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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンドレイ・ボレイコ ✕ ツォトネ・ゼジ二ゼ ✕ 新日本フィルでストラヴィンスキー「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」、ショスタコーヴィチ「交響曲第11番」を聴く

2025年06月29日 00時03分16秒 | 日記

29日(日)。昨日午前10時から近くの集会所でマンション管理組合の定時総会が開かれたので出席しました 会計報告の「未収入金」に関して質疑応答があり、管理費長期滞納者への対応について協議しました   現在督促中の長期多額滞納者については、取りあえず弁護士費用が発生しない少額訴訟を起こすことで意見の一致をみました この案件はローテーションにより選出された次期理事会メンバーに引き継がれます。ほかに大きな検討事項がなかったのでちょうど1時間で審議が終わりました 今期理事会は大規模修繕計画と実施の関係で、通常2年任期のところ、3年間務めました 私自身は理事長1年、副理事長2年務めましたが、これで一段落です 次の順番は4班制のローテーション表に基づき7年後となります

ということで、わが家に来てから今日で3820日目を迎え、トランプ米大統領は27日、イランの最高指導者ハメネイ氏がイスラエルに勝利したと宣言したことを「うそだ」と批判し、イランの経済制裁緩和の検討を停止すると表明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

   

   トランプの本音は 嘘でもいいからイランはイスラエルに負けたと言ってほしかったか

         

昨日、サントリーホールで新日本フィル「第664回定期演奏会 ~ サントリーホール・シリーズ」を聴きました    プログラムは①ストラヴィンスキー「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第11番 ト短調 作品103  ”1905年”」です 演奏は①のピアノ独奏=ツォトネ・ゼジ二ゼ、指揮=アンドレイ・ボレイコ です

アンドレイ・ボレイコは2023/24シーズンまでの5年間、ワルシャワ・フィルの音楽・芸術監督を務めた 今シーズンはウィーン響、ハンブルク・フィル、シュトゥットガルト・フィルなどへの客演が控えている

開演前、当日券売場にチケットボックス部の登原さんを発見 お互いに「お久しぶりです~」と挨拶しました 「今日はプレコンサートがあるので早めに来ました プレコンサートは先日、東京フィルでもサントリー定期でやっていましたよ」と話すと、「毎回実施するわけではないんです。これまでトリフォニーホールでは定期演奏会でのプレコンサートがありましたが、サントリーホールでは今シーズンから始まりました 前回はお聴きになれなかったんですね。ブログで拝読しました」とのことでした プレコンサートの有無は、その都度、事前にホームページでチェックする必要がありそうです いずれにしても、プレコンサートは楽員の顔と名前を覚えてもらうのに絶好の機会になるので、すごく良いことだと思います 新日本フィルの場合は、定期公演のプレコンサートのほかに「楽団員企画による室内楽シリーズ」もあり、素晴らしい取り組みをしていると思います

ということで、開演30分前の13時半からプレコンサートがありました プログラムは①ストラヴィンスキー「パストラーレ」、②ユーマンス(ショスタコーヴィチ編)「タヒチ・トロット(Tea  for  Two)」です 演奏はヴァイオリン=立上舞、オーボエ=神農広樹、イングリッシュホルン=森明子、クラリネット=瀧本千晶、ファゴット=坪井隆明です

両曲ともリラックスして聴きましたが、驚いたのは木管四重奏にヴァイオリンが1本加わるだけで、音楽に幅と深みが増したことです

さて、本番です オケは12型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び コンマスは崔文洙、隣は伝田正秀という2トップ態勢を執ります 第2ヴァイオリンのトップは佐々木絵理子の隣に元カルテット・エクセルシオの山田百子が客演しています また、チェロのトップは長谷川彰子と並んで、先日サントリーホールチェンバーミュージック・ガーデンで「トリオ・フィデーリス」の一員として出演した佐山裕樹が本来業務に復帰して出演しています

1曲目はストラヴィンスキー「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」です この曲はイーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)が1928年から29年にかけて作曲、1929年にパリで初演されました 石川亮子氏のプログラム・ノートによると、「ストラヴィンスキーの『自伝』によれば、カプリッチョはファンタジア(幻想曲)に近く、『次々と浮かぶ様々な種類のエピソードを並置することによって作られた音楽』である」とのことです 通常「カプリッチョ」は「自由で気まぐれな」性格を持った音楽ですが、それにファンタジーが加わったものと解釈すればよいでしょうか 第1楽章「プレスト」、第2楽章「アンダンテ・ラプソディコ」、第3楽章「アレグロ・カプリッチォーソ・マ・テンポ・ジュスト」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のツォトネ・ゼジ二ゼはジョージアの音楽一家に生まれた現在16歳の青年です ジョージアの大作曲家ニコ・スルハニシヴィリと、著名なピアノ教授アナスターシャ・ヴィルサラーゼの子孫に当たります 5歳でピアノを始め、6歳から作曲を始めました    世界的な指揮者やオーケストラと共演を果たす一方、各国でリサイタルを開いています

上が白のシャツ、下が黒のパンツという”一見  男子高校生”のゼジ二ゼがボレイコと共に登場し、ボレイコに指揮で第1楽章の演奏に入ります

ゼジ二ゼは力強く明快な演奏で諧謔的なパッセージを弾き切ります 第3楽章では「カプリッチョ」の言葉通り次々と変遷するパッセージを、確かな技巧の裏付けによって鮮やかに弾きこなします ボレイコ ✕ 新日本フィルはソリストにピタリとつけました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました ゼジ二ゼは聴衆の熱狂的な反応に対し、結局 アンコールに自作曲を3曲演奏しました 「ストラヴィンスキーへのオマージュ」「日本へのオマージュ」「プレリュード」です

休憩時間に登原さんとお話ししました

登原さん「ゼジ二ゼさんは どんな印象でしたか?」

tora「チラシでは中学生みたいな印象だけど、実際に見たら高校生みたいだった。服装が高校生みたいだったし

登原さん「アンコールは自作曲を3曲も演奏したんですね

tora「何回目かのカーテンコールで、舞台袖に戻ろうとして、『あっ、いけない。アンコール演奏しなくちゃ』と急に思い出したみたいで、突然椅子に座って演奏を始めたので可笑しかった 熱狂的な拍手に感激したのか、次の次のカーテンコールで2曲目のアンコールを演奏した もうないだろうと思いながら拍手をしていたら、まさかの3曲目が演奏されたので、よほど日本の聴衆の大きな拍手が嬉しかったんだと思う ステージ慣れしていない高校生ピアニストが、一生懸命アンコールに応えているみたいで、新鮮で好感が持てましたよ

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第11番 ト短調 作品103  ”1905年”」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1957年に作曲、同年モスクワで初演されました 1953年に独裁者スターリンが死去し「雪解け」が始まりましたが、その後で作曲されたことになります 1905年1月22日、帝国ロシア・ペテルブルクで、皇帝に正義の実現を請願するために宮殿に向かった市民に軍隊が発砲し、1000人以上が射殺された「血の日曜日」事件が起こりました この作品は、ロシア革命の発端となったこの事件を描いた標題付き交響曲です 第1楽章「宮殿前広場:アダージョ」、第2楽章「1月9日=血の日曜日:アレグロ」、第3楽章「永遠の記憶:アダージョ」、第4楽章「警鐘:アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります 曲は切れ目なく続けて演奏されます

オケは16型に拡大し、ステージ下手にハープが2台とチェレスタ(高橋ドレミ)がスタンバイします

この曲は70分近くかかる難曲で、「標題付き」交響曲なので、事前にベルナルト・ハンティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のCDで10回くらい聴いて、各楽章ごとの情景とメロディーを頭に叩きこんで、本番の演奏に臨みました その甲斐あって、曲全体の流れと情景が把握でき、演奏を楽しむことが出来ました

第1楽章では山川永太郎の、遠くから近づいてくるトランペットの演奏が素晴らしい 山内創一朗の不穏な空気を醸し出すティンパニと、抑制された弦楽セクションが、嵐の前の静けさを見事に表していました 第2楽章では市民に向けて一斉射撃が開始される小太鼓の連打が痛々しい 第3楽章では、チェロとコントラバスのピッツィカートに乗せて抒情的な演奏を繰り広げるヴィオラ・セクションの演奏が冴え渡りました 第4楽章では、中盤で「おお、皇帝われらの父よ」のテーマがオケ総力を挙げての演奏で音の大伽藍を築き上げました その後、森明子のイングリッシュホルンが「帽子をとろう」を叙情的に演奏しましたが、これが素晴らしかった 最後は鐘の音と打楽器群の迫力のある演奏を伴って壮麗なフィナーレを飾りました

ボレイコ ✕ 新日本フィルは、終始 集中力に満ちた演奏によって、1905年1月22日の「血の日曜日」事件をストーリー性豊かに描きました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 文句なしの素晴らしい演奏でした


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