人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「マダム・フローレンス!夢みるふたり」を観る~絶世の音痴歌姫/佐藤正午「書くインタビュー2」を読む/本を6冊買う

2016年12月10日 10時27分51秒 | 日記

10日(土).昨夜,元の職場が入居している内幸町のNPCビル地下の焼き鳥OでW調剤薬局主催のクリスマス・パーティーが開かれ,参加しました 毎年12月の第2金曜日に開かれている会ですが,OBの私にも元の職場を通じてお誘いの声がかかりました

地下鉄内幸町駅で降りると,見たことのある顔に遭遇しました.元職場NPCのビル警備隊長S君でした.人事異動により来月から新しい勤務地に移るとのことでした.NPCビルは内外VIPの記者会見をはじめ他のビルにない緊張感のある警備が求められますが,S君は約10名の警備員を統率して本当に良くやってくれました ありがとうございました.新しい勤務先でも今までの経験を活かして頑張ってほしいと思います

開宴まで時間があったので9階記者クラブのラウンジに行ってみたら,T監査役,元職場OBのS氏,今年6月の株主総会で任期満了で退任するU顧問,今年いっぱいで定年退職する元E部長,先日このビル10階のレストランで結婚披露パーティーを開いたK君が歓談していました しばらくビル周辺のテナント情勢について歓談し,地下に下りました このパーティーの”お楽しみ”は「プレゼント交換会」です.参加者は各自2000円程度のプレゼントを用意し受付で渡して番号札を受け取り,後で全員が三角くじを引いて 書かれた番号のプレゼントを受け取る,というシステムです 私はW調剤薬局Tさんからのプレゼントが当たりました.家に帰って開けてみると「全国温泉の素セット」でした Tさん,ありがとうございました

私は一番奥の席で,U顧問,OBのS氏,元E部長と飲んでいましたが,途中からW調剤薬局の女性3人が加わり話に華が咲きました 楽しいことは時間を忘れさせるもので,いつの間にか10時半になっていました ご参加の皆さん,お疲れ様でした

 

          

 

ということで,わが家に来てから今日で802日目を迎え,スティック式インスタント・コーヒーの匂いを嗅いでいるモコタロです

 

          

             これはご主人のではないな インスタント・コーヒーは飲まないから

 

  閑話休題  

 

本を6冊買いました   1冊目は,伊坂幸太郎著「首折り男のための協奏曲」(新潮文庫)です 伊坂幸太郎の作品は文庫化するたびに購入して当ブログでご紹介してきたので,もうお馴染みの作家だと思います

 

          

 

2冊目は,佐藤正午著「永遠の1/2」(小学館文庫)です 佐藤正午は好きな作家の一人です.数年前に読んだ「身の上話」ですっかりファンになりました

 

          

 

3冊目は,佐藤正午著「事の次第」(小学館文庫)です 「書くインタビュー」にも登場した作品です

 

          

 

4冊目は,荻原浩著「ママの狙撃銃」(双葉文庫)です 荻原浩はご存知,直木賞作家ですね

 

          

 

5冊目と6冊目はジェフリー・ディーヴァー著「シャドウ・ストーカー(上・下)」(文春文庫)です この人の作品も出るたびに購入して当ブログでご紹介してきましたね どんでん返しの達人です

 

          

          

 

  も一度,閑話休題  

 

佐藤正午「書くインタビュー2」(小学館文庫)を読み終わりました この本は,目の前の相手にインタビューして記録を再現するのではなく,メールのやり取りだけで,ライターの東根ユミさんが作家の佐藤正午氏にインタビューしてその内容を再現するという企画の第2弾です

 

          

 

今回のメールのやり取りのメインは長編小説「鳩の撃退法」の執筆前夜から完成後までのドキュメンタリーです 東根ユミさんの「どういう理由で『鳩の撃退法』というタイトルを付けたのか?」という疑問から入り,「どうして小説を書くのか?」という根本的な質問へと移っていきますが,佐藤正午という小説家がどんな動機によって小説を書いているかというのが最後に明かされます まず,

「あり得ない話に僕は魅かれるんです」

と書きます.その後で「現実には,あり得ない話などない,と言い切るほうが正しいような気がします」

と書きます.そして「小説に書くとまるっきり嘘になる,そういう話に僕は魅かれるんです」として,

「噂の話に僕は魅かれるんです」

と書きます.そして「そんなのあり得ないよ,と言われそうな話に僕は魅かれるんです」として,

「嘘を作ることに僕は魅かれれるんです」

と書きます.そのうえで,

「嘘をほんとうに見せることに僕は魅かれるんです」

と結びます

これは佐藤正午という小説家に限らず,小説を書く人に共通の動機ではないかと思います

 

  最後の,閑話休題  

 

昨日,池袋シネマサンシャインで「マダム・フローレンス!夢みるふたり」を観ました これはスティーヴン・フリアーズ監督による2016年イギリス映画(111分)です

 

          

 

資産家のフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)の夢はソプラノ歌手になることだった しかし,周囲の者が本当のことを伝えないため,彼女は自分が致命的な音痴であることに気付いていない 愛する妻に夢を見続けさせるため,2番目の夫シンクレア(ヒュー・グラント)はお人好しなコズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーグ)という若手ピアニストを専属伴奏者として採用し,マスコミを買収し,彼女の”信奉者”だけを集めた小さなリサイタルを開催する 歌が上手いと信じて疑わないフローレンスは ある日,世界的な権威のあるカーネギーホールで歌いたいと言い出す 実は彼女は余命いくばくかのを大病を抱えていた シンクレアは彼女の最後の願いを叶えるべく奔走し,1944年10月25日,世界的な音楽の殿堂カーネギーホールで76歳のフローレンスのリサイタルを実現させる 満場の観衆が耳を傾ける中,超絶音痴プリマドンナ,フローレンスのリサイタルの幕が開いた

 

          

 

私は「音程・テンポ・リズム」の3拍子揃った”世紀の大音痴”ジェンキンス夫人の存在につていは知っていましたが,この映画のような裏話があったのか,と実は感動しました 死んだ父親の莫大な相続財産にまかせて好き放題なことをやった人かと思っていましたが,「ヴェルディ協会」の設立をはじめ ニューヨークの音楽界のために尽力し,そのうえで夫・シンクレアの献身的な助力を受けながら自らの夢を実現したのでした

主演のジェンキンス夫人を演じたメリル・ストリープは,最初に正しい歌い方を習ってから下手に崩して歌ったといいますが,そうしなければ”上手く下手に”歌えないでしょう リサイタルで歌われるのは,J.シュトラウス「喜歌劇”こうもり”」から「伯爵様,貴方のようなお方は」,ドリーブ「歌劇”ラクメ”」から「鐘の歌」,モーツアルト「歌劇”魔笛”」から「夜の女王のアリア」等ですが,メリル・ストリープ本人が歌っています 口の中に飲み物を含んだまま聴いたら,思わず吹き出してしまうこと必至です とくに私が感服したのは「夜の女王のアリア」です 超絶技巧コロラチューラ・アリアが超絶音痴 殺ら注ら アリャ? になっていました

このほか,ジェンキンス夫人の伴奏ピアニストを選考する時に弾かれた曲は,リスト「ハンガリー狂詩曲」とサン=サーンス「白鳥」,伴奏ピアニストに選ばれたコズメとジェンキンス夫人が連弾で弾いたのはショパン「前奏曲第4番作品28-4」でした このピアニストを演じたサイモン・ヘルバーグはとてもいい味を出していました

フローレンス・フォスター・ジェンキンス夫人はカーネギーホールでのリサイタルの1カ月後に息を引き取ったといいます  彼女の歌ったアリアのCDが発売されていますが,残念ながらまだ入手していません 私の不徳の致すところです

コメント (2)
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