」を聴きに行きます


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